10月28日の読売新聞国際面に、ブラジル大統領選挙結果の解説が載っていました。現職のルセフ氏が接戦の末に再選されたのですが、ブラジルの社会変化を背景に、政権の課題が解説されています。
それによると、現在の与党である労働者党が政権を取った2003年には、人口の過半数が低所得者で、中間層は4割にも満ちませんでした。それが2014年には、低所得層は25%に減少し、中間層が6割に達しました。政権による貧困対策、経済対策が成功したのです。記事には、変化を示す棒グラフもついています。一目瞭然です。
この急激な変化に驚きます。たぶん、かつての高度成長期の日本と同じでしょう。この経済発展によって、国民は豊かになり、平等にもなりました。しかしそれは、個人の生活だけでなく、家族のあり方や国民の意識も、大きく変化させます。それによる戸惑いや軋轢に、どう対応するか。これが大きな課題になっているでしょう。そして、政権としては、これまでの貧困層から中間層へと、支持基盤を変えていく必要があります。これは、難しいことです。