受け身の仕事と攻めの仕事

この仕事をしていて、「なぜこんなに毎日バタバタして、疲れるのだろう」と思うことが、続いています。私は、自分の仕事の進め方について、そこそこ仕事の段取りが上手で、処理がうまい方だと、自信を持っているのですが。どうも最近は、「疲れる」のです。
いま取り組んでいる仕事は前例がなく、また幅が広く、大変なことは間違いありません。しかし、最近は睡眠時間を削らなければならないほどは、忙しくありません。びっくりするような突発事案が、出るわけでもありません。部下も優秀で、指示した以上の仕事をしてくれます。上司も合理的で、人間関係に悩むこともありません。では、なぜ「疲れる」のか。

その理由の一つが、受け身の対応だと、気づきました。
出勤すると、職員が次々と、報告や相談にやってきます。それを片付けると、あるいはその途中で、電話が入ります。読みかけの書類や電子メールは、広げたままで片付きません。その上に、秘書が新しい書類を載せてくれます(笑い)。
あっという間に、お昼になります。弁当を食べているところに、「食事中にすみません」と、急ぎの相談が入ります。朝に確認した「今日の岡本次長の予定表」はかなりスカスカなのに、実際はそうは行きません。時々、予定表を見ながら、秘書に、「うそつき」と冗談を言います(笑い)。秘書さんを困らせては、いけませんね。

でも、 一つの作業をしている途中に、別の仕事が入ることって、困りますよね。例えば、複数の関係者に連絡している途中だと、し残した人への連絡を忘れてしまいます。その場その場で指示を出し、その作業を完結させないと、失敗も生じます。そして元の仕事に戻るには、もう一度思考をリセットしなければなりません。10分間で終わる仕事が、5分経過時点で中断されると、残り5分では片付かないのです。
このような仕事の進め方って、ストレスがたまるのですよね。受け身の処理は、予定が狂う、自分の時間が確保できないのです。忙しくても、事前に予定があってその通りに進んでいるのなら、それほど疲れないのですが。
また、新しい仕事が次々と入っても、それぞれの締め切りまでに時間に余裕があれば、ひとまずノートにメモをしておけばすみます。そして後で、ゆっくり考える。これも、そんなには、ストレスはたまらないでしょう。しかし、次々と入る課題が、その場その場の処理を求められる場合が、やっかいなのです。

受け身の処理の反対が、攻めの仕事でしょう。また、先を読んだ仕事の仕方です(2011年5月15日の記事)。皆さんもそうでしょうが、追われる仕事より、先を読んでする仕事の方が楽しいですよね。
次の計画を立てて、それに従って進める。この場合は、ストレスが少ないでしょう。もちろん、計画通りに進まないのが、世の常です。また、難しい課題なら、計画や作戦を立てる作業に、ストレスがたまるかもしれません。
若い時に、「できる課長の仕事術」といったたぐいのノウハウ本を、たくさん読みました。私自身も、『明るい係長講座』を書きました。「受け身でなく、攻めの仕事をせよ」「仕事に追われるな、先を読め」は、どこにでも書いてあることです。職位によって、求められる管理者能力が違うことなども、紹介しました(2011年6月9日の記事)。しかし、攻めの仕事をしにくい職位もあります。その場合のコツも、考えて整理しなければなりませんね。

あっという間の6か月、すぐに忘れる3か月

このホームページを加筆していると、過去に書いた記述を、読み返す時があります。今日、9月18日の「瀬島龍三さんの教え」を、「仕事の仕方」のページに移す作業の途中で、6月3日の「今日の日記・支援本部での一日」を読み返しました。
すっかり忘れていました。まだ、復旧に大わらわだった頃の日記です。大変だったのですよ、当時は。でも、今となっては、懐かしいですね。小学生の日記でも、書いて残しておくと、意味がありますね。まだ、たった3か月前のことなのですが。
当時は、日曜も休みもありませんでした。布団に入ってもいろんなことを考えて。明け方には、その考え事の続きで目が覚めて。出勤すると、7時でした。守衛さんと仲良しになりました(笑い。「今日の失敗・あいさつ」(4月27日の記事)。
それに比べると、今は、出勤が少し早いだけです。そのうちに、土曜日曜日は、休めるようになるでしょう(願望)。

