4月13日朝日新聞オピニオン欄「左遷?上等だ!」、相原孝夫さん(人事・組織コンサルタント)の発言から。
・・日本の会社では、本人が「左遷」だと思い込んでいるだけで、実際には左遷ではないケースが大半です。例えば、本社の企画管理部門で働いてきた人が、営業の第一線に出されただけで「左遷」と思い込む。だが、会社が幹部育成をめざし、あえてそういう人事をするのも珍しくありません。本人には事実を告げず、腐らずやれるかどうかを見ているのです。
左遷とは本来、降格を伴うものですが、そうした例はほとんどない。現実は「横滑り」であり、相対的に思わしくない部署に行く程度のことでしかない。それを本人が「左遷」と悲観する背景には、会社への過剰な期待があります。日本の企業は社員に優しい。何度もチャンスを与えるし、一度や二度の失敗は大目に見る。だから社員も「会社は自分にとって望ましいキャリアを考えてくれる」と思い込み、異動先が期待と少々異なっただけでショックを受ける・・
この項、続く。
年別アーカイブ:2013年
サッチャー首相の評価、敵は身内に
イギリスのサッチャー元首相が、4月8日に亡くなりました。衰退したイギリスを立て直したことについての評価は高く、他方、反対者も多いことが取り上げられています。しかし、多くのそして強い反対を押し切って改革を行ったことは、皆が認めるところです。
4月17日の日経新聞経済教室、中西輝政京都大学名誉教授の「サッチャリズムの歴史的評価、党派超え改革路線ひく」から。
・・サッチャー改革の敵は、たしかに野党や労働組合あるいは低所得層の庶民であったかもしれない。しかしその最大の敵は終始、与党・保守党、それも内閣の中にいた「保守穏健派(ウエット)」と称される有力政治家たちであった。市場メカニズムに依拠した経済改革の先陣を切る役割は保守政党によってしか果たし得ないが、その成否は常にこの党内の「ウエット」の抵抗をどう乗り越えるか、という一点にかかっている。
2005年の10月、サッチャーの80歳の誕生パーティーにはエリザベス女王夫妻やトニー・ブレア首相も列席したが、その席上、サッチャー内閣で代表的な「ウエット」の1人でありながら蔵相としてサッチャー改革を支え続けたジェフリー・ハウは、次のように語っている。「サッチャー改革の真の勝利は、(保守党内の抵抗を排して)1つの政党だけでなく2つの政党を変革したことだ。その結果今日、労働党が政権の座に復帰しても、サッチャリズムの大半はもやは不動の政策として受け入れられている」・・
経団連での講演概要
4月18日に、日本経団連にお招きいただき、復興の現状と企業への期待をお話ししました。その概要が、「週間経団連タイムス」4月25日号に載りました。
用地買収対策
毎日新聞5月2日朝刊「質問なるほドリ」は、「被災地の土地取得、どう進める?」で、回答は水脇友輔記者でした。
Q・・住宅再建やまちづくり事業が着工段階に入りつつあるね。でも、土地取得が難しくて、なかなか進まないと聞いたよ。
A・・その通りです。所有者が分からなかったり、登記が更新されていなかったりして、権利関係の把握が難しいのが一因です・・
復興庁は土地取得にかかる時間を短縮しようと、民法の「財産管理制度」活用を打ち出しました。所有者の居場所、あるいは生死も分からない場合、事業主の県や市町村が、財産の保存や売却を担う「不在者財産管理人」の選任を家庭裁判所に申し立てます。所有者が死亡して相続人が分からない場合は「相続財産管理人」となります。
財産管理人は家裁の許可を得て土地を売却できます。従来の土地収用は手続きが複雑で数年かかることもあるのに対し、財産管理制度なら、事業主は数カ月程度で用地を取得することも可能です。処分後に所有者や相続人が現れた場合は、売却代金を渡します。裁判所側も財産管理人に対応するため、東北沿岸の家裁を中心に書記官を約25人増やすことにしています・・
国はこの事業をモデルとして、そこで得たノウハウをほかの復興事業に生かそうとしています。経験の蓄積がないだけに、走りながら考えるしかないのが実情です。ただ、安倍晋三首相が提唱する「復興の加速化」に向けて、いろいろなアイデアを投入する姿勢は評価していいでしょう・・
ありがとうございます。私たちの努力を、的確に評価してもらえました。
印象だけで、「遅い」と批判する人もいます。しかし、これまでにない大事業なので、試行錯誤の点もあります。また、現地で住民の同意を得ることや、地権者の同意を取る手続きも必要です。「復興庁が強力に進めるべきだ」とおっしゃるの人もいるのですが、住民の意向を無視して事業を進めても住民の満足は得られません。土地の所有権を無視して強制的に工事をすることも、民主主義国では許されないでしょう。そのあたりを、理解してほしいです。