先日紹介した、平野雅章『IT投資で伸びる会社、沈む会社』から。
・・「情報システムでは必ずトラブルが起きるものです」というと、驚かれるか不愉快な思いをされる読者もいらっしゃるかと思いますが、事実ですから仕方ありません。一般に、機械やシステムの信頼性を100%にすることは、技術的・経済的に不可能です・・
経営者が、あたかもトラブルの起きない情報システムや、事故の起きない原子炉が存在しうるように考えたり説明したり