マルコ・ポーロの『東方見聞録』って、皆さんご存じですよね。でも、読んだ人は、どのくらいおられるでしょうか。私も、読んだことがありませんでした。
岩波書店から翻訳が出たので、読みました(他に文庫本もいろいろあるようです)。買った後、布団の横に積んであったのですが、手を出したら、あっという間に読めました。訳文も平易で、読みやすいです。
今から700年前、日本に元寇が攻めてきた頃、イタリアから中国(元)まで旅行した際に見聞きしたことを書いたものです。
今読むと、「いい加減なことを書いているなあ」と思うところも多いですが、当時のヨーロッパ人が、中国やインドをどう見ていたかがわかります。挿絵も、どう見ても中国ではなく、ヨーロッパ風の建物や人たちです。
その後、この本を書き換える人が出てこなかったのでしょう。ポーロの旅行は、モンゴルがアジアの東から西までを支配したので実現した旅行でした。数多くの国が支配し、争っている状態では、安全に旅はできなかったのです。
ところで、「この地の人たちが偶像崇拝者で、死者を火葬する」という話が、何度も出てきます。これって、仏教徒のことです。よほど気になったのでしょう。
ご承知の通り、日本も、金がたくさんとれるサパング(ジパング)として出てきます。
月別アーカイブ: 2012年7月
他県からの職員応援
政策研究大学院での講義
今日は、政策研究大学院大学の「防災・復興・危機管理プログラム」で、大震災対策について講義をしてきました。被災者生活支援本部から始まり、復興本部、復興庁での経験を踏まえた話です。
自治体の防災の専門家を育成するプログラムなので、話しやすかったです。1年間の経験を振り返って、いろいろと考えることがあります。よかった点、反省すべき点。
あれもこれも伝えたいと欲張ったので、時間が足りなくなりました。いつものことです。反省。
講義の補足です。
授業中に言及した、今回新しく行った制度改正などは「復旧・復興の政府の新たな取組について」を、被災者生活支援本部の最初の頃の「日記」は「消防・防災7」をご覧ください。
現代病、心の病
野中猛著『心の病 回復への道』(2012年、岩波新書)を読みました。
冒頭に「親しい人を3人思い浮かべて、その3人がおかしくなければ、おかしいのはあなただ!」という言葉が紹介されています。精神疾患の生涯有病率は25%に上るので、一生の間に精神疾患にかかるのは4人に1人という勘定になるのです。
会社でも役所でも、管理職の人は、職員の中に心の病を持っている人を抱えて、悩んでおられるでしょう。
精神疾患には、脳神経の病(脳の病)と、対人関係のストレスや人生上の苦悩など(心の悩み)の両方があります。治療方法も進化していますが、まだわからないことも多いとのことです。
病院に隔離する政策から、日常生活に復帰を目指す治療に変化してきていること、「精神分裂病」という呼び名が「統合失調症」に変わったことなど、わかりやすく勉強になりました。
あわせて、「健康」や「回復」の意味が変わってきていることも、納得しました。病気や障害が全くなくなることが理想ですが、多くの人が糖尿病や高血圧症でも薬を飲みながら普通に暮らしています。病気を持っていても、うまくつきあっている状態が健康です。回復も、病気が全くなくなることではなく、意味ある人生を取り戻すことです。なるほど。
後輩たちの結婚
今日の放課後は、元部下と現部下の結婚を祝う会でした。それぞれ、今回めでたく入籍しました。
新郎2+新婦2=4人を招待し、同僚が集まってお祝いしました。新婦を交えて楽しい会(新郎の実情を暴露する会?)でした。このような会は、うれしいですね。お幸せに。