民間出身公務員

26日の朝日新聞に、「国債支える民間出身組」として、財務省理財局で国債発行に関して市場分析官をしている、民間出身の9人が紹介されていました。証券会社から、任期2年で公務員となっています。役所としては、市場のプロの知識と経験を活用できます。また、採用された人たちも、「役所は情報の宝の山。民間では得られない国や市場の状況がわかる」と、双方にとってメリットがあるようです。専門知識が必要で、役所内で養成できない、時間がかかる場合は、このような事例が進むでしょう。一方、専門技能を持たない公務員は、どのようにして生きていくかが問題になります。

市町村合併の評価

総務省の「市町村の合併に関する研究会」(小西砂千夫座長)が、報告書をとりまとめました。この報告書は、「平成の合併」の合併後数年の短期的な影響、行政側と住民側の両面から見た場合の影響について、「良いことも悪いことも含め、素材をそのまま提供する」(小西座長)ことを基本に評価・検証・分析したものだそうです。

基礎年金消費税方式

25日の日経新聞経済教室は、八代尚宏先生の「未納こそ年金財政のカギ。税方式で真の皆年金、保険料は厚労省の目的税」でした。
未納の実質放置は、国民皆年金の放棄に等しいこと。税方式は、未納問題がなくなること。社会保障国民会議の年金財源試算には、あり得ないケースも含まれていること。年金の税方式化は、全体では負担増にならないことを主張しておられます。私は、先生の主張に賛成です。

異業種交流

今日は何かと忙しかったのですが、放課後、新聞記者さんと「日本の将来を考える会」に出席。実態は、アメリカ帰りの記者さんの歓迎会を、もう一人の記者さんと開催したのです。割り勘でも、歓迎会なのかなあ・・。
それぞれ、かなりの有名人です。3人は視点が違って、すごく勉強になる会でした。「それは違いますよ」に対して、「いや、こういうことやで」と言うと、「それは違うでしょう」と返されます。同業者と飲むと、こうはいきません。

組織能力

平野雅章『IT投資で伸びる会社、沈む会社』(2007年、日本経済新聞社)が面白く、勉強になりました。先生の主張は先日、日経新聞経済教室を紹介しました。その元となっているのが、この本です。
IT投資で成果を出すにはどうしたらいいかが、この本のテーマです。組織能力のない会社がIT投資をしても、成果が上がらないことを実証しておられます。能力のない会社が最先端の生産設備を入れても、使いこなせないのと同じ、という説明には納得します。IT投資をすれば組織能力が上がるという考えも、間違いだそうです。素人がスーパーカーを運転すると事故を起こすのと同じです。
「手続きを変えることなくIT化してもダメ」と、はっきり書いてあります。行政機構でのIT化の失敗を観た私としては、もう少し早くこの本を読んでおればと、思いました。もっとも、失敗しているから、この本を読んで納得したのですが。
もう一つは、職員の能力と組織の能力は別であり、いくら職員研修をしても組織の能力は上がらないという指摘です。相撲の団体戦は各選手の力を強化すれば勝てますが、サッカーは各選手の連携を強化しないと強くなれないのです。私は、組織能力は、漠然と組織の伝統だと思っていました。でも、この本に指摘してあるように、まだできて新しい会社でも組織の能力が高いか低いかがあるのですから、「伝統」と片付けるのは間違いですね。
その他、組織の管理者として、納得することが多かったです。すごく、触発されました。