地域の悩みの一つに、定住外国人問題があります。特に日系外国人は、多数の人が一部地域で固まって住むことで、日本社会と関わりを持たなくても暮らしていけました。しかし、日本語が話せない、文化や習慣が違うことから、地域住民と摩擦を起こすことも多いです。さらに近年の日本の不況で、困難が増しています。地方自治体は、様々な取り組みをしています。
内閣府共生社会政策統括官にある定住外国人施策推進室が、取り組み事例を取りまとめました。ご覧下さい。
私がこの問題を取り上げるのは、次の2つの理由からです。
一つは、この問題が、これからの自治体にとって、課題は地域で発生し、解決策も国からは来ないという一例だからです。
もう一つは、自治体がつくらなければならない「マチ」とは、道路や施設といった有形のものだけでなく、人と人との付き合いや助け合い、ルールやマナーといった無形の社会資本が重要だということです。住民の暮らしにとって、道路や施設以上に、人とのつながりが重要なのです。外から来た人が困ることを数え上げると、何が重要なマチの要素であるかがわかるのです。これについては、拙著『新地方自治入門-行政の現在と未来』p177で述べました。