私の嫌いな言葉に、「図る」があります。「2006年4月22日の記事」にも書きました。
今朝、18日の朝日新聞1面トップ記事「予算関連法、成立困難」に次のような文章があります。
・・その国会戦略の根幹が揺らぎ、特例公債法案の年度内成立が図れなければ、92.4兆円の新年度予算案のうち4割強の40.7兆円の財源は賄えなくなる。4月以降は毎月入ってくる税収などで乗り切らねばならないという異例の事態になる・・
う~ん、この文にある「成立が図れなければ」は、どういう意味でしょうか。「成立しなければ」ならば、意味が通じます。しかし、「図れなければ」とは、どういう事態なのでしょうか。「意図する」「計画する」の意味だとすると、文章が通じなくなりますよね。
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明るい課長講座2
次の教えを、それぞれ職場での具体的場面を使って、解説せよ。そして、二つの教えの関係について述べよ。
A 部下には、具体的に指示を出さないと、仕事は進まない。例えば、山本五十六元帥の名言「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば、人は動かじ」が良いお手本だ。
B 部下に仕事をさせる時には、自由にさせ、自分で考えるようにさせなければいけない。そうでないと、部下は成長しない。
公務員制度改革論
人事院の広報誌『人事院月報』2011年2月号が、ドイツとイギリスの幹部公務員人事を取り上げています。それぞれの人事委員会幹部を招いての、パネル・ディスカッションの報告です。そこで、大杉覚首都大学東京教授が、人事行政や公務員制度について、体系だった研究蓄積がなく、制度設計研究が必要であることを、指摘しておられます。
同感です。採用、昇進、評価、育成、退職とその後の処遇。また、幹部公務員にあっては、その任用方法や、政治家との関係をどうするかなど。公務員制度改革が長く議論になっていますが、議論の基礎となる共通の認識がないこと、議論する政策共同体が十分でないことから、百家争鳴になっているようです。公務員バッシングとも言われますが、その割には出口は見えません。
改革の目的と議論の対象者をそれぞれ明確にして議論しないと、結論が出ません。まずは、公務員一般と幹部公務員を分けて議論すべきです。そして、成果や能力による評価の議論と、スト権付与と、政官関係は、分けて議論すべきでしょう。公務員に何を求めるか、民間と何を変えるべきなのかです。
これまで「日本の官僚は優秀だ」と言われていたことから、その問題点や改革論が議論されなかったのだと思います。しかし、官僚と公務員が必要なことは、世界各国共通です。諸外国がどのような運用をしているのか参考にして、現在の日本に適したものを作ればよいのでしょう。その際に国によって違うのは、政治家との役割分担が各国の事情によって異なることや、民間での処遇や転職の状況でしょう。後者は、公務員の処遇を考える際や民間との交流、転職を考える場合に必要となります。
久しぶりの積雪
先日、「東京では、今年はあまり雪が降りません」と書いたら、昨日の晩から今朝にかけて、東京は久しぶりの積雪でした。夜寝る前に、家の前の道路を、雪かきしました。斜め向かいの奥さんに、「すぐ積もるわよ」と笑われながら。そのとおりで、よけた後からどんどん積もります。「でも、こうしておけば、明日の朝は少しは楽だろう」と頑張りました。
早起きしたら、5センチ以上積もっていました。車の通った後はシャーベット状です。これが融けずに凍るとやっかいなので、もう一度雪かき。今度は、斜め向かいのおじさんも一緒です。歩きやすくなりました。
今日帰ってきたら、わが家だけでなく、ほとんどの道路の雪は融けて乾いていました。少し残念ですが、その方がよいですね。
市場が自由なだけでは、社会は良くならない
ハジュン・チャン著『世界経済を破綻させる23の嘘』(2010年、徳間書店)が、頭の整理になりました。新聞の書評などでも取り上げられているので、読まれた方もおられると思います。著者はソウル生まれで、ケンブリッジ大学准教授です。あまりに単純化された「自由市場経済主義」の問題点を、具体例を挙げながら論破します。取り上げられている項目=通説=嘘は、次のようなものです。
市場は自由でないといけない。すべて市場に任せるべきだ。企業に自由にやらせるのが国全体の経済にも良い。経済を発展させるには小さな政府の方がよい。市場がうまく動くのは、人間が利己的だからだ。途上国は自由市場・自由貿易によって富み栄える。世界は脱工業化時代に突入した。
日頃変だなあと思っていたことが、なるほどと納得できます。ご関心ある方は、ご一読ください。