今年は例年になく寒く、また積雪が多いようです。被害に遭われている方に、お見舞い申し上げます。鹿児島と宮崎県では、新燃岳が噴火し大量の火山灰を降らせています。
27年前、鹿児島に勤務していたときに、県庁の人たちに連れられ、霧島縦走をしました。新燃岳はその途中にあります。当時は新燃岳の活動は活発でなく、円形火口の上の縁を歩いて通過しました。縁は砂(火山灰)でできていて、切り立っていました。内に落ちると火口湖、外に落ちると遙か下まで転げ落ちるという、怖いところです。先輩たちはすいすい歩いて通過しますが、私は四つんばいで通過しました。きれいな景色とともに、記憶に残っています。早く終息することを祈っています。
月別アーカイブ: 2011年1月
中邨章教授最終講義
今日は、明治大学中邨章先生の最終講義に出席してきました。先生は行政学、特に危機管理や信頼の研究で有名です。自治大学校、総務省や地方自治体も、お世話になっています。今日は、全国から教え子や大学教授を中心に、400人近い人が集まり、大盛会でした。
また先生は、国際行政学会副会長を務めるなど、海外、特にアジアでの行政官の育成に力を入れてこられました。11月に私が出席したエロパでも中心的な役割を果たしておられます。幹事団が中邨先生に秘密で、韓国から、Yonsei大学のPan Suk Kim教授(国際行政学会長)を呼んで、スピーチをしてもらいました。私は、ネパールでご一緒しました。中邨先生は、びっくりしておられましたが。
その後のパーティーで、乾杯の音頭を取れとのことなので、先生に感謝の言葉を述べさせてもらいました。ますますのご健勝をお祈りします。
生涯を通じた切れ目のない安心保障
連載『社会のリスクの変化と行政の役割』では、災害や事故だけでなく、暮らしのリスクや社会とのつながりのリスクも取り上げています。24日の菅総理大臣の施政方針演説で、1年半前の「安心社会実現会議」に言及されていました。安心社会実現会議は、麻生政権の時に作られた会議で、「安心と活力の日本へ」という報告書をまとめました。委員には、宮本太郎北大教授らが入っておられました。
報告のポイントは、安心の中心には雇用があり、その回りに、子育て、教育、健康、老後があるというものです。そして、安心社会の実現のためには、高齢者支援を引き続き重視しつつも、若者・現役世代支援も併せて強化しながら、全生涯、全世代を通じての「切れ目のない安心保障」を構築することが求められる、と提言しています。
頑張れ浅川さん。国際機関での日本の貢献
今日の朝刊に、財務省の浅川雅嗣副財務官が、OECDの租税委員会議長に就任することが載っていました。国際的な税制ルールづくりの場だそうです。国際機関で日本政府や日本人が活躍するのは、うれしいですね。
浅川さんとは、麻生内閣の秘書官として、一緒に仕事をしました。アメリカ発の世界同時不況に際し、日本政府がIMFに1千億ドル(約10兆円)の融資をし、中小国の資金繰りを助けたのは、その時の話です。国際金融の話は、私には新鮮で、たくさんのことを教えてもらいました。今朝、携帯電話にお祝いのメールを打ったら、夕方にパリから返事が来ました。
日本人の活躍とともに、このようなニュースが記事になることが、うれしいです。読者の関心がないのか、書く能力を持った記者が少ないのか、それを理解できる編集長がいないのか。このような記事は、めったにお目にかかれません。また、解説がないと、ほとんどの読者はわからないのではないでしょうか。
たぶん、それを書ける記者を、養成していないのだと思います。かつて書きましたが、日本の新聞やニュースの国内閉鎖性は、世界でも珍しいと思います。1億人の市場、日本(その国)だけで通じる日本語(言葉)、英語でなくてもできる大学教育。これを満たしている国は、日本くらいでしょう。フランス語やドイツ語、ロシア語は、1国だけではありません。エリートと財界人が、外国語(英語)なしで仕事ができる数少ない国なのです。
先に述べた1千億ドルの融資についても、総理記者会見の際に質問をした記者は、一人もいませんでした。また、大きな記事にならなかったので、ほとんどの日本人は知りません。そしてそれがどのような効果を持ったかも、記事になっていません。
日本が国際社会で貢献するには、輸出や援助も一つのバロメーターですが、このような国際経済対策やルールづくりも重要です。そして、それを理解して記事にできる記者を養成することも、必要ですね。次は、浅川議長の活躍を伝える記事を、期待しましょう。
2011.01.26
今日は、慶應義塾大学で期末試験でした。これまでの出講では主にレポートで採点していたのですが、今回は学生数が多いので、筆記試験にしました。
事前に学事担当から、試験会場での注意事項を受け、試験監督の補助をしてくださる院生に助けてもらって、無事に実施できました。100人を超える数になると、問題用紙と解答用紙の配付や、出席者の確認にも、結構な手間がかかります。
試験会場に入るのは学生の時以来(かな?)で、久しぶりにあの緊張感を味わいました。学生諸君の真剣な姿には、感動しました。これから、その成果を、採点します。