ニュースは、新幹線や飛行機の混雑を、伝えています。観光地なども、かなりの人出のようです。昨日、今日と行ったデパートの食品売り場は、それぞれ大変な混雑でした。
肝冷斎は三宅島探検へ、藤沢烈さんはフィリピン被災地へ。私は、正月準備のお買い物やカレンダー掛け替えのほかは、ゆっくりと資料整理と読書。そして、こんなホームページの記事を書いています。
月別アーカイブ: 2013年12月
年末の行事終了
年賀状を書き上げ、投函しました。元旦に間に合いますかね。日本郵便さん、よろしくお願いします。しかし、宛先には、北海道から沖縄までありますからねえ。
毎年、大晦日までかかって書いているので、今年は例年になく、早く終わりました。理由は土日に集中して書くことができたことと、もう一つは、書く枚数を減らしているからです。申し訳ありません。いただいていながら、返礼していない方が多くなって。
かつて一緒に仕事をした方、特に地方勤務時代の方には、年に一度の近況報告です。といっても「元気にしています」と、添え書きするだけです。お世話になった方にも、ご挨拶は礼儀ですし。その方々のおかげで、今の私があります。他方、後輩たちには、私がかつて先輩からもらったように、「がんばれ」と書いて出すと、少しは励みになるかなと思って。
そして、松飾りを門のところにつけて、準備完了。
紀伊國屋に行って、また、たくさん買い込んでしまいました。書評で紹介されていると、「なるほど、そう読むのか」と気づいて、読みたくなります。お目当ての本を探し出すと、その棚の近くには、また興味をひく本が並んでいます。で、ついついと・・。
パソコンの横には、読み終えてこの欄で紹介しようと思っている本があり、布団の横には、読みかけの本が山脈を作っているのに。
アメリカ型組織・人事と日本型組織・人事。3
才能があり意欲があって、常に上のポストを狙う人にとっては、アメリカ型の雇用制度が良いでしょう。しかし、そうでない普通の人にとっては、日本型雇用制度が安心できます。
ところで日本型では、労働者は職場で、仕事に関する知識と技能を身につけます。会社の方も、将来を見越して、若い職員に技能を身につけさせ、先輩や上司も指導します。大部屋で、皆と一緒に仕事をすることで、学びます。私も、そうして経験と技能を、身につけてきました。正直言って、職場外での研修より、職場での見よう見まねの方が、有用でした。
アメリカ型では、どのようにして、労働者は技能を身につけるのでしょうか。同僚や上司は、最も重要な技能は他人や部下には教えない、教えるとライバルになるから、と聞いたことがあります。すると、自ら技能を磨き、新しいポストに挑戦しない限り、ずーっと同じポストで仕事内容も給料も変わらず、昇進しないことになります。
それに比べると、日本型は、多くの労働者にとって、ありがたい仕組みです。職場で仕事を教えてもらって、技能を身につけ、昇進させてもらえるのですから。
御用納め、この1年の仕事
今日は多くの役所で、御用納め(仕事納め)でした。復興庁でも、今日で年内の通常業務は終わりです。とはいえ、総理と大臣の現地視察があり、何人かの職員はそちらに同行しました。
私は、留守番で仕事。職員と「良いお年を」と挨拶しながら、「御用納めができるのは、久しぶりだね」と話しました。去年も一昨年も、そんな状態では、ありませんでした。もっとも、御用納めの式などはなく、今日の夕方も、私が帰るときには、多くの職員が、いつも通りに、忙しそうに仕事をしていました。
この1年、多くの仕事が進み、また新しい段階に入りました。津波被害地域では、高台移転の計画が全てできて、これから工事が本格化します。原発事故被災地域では、帰還の難易度に応じた区域の再編が行われ、帰還への支援と待つ人への支援の他に、新しい生活を選ぶ人への支援の方針が決まりました。来年は、その実行が本格化します。
そうしてみると、この1年間に、事態はかなり進展しました。もちろん、本格的な工事はこれからで、住宅や町並みの再建までには、まだ2年はかかります。
「5年間の予定と実績表」で見ると、津波被害地では大まかに、1年目は応急復旧、2年目は復興まちづくり計画作り、3年目の今年はまちづくりに順次着工をし、4年目となる来年は本格的工事になります。
この1年間、がんばってくれた職員、協力してくださった自治体や企業、NPOの方々に感謝します。また、現地を見て事情を理解して、報道してくださったマスコミの方にも、お礼を申し上げます。そして、今なお不自由な避難生活を送っておられる方に、お見舞いを申し上げるとともに、なるべく早く本格住宅に移ってもらえるように、がんばります。
多くの職場では、明日から1月5日まで、9連休です。皆さんは、どのように過ごしますか。私は、新年を迎える前に、年賀状書きが待っています。
アメリカ型組織・人事と日本型組織・人事。2
ということで、専門家に教えてもらって、清家篤著『雇用再生ー持続可能な働き方を考える』(2013年、NHKブックス)を読みました。わかりやすく、勉強になります。こんなに内容のある本が、1,000円+消費税で買えるのです。お勧めです。
今の日本では、働く人の9割が、企業に雇われている雇用者です。かつて原稿を書くために調べた頃は、8割でした。さらに進んでいます。農業や自営の商店主などが、廃業しているのでしょう。
雇用の状況やあり方は、その国の政治、社会、会社、そして家族と本人にとって、重要な関心事です。労働力は、経済学では生産要素の一つですが、そのほかの要素と違って、簡単に切り捨て(解雇し)たり、短時間に養成できません。それぞれの労働者にとって、死活問題であり、労働者をお金やモノのように扱うことはできないのです。またそれぞれに能力が異なり、リンゴが高くなったらミカンを代わりに買う、というように取り替えるわけには、いきません。社長から見れば、私もあなたもたくさんいる従業員の一人かもしれませんが、私やあなたそして家族にとって、突然の解雇や処遇(例えば勤務地、経験のない業務)の変更は、人生設計を狂わせます。
そして、前回書いたように、いきなり企業の雇用制度を変えても、社会の仕組みや各人の意識が変わらないと、うまく行きません。今ある仕組みは、それなりに合理性があって続いており、またそれぞれの制度が、お互いに連関しています。
この本では、日本の雇用制度の特徴である、新採一括採用、終身雇用、社内での人材育成、年功賃金、定年退職、退職金制度などに、どのような意味があるか、どうして続いているかを、わかりやすく解説しています。
もちろん、批判されているように、この日本型雇用制度にも欠点があります。従業員を守るために、若者が非正規雇用に追いやられ、労働力の調整弁にされたこと。正規職員と非正規職員の格差。正規職員に求められる超勤などでワークライフバランスが難しいこと・・。
繰り返しになりますが、アメリカ型と日本型のどちらが優れているかではなく、それぞれに長所短所があります。そしてそれぞれの雇用制度(採用と解雇、給与、昇進、職員教育)は、国民の意識や社会の仕組みに深く組み込まれていて、簡単には部分的な改変は難しいのです。革命的な改革も難しいです。では、どのようにして、問題を解決していくか。詳しくは、本をお読みください。