2013年12月31日の朝日新聞オピニオン欄、大沢真幸さんの「2013、不可能性の時代を生きる」から。
私たちは、なぜ「次」の言葉を見いだせないのでしょうか、という問に対して。
・・原因は大きく言って二つあります。一つは、いつか確実に沈むとわかっていながら、資本主義という船を下りることができないからです。「民主主義は最悪の制度だが、これ以上の制度はない」という趣旨の、チャーチル元英首相の発言がありますが、これは資本主義にこそ当てはまります。
資本主義はとてつもない格差を生み、善でも美でもないことを人間に要求する。この船は必ず沈む。だけど他に船はない。社会主義という船はもっと危なそうだし、外は嵐だから下船したら即死だと。だからみんな必死にしがみついていて、一見すると、資本主義が信奉されているかのようにしか見えない。笑えない喜劇のような現状です・・