大震災での行政相談員の活躍

行政相談委員という制度をご存じでしょうか。総務大臣が委嘱する民間のボランティアで、各市町村におられます。国の行政活動全般に関する苦情や相談を受け付けています。大震災の際にも、被災地で被災者の相談に乗ってもらいました。このたび、東北行政相談委員連合協議会が、大震災の際の活動記録をまとめました。総務省東北管区行政評価局の中田さんから、「紹介せよ」との指示が来ました。中田さんには、総務省時代に大変お世話になったので、ここで紹介します。
大混乱の時には、そもそも、誰に何を聞いて良いかがわかりません。その窓口にも、なってもらいました。相談委員ご自身も、被災しておられます。その中での、相談対応です。また、管区行政評価局では、いち早く「相談窓口案内ガイドブック」を作って、配ってくれました。被災地では、活用してもらったようです(p14)。
被災者からは、安否確認、罹災証明などの手続き相談、支援物資、支援制度などの相談が、多かったようです。具体的には、罹災証明書の判定への不満、乳幼児のミルクやおむつの調達、仮設トイレがバリアフリーでなく高齢者が困っているなど、現場ならではのお困りごとです(p9、10)。市町村などの各機関と連絡を取って、それらの相談に答えてもらっています(p12、13)。
災害公営住宅に入居する際に敷金と連帯保証人を求められた被災者からの苦情処理、子どもの遊び場確保のために小学校の校庭に仮設住宅を造ることをやめた例など、住民と役場との間に入って問題を解決した例も載っています。
相談委員の方々は、民生委員や町内会の役員などを兼ねておられる場合が多いので、避難所運営などでも、活躍してくださっています。報告書に載っている座談会記録や、各委員さんの体験談には、そのような経験も書かれています。お金や住むところなど、切実な相談が多いです。その他に、どこに相談したらよいかわからないことや、不安でまずは話を聞いてもらいたい人など、「被災者の相談にのること」の重要性がわかります。