3月末。官庁では、人事評価の季節です。半年に一度、各人が目標を立て、申告する。半年後に、それを自己評価するとともに、上司が達成度を評価します。
私は、評価という行為とともに、部下と上司が、目標や何が欠けているか何を期待しているかを共有する、良い機会だと考えています。「2011年9月26日の記事」をお読みください。
私の経験でも、案外、意思疎通できないことがあり、驚きます。「言わなくてもわかるはずだ」とか、「ふだんからコミュニケーションをしているから、私は大丈夫。一緒に飲みにいっているし」は、通じませんよ。
優秀な部下と上司の場合は、問題ありません。部下が「私の上司は指示があいまいで、良くわからない」というような場合。上司が部下に対して「彼は期待通りの仕事をしてくれない」といった場合に、この「目標設定」「事後評価」そしてそのための「面談」が有用です。
期待する水準に達していない部下を導くこと。これが重要です。ボーナスに差を付けることだけが、主要な目的ではありません。
さらにその上の上司になると、もう一つの効用が付け加わります。例えば、課員AさんとBさんの評価を、課長Cさんがします。それを局長Dが見ているとします。C課長はA課員とB課員を評価しているのですが、その評価ぶりをD局長に評価されています。
D局長から見ると「C課長は、Aさんをこのように高く評価し、Bさんを低く評価している。Bさんの方が良く仕事ができるのに、相性が合わないのか、見る目がないのかなあ。一度探ってみる必要があるなあ」と。