総務省が、被災地への地方公務員の派遣数を公表しました。延べで7万9千人です。現時点で、約800人が派遣されています。これは、消防や警察を除いた地方公務員の数です。今回の被災地支援の特徴の一つが、職員の派遣です。当初は、避難所の運営などの応援が多かったのですが、現在では施設の復旧や復興計画策定の支援が多くなっています。
復旧復興を進めるには、施設の復旧の技術者や街作りの専門家が、必要です。被災地の市町村にはそのような専門家が少ない上に、何年分もの事業があるのです。国からも応援に行っていますが、他の自治体からの職員の応援も、さらに増やしてもらう予定です。全国知事会、市長会、町村会や、国土交通省、総務省が全国の自治体に呼びかけて、専門職員の派遣をお願いしています。
もっとも、応援に出す自治体も、職員に余裕があるわけではありません。各自治体も行革で職員数を削減していますし、専門職となると数も限られています。そもそも、自らの自治体の業務量に応じて職員数を確保しているのです。民間の技術者も、OB職員も、それぞれに仕事があります。お金を出せばたくさん集まるというものではありません。
ところで、今朝2月23日の朝日新聞が、現地で技術職員が不足していることを取り上げていました。指摘は正しいのですが、次のような記述がありました。
・・国交省は4月から技術系職員150人を被災地に派遣することにしたが、岩手県のある市幹部は「時期も遅いし、人数も一けた少ない」と冷ややかだ・・
このような発言が出るのは、残念です。上にも書いたように、それぞれの自治体や国も、職員数に余裕があるわけではありません。限られた職員、忙しい職員をやりくりして、支援しているのです。その事情を理解してほしいです。