清水真人著『財務省と政治ー最強官庁の虚像と実像』(2015年9月、中公新書)が、出版されました。著者は日経新聞政治部記者で、これまでも政治と財政について、多くの著書を世に問うています。著者の、1990年代からこれまでの取材に基づいた記録と分析です。新書とはいえ、なかなかの力作です。
当事者や関係者からすると、意見や異論はあるでしょう。しかし、日本の政治と行政の分析については、日々流されるニュース記事、奇をてらったしかしステレオタイプの週刊誌記事、他方でしっかりした分析だが時間がかかる学者の本などが多いです。その間で、このような現場に密着した、かつ事実を丁寧に記述して、それを大きな視点から分析する本は、意義があります。