富士総合火力演習

今日は、東富士演習場(御殿場市)まで、陸上自衛隊の「富士総合火力演習」を視察に行ってきました。心配された雨も、演習中は降りませんでした。ただし、雲が低く、航空機が上空を飛んでいる姿や、そこから発射されるミサイルは見えませんでした。着弾は見えました。富士山も見えませんでしたが。2万人を超える観衆が集まっているので、雨が降ったら大変です。
さすがに、戦車などの実弾射撃は、迫力があります。8月14日から、全国から呼ばれた部隊が訓練を重ねたのだそうです。遠くの的に、一斉に命中させるのは、訓練がいるでしょうね。もちろん、実戦はない方が良いのですが、国際情勢は、そんな平和なものではないようです。ふだん私が付き合わない方々と意見交換、というか、いろいろ教えてもらいました。
ところで、大震災の際には自衛隊が大活躍したのですが、意外だったのが、お風呂です。食事などの必要品は運び込み、またトイレも仮設で設置しました。最後まで「日常」でなかったのが、お風呂です。水と設備と燃料が必要なのです。お風呂を持っている、持って行けるのは、自衛隊だけです。発災1か月後の調査でも、「お風呂に入っていない」という回答に驚き、納得しました。お風呂のないところでは、体育館などの避難所から、ホテルなどに「休息」に行ってもらいました。

全国都市監査委員会、講演

8月25日は、函館市で開かれた全国都市監査委員会で、80分の講演をしてきました。千人を超える方に、大震災直後に私と政府が何をしたか、そして町のにぎわいを取り戻すために、これまでないことをしていることを、お話ししてきました。80分あると、かなり具体事例を入れて話すことができました。抽象論だけでは、聞いていて眠くなりますよね。
前段は具体論、後段は理論編として、理解してもらえるように工夫しました。皆さん熱心に聞いていただきました。パイプ椅子で80分座って聞くのは(私の前にも数時間会議がありました)、疲れたでしょうね。でも、寝ている人はいませんでした。壇上からは、よく見えるのですよね。

初任者研修の講師

去年6月に、国家公務員初任研修で、次官講話を話しました。それが、人事院のホームページに載りました。「東日本大震災からの復興―試された政府」。でも、もう1年以上も前のことです。
私の経験でも、役人道や公務員の心構えを説いても、新人にはぴんとこないでしょうし、頭に残りません。そこでテーマを絞って、私の経験をお話ししました。この話のかたちは、いつものことです。ただし、聴衆を笑わせたり緊張させる「話術」の部分は、講義録には反映されていません。新聞を読んでいるか、聴衆に手を上げてもらい、読んでいない人たちは「官僚には向いていない」と言ったことは載っています。

原発事故、帰還困難区域の復興に向けて

今日8月24日、自民党と公明党の復興加速化本部長が、総理に「第6次提言」を手渡しました。NHKニュース官邸ホームページ
帰還困難区域の取り扱い方針も、提言されています。基本は、次の通りです。
「5年を目途に、放射線量の低下状況も踏まえて避難指示を解除し、居住を可能とすることを目指す「復興拠点」を、市町村の実情に応じて適切な範囲で設定し、整備する。」
帰還困難区域は、放射線量が高い地区で、一気に解除することはできません。そこで、ここに書かれたような「拠点」から、復興を目指します。
5年前には、想像もできませんでした。「帰還困難」ということで、家や土地については全損賠償を払い、故郷喪失分の慰謝料も支払われたのです。5年経って放射線量が低下している地区もあり、このような提言が可能になりました。