日本の国際化

古くなりましたが、6月14日の日経新聞夕刊に、「世界の留学生400万人突破」という記事が載っていました。ユネスコの調べで、他国の高等教育機関で学ぶ留学生が、過去12年間で倍増したのだそうです。
出身国は中国の69万人、インドの19万人、韓国の12万人、ドイツの12万人、サウジアラビアの6万人と並んでいます。以下、フランス、アメリカ、マレーシア、ベトナム、イランで、日本は3万人で22位です。外国に行かないと高度な教育や研究ができない国々と、先進国だけどさらに外国で学ぶ人たちの国の、2つの場合があるのでしょう。
他方で、受け入れ国は、アメリカが74万人、イギリスが43万人、フランスが27万人、オーストラリアが25万人、ドイツが21万人です。以下、ロシア、日本(7位、15万人)、カナダ、中国、イタリア、インドです。これを見ると、受入れでは、日本も健闘しています。留学生受入れを一つの産業と見ても、また日本を理解してもらってファンを増やすためにも、日本の生活文化を世界に広めるためにも、もっと力を入れても良いですね。それだけ高等な教育水準にあるのですから。文科省では、戦略を立てています。
また、6月20日の日経新聞には、「外国人株主3割超」という記事も出ていました。東京証券取引所が発表した2013年度の株式分布調査によると、外国人の日本株の保有比率(金額)は、2014年3月末で30.8%で、初めて3割を超え、金融機関の26.7%を超えて「筆頭株主」になったのだそうです。諸外国の状況と比較しなければ、日本の国際度はわかりませんが、かなり国際的になっているのですね。
どちらの数字も、外国の人たちが日本を評価している指標です。

医者の数

日本に、お医者さんって、どれくらいいると思いますか。総人口は1億2千万人です。人口1万人に1人とすると、約1万人です。千人に1人だとすると、約12万人です。
実際は2010年の数値で、29万5千人、約30万人です。30年前、1980年は15万6千人ですから、約2倍になっています。
問題は、これだけ医者が増えているのに、過疎地では医者が足らないことです。都会にばかり集中します。子どもの教育などを考えて、地方には行きたがらないのだそうです。う~ん。

新しい東北、ハードでなくソフトの支援

6月26日に復興推進委員会を開き、「新しい東北」の先導モデル事業(平成26年度新規分、プロジェクト事業)を、決めました。
子育てや高齢社会の分野では、次のような事業に取り組みます。
・高校生若者による地域ビジネス支援の仕組みづくり
・仮設住宅に居住する高齢者の認知症予防
・保育所を活用した生活不活発病防止食事受け取りシステムの構築事業
少子化や高齢化が進む被災地で、健康で生き生きと暮らしてもらえるようにする試みです。これは、今後全国のモデルになるでしょう。
また、産業や観光では、次のような事業があります。
・サメまち気仙沼の持続可能な漁業と高齢化社会のヘルスケア食開拓
・観光と水産を融合させた先進的事業モデルの構築
被災地の産業復興も、施設設備の復旧だけでは、戻りません。取引先が別の地域の業者に奪われている場合もあります。また、せっかくの農水産物も、付加価値を付けて売らないと、利益は少ないです。
インフラや住宅復旧の次に、このように産業復興や、健康と生活支援が大きな課題です。

嶋田・前釜石市副市長

7月1日の河北新報に、嶋田賢和・前釜石市副市長のインタビューが載っています。
発災直後の2011年4月から市役所に派遣され、その後、副市長も務めました。直後の大変な時期も大変だったでしょうが、その後落ち着いてからも、別の苦労があったと思います。ご苦労さまでした。

サラリーマンの出世術

朝日新聞6月27日オピニオン欄「あなたは生き残れるか」から。小宮一慶さん(経済コンサルタント)の発言。
・・私が就職した銀行も、競争が厳しい世界でした。スタートは一斉でも、少しずつ出世の階段を上る速度に差が生じてきます。その差に嫉妬し、何が何でも出世しようとする人も出てくる。
しかし、嫉妬深い人が出世を続けるのには、限界があります。猜疑心が強いため、周りの人の心が離れていくからです。生き残りのカギは、人生の指針になる価値観に支えられた「志」があるかにかかっています。それがあれば、嫉妬され、足を引っ張られても「くだらない」と平常心で乗り越えられます・・
・・志がない人は上司や取引先に見抜かれ、淘汰される可能性が高い。ただ、トップの座を争う局面では、志を持った者同士がぶつかりあう権力闘争に発展することが多い。ある上場企業では、新社長が就任直後に組織変更を断行。ライバルがいた所属部門を他部門に吸収させ、事実上の失脚に追い込みました。
権力を持てないと、志を実現する機会も失われます。水戸黄門も「天下の副将軍」でなければ悪代官に捕縛され、物語はそこで終わりでしょ。出世の階段で最後に待っているのは、権力の不条理劇であることをサラリーマンは忘れてはいけません・・
後の二人も、共通することをおっしゃっています。原文をお読みください。出世欲(権力欲)だけでは出世できず、正論だけでは出世できません。正義感に燃えている若者諸君、残念ですが、世の中はそうなっているのです。しかし、神様は見てくださっていると思います。