役所の窓口は柔軟です

9月19日の河北新報(東北地方第一の地域新聞)が、気仙沼 農地転用、進む宅地化/手続き加速、国が促す」を伝えていました。
・・東日本大震災で大きな被害を受けた気仙沼市で、自宅が被災した住民が近くの高台に所有する農地に新居を構えるため、農地転用を申請し、許可されるケースが急増している。海と山が接する三陸特有の地形のため大規模農地が少なく、転用が認められやすい上、国が被災者の事情に配慮し、手続きの迅速化を促したことも背景にある・・

「とかく行政は手続が複雑で、時間がかかる。たらい回しされて、面倒だ」というのが、行政を批判する場合の定番です。そんなことはありません。このように、ご要望にお応えしています。でも、よくやっている例は、報道されないのですよね。河北新報さん、ありがとうございました。

役所の窓口に座っている職員は、鬼でもロボットでもありません。あなたの近所に住んでいる普通の住民が、公務員で窓口に座っているのです。みんな、どうしたら被災者のためになるかを、考えています。
もし「窓口の手続が面倒だ」という声があったら、ぜひ、どの町のどの手続か問題かを、お知らせください。匿名をご希望の場合は、それでも結構です。
とかく批判される方は、ステレオタイプ=定番の批判をされます。もちろん、火のないところに煙は立ちません。何か事実があるのでしょう。でも、その批判を生産的に使うためには、「どこの何が悪いですか」「それを改善するためには、どのような代案がありますか」と聞いてください。

がんばれK記者

今日は放課後、某新聞記者の歓送会に、行ってきました。結構長い付き合いです。適確な質問をする記者、政局でなく政策を勉強する記者さんは、応援したくなります。
今度、被災地に応援として派遣されます。永田町や霞ヶ関では、災害や復旧の実際は分かりません。やはり記事の基本は、現場です。苦労すると思いますが、活躍を期待します。どんどん、署名記事を送ってください。紙面に取り上げられなかったら、私のように、個人ブログを書きましょう。がんばれK記者。

復興本部会合、財源確保方法の選択肢

今日夕方、官邸で、復興本部会合を開きました。今日の議題は、復興財源です。5年間で、19兆円の事業費が必要と見込まれます。この財源を、どう調達するか。既に「基本方針」で決めていたように、ひとまず国債でつなぐとしても、その償還は国民に負担してもらわなければなりません。その案が、政府税調でまとまり、報告されました。2案あって、これから与党、さらには与野党で、決めてもらいます。法人と個人の所得、さらにはたばこが、増税の対象になっています。詳しくは、資料をご覧ください。

極端に単純化すれば、復旧事業と復興事業は、各省(公務員)と地方団体に任せてもらえれば、きちんとやり遂げます。やることは、決まっています。道路を復旧し、学校を建て直し、住宅を建てることです。しかし、その財源を、国民にどう負担してもらうか。それは公務員には、決めることができないことです。国民に選ばれた政治家が、決めることです。

なお、この19兆円は、国費と地方費を含めた事業費です。国の直轄事業で行うか、補助事業で行うか、地方自治体が単独で行うか。いずれの場合もあります。補助事業で行う場合は、国庫補助金とその地方負担額が含まれます。地方単独事業費も、ここに含まれます。すなわち、補助率が高くなっても低くなっても、この事業費総額の数字は変わりません。
市町村の関心は、国庫補助金の残額=地方負担額が、どのように手当てされるかでしょう。必要な市町村に必要な額が配分されるように、その仕組みを総務省で検討してもらっています。近いうちに、お知らせできると思います。