月別アーカイブ: 2010年2月
少子化、婚外子の文化的背景
市町村トップの危機対応能力講座
今日は、消防大学校の危機管理・防災教育科の一つとして、「トップマネージメントコース」を行いました。市町村長や副市長・危機管理監などを対象としたもので、大規模災害時の対応能力向上が目的です。専門家による講義と図上訓練とで、構成しています。
吉井博明東京経済大学教授のお話を、私なりに膨らませると、次のようになります。
大規模災害時には、被災現場がどうなっているかわからない=情報不足と情報の混乱。被害情報がないのは、電話が通じないからかもしれません。それは、しばしば同時に多発しています=全体像がわからない。しかし、待っていられない=急を要する。そして大災害時には、対応能力が不足している=消防職員では足らない。といった制約の中で、どこにどれだけの職員を送るか、どのような支援を求めるか、市民にはどのように伝えるかなど、首長の責任は重要です。
通常は、部下職員が情報を上げ、また案を持って伺いに来ます。しかし、災害対策では、待っていられないのです。また、市長が、市役所や市内にいない時もあります。その時は、誰が代行するか。
備えと訓練しか、方法はありません。先生は「過去問から学び、模擬試験で鍛える」と、表現されました。そして、首長も職員も入れ替わっていきます。
訓練にも、図上訓練と実動訓練があり、それぞれに、いくつかの手法があります。阪神淡路大震災以来、関係者の関心も高まり、より洗練されてきています。日野宗門先生の方法は、状況予測型図上訓練=イメージトレーニング方式です。参加者が一定の条件を与えられ、状況を予測し、するべき対応を考えるという方法です。
自衛隊海外派遣・国際協力
上級幹部科卒業式
今日は、消防大学校で、上級幹部科の卒業式がありました。消防長(各市町村消防本部の長)や部課長、署長といった最高幹部級の課程です。平均年齢54歳。期間は12日間と、短めです。科目も、人事管理・危機管理・危機管理広報・惨事ストレスといった管理職ならではの科目と、状況創出型図上訓練・消防応援受援といった運用訓練などからなっています。
消防の応援・受援というのは、近年クローズアップされてきました。消防が自らの市町村の区域を越えて応援に行くことは昔からありましたが、遠くまで出かける、広域で応援することは、阪神淡路大震災が、一つのきっかけです。
ところで、応援と受援(応援を受ける)では、受援が難しいようです。各消防本部は、応援の経験はあるのですが、受援の経験はまずはありません。しかも、大災害の時には、たくさんの部隊が、各地から集まってくるのです。被災地ですから、自らの部隊を運用するだけでも大変です。その上に、受け入れるのですから。おわかりいただけると思います。
近年では、各地で、そのような事態を想定した訓練を、行っています。