昨日の続きです。
・・むしろ政府は、賃金決定に関して間接的な介入しかできない民間部門よりも、規制などを通じてより経営に影響を及ぼすことのできる医療や介護、保育所などの非営利部門の賃金上昇を促す方策を考えるべきであろう。日本産業生産性データベースによれば、非営利部門全体の付加価値シェアは4%(政府部門を含めると20%)になる。
医療などの非営利分野は年率6%で労働投入が増加し、成長産業と認識されている。しかしここでの賃金は年率1.5%で下落を続けている。これは規制によって経営の自由度が制約されている中で、付加価値が労働投入量ほどは増えないため、労働供給増から賃金が低下するという、ゆがんだ形の市場メカニズムが働いているのである。もし政府が本気で国民全体の賃金上昇を考えているのであれば、規制改革を通じて非営利部門の賃金上昇を政策的課題とすべきであろう。
人々の所得を持続的に上昇させていくためには、短期的な民間企業への呼びかけだけでは不十分である。法人税減税や規制改革、労働市場改革を通じて生産性を向上させ、賃金上昇につなげていきやすい経済環境を作り出すことこそが、政府本来の役割である・・
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