3月22日の読売新聞夕刊に、「ストーカー、心を治療」という記事が載っていました。ストーカーの加害者に、精神科医の受診を勧めるという「加害者治療」制度を、警察庁が4月から導入するという内容です。再発を防止するためには、単に罰するだけではだめで、偏った考え方や恨みを解消しようとする試みです。
私が大学の刑法で習ったのは、罪を犯した人を罰するということでした。しかし、それだけでは根本的な解決にならないとわかってきました。高齢者で身寄りがなく、知恵遅れがある人の場合など、刑務所から出ても、また戻ってくることが多いのです。
そこで、近年では、さまざまな試みがなされています。刑務所から出所する人に、社会生活に復帰するための訓練。他方、被害を受けた人への補償やケアなどが進められています。犯罪対策の考え方が、大きく変わってきているようです。