ブログを書く際の注意

新聞に紹介されていたので、『「過情報」の整理学 – 見極める力を鍛える』(2012年、中公選書)を読みました。それについての感想は別に書くとして、そこに、IBMの社員がブログを書く際のガイドライン(決まり)が紹介されていました「ソーシャル・コンピューティングのガイドライン」。ガイドラインには、次のような記述があります。
・ブログ、ソーシャル・メディアまたはその他のユーザー参加型メディアにおいて、自分が掲載した内容に個人的に責任を持ちます。あなたが書いたものが長期間公開されることになることに留意し、自身のプライバシー保護に努めると共に、ルールを守ってサービスを利用してください。
・IBMやIBMに関連した事柄(製品やサービスなど)について書く際には、身元(氏名、必要に応じてIBMでの職務)を明らかにしてください。人称は一人称を使います。書かれたことは、自分の個人的見解でありIBMの意見を代弁するものではないことを明確にしてください。
・承認を得ずにお客様、パートナー、サプライヤーを引き合いに出したり、言及したりしてはいけません。また言及する場合においては、ソースへのリンクを張ってください。憶測を呼び、その結果お客様を困惑させる、あるいは損害を生じさせるような情報を公表してはなりません。
喧嘩を仕掛けてはいけません。自分の間違いがあればいち早く訂正しましょう・・
これからは、このようなルールやマナーを、学校の国語の授業で教える必要がありますね。手紙の書き方と同じように。
また、その中でも引用されていますが、社員が遵守すべき行動基準を、「ビジネス・コンダクト・ガイドライン」として公開しています。官庁でも国家公務員法倫理規定など、さまざまな「決まり」があります。いろんな機会に研修がありますが、新入生・途中採用者だけでなく、全体を統一的に教えてもらっていない職員が大半なので、全体がわかる統一的な資料と研修が必要でしょう。

福祉のまちの再建

津波被害地では、住宅や街並みの復旧が大きな課題です。もちろん、建物などの再建が鍵ですが、それだけでは住みよいまちにはなりません。各種のサービスが必要です。特に今回の被災地は高齢者が多く、医療や福祉が重要になります。ハードだけでなく、ソフトもあわせて考える必要があります。国土交通省が、市街地の復旧のためにいろいろと手を打っています。その中に「東日本大震災の復興における都市政策と健康・医療・福祉政策の連携及びコミュニティ形成に関するガイドライン」があります(概要本文)。コミュニティの復旧には、施設などの都市政策とサービスなどの医療福祉政策・商業政策の両方が必要です。

復興交付金第2回目

今日25日に、第2回目の復興交付金交付可能額を発表しました。今回は事業費で約3,200億円。申請額を上回る額を、配分します。一つには、来年度に予定される事業の一部を前倒しで配分すること、もう一つには効果促進事業の一定割合を配分したからです。もちろん、要望の全てを拾ったのではなく、熟度の低いものや他の制度があるものは、今回も対象としていません。
第1回目の配分の際には、いろいろとご批判も頂きましたが、新聞報道によると、宮城県知事は、「想定していなかった額が認められた。百二十点の回答だ」、
「復興庁、復興局が被災地のことを重く受け止め、われわれに寄り添ってくれたと肌で感じた」と、高く評価していただいたようです。

ところで、しばしば忘れられるのですが、被災地の復旧復興は、まずは復旧が先であり、原則です。復旧を上回る部分、それでは対処できない部分を、復興交付金で支援します。ちなみに、復旧には約3兆円の経費をつぎ込みます。

民間から見た行政と官僚

今日は始業前に企業の方と、放課後にはNPOの方と、意見交換をしてきました。というか、外(民間)から見た、復興や官僚のあり方について、ご批判を頂く会でした(笑い)。それぞれ行政と関わりがあり、問題意識を持っておられる方からの「苦言」なので、きついですが、会話が成り立つのでその点では楽でした。
いくつかの指摘について、「それは私の責任ではありません」と言い訳したいところですが、この歳、この立場になると、そうもいかず。変な言い訳をするより、私が思っている「行政の悪い点」「官僚の欠点」を説明しました。
当然、向こうさんの反応は、「じゃあ、全勝さんはその欠点をどう変えるのですか」という突っ込みです。「復興に関しては、今まさに努力中」「官僚制については、時間ができたら論文を書いて、世に問います」としか答えられませんでした。
異業種の方との議論、そして中には初対面の方がおられ、これはいささか緊張する場面でした。どのように説明したら、理解していただけるか。初めての方は、その程度がわからないので。しかし、外からの批判は、勉強になります。

自治大での講義

今日は、自治大学校の「新時代・公共政策コース」で、大震災に対する政府の取組を講義しました(自治大のホームページに、なぜかシラバスが載っていません)。今日は2コマ、140分あったので、じっくりとお話しできると思っていましたが、いざしゃべり出すと、時間が足りないですね。この1年間の思い出や、考えたことが次々と頭に浮かんで。
昨年3月19日に、急きょ官邸に出頭して以来、自治大に行くのは初めてです。忙しくて、後任者への引継ぎもせず、置いてあった私物や資料は職員に運んでもらいましたので。
今日授業を受けた学生さんへ
当時の事情は「消防・防災」、被災者生活支援本部の写真は「被災者支援チームについて」、おわびの仕方は「仕事の仕方」を見てください。