地震のような瞬間的衝撃的なリスクの他に、緩慢なリスクがあります。日々のリスクの高まりは少しずつで目立たないのですが、長期間でその結果を見ると、大変な「被害」が生じるものです。
3月14日の日経新聞経済教室は、島澤諭准教授の「人口減少と世代間格差。主要国で最悪、改革が急務」でした。既に指摘されていることですが、世代別の数字を表にしてみると、改めて、とんでもないことをしていることがわかります。
政府への負担と政府からの受益の差を見ると、70歳の人は1,500万円の受益超過、50歳の人は700万円の負担超過、20歳の若者は2,700万円の負担超過です。少子高齢化、経済成長の鈍化で、高齢者は年金負担が少なくても、たくさんの年金をもらえます。
若者は、少ない人数で高齢者の年金を負担します。日々の暮らしやニュースでは見えにくいので、若者はこの事実に「衝撃」を受けていません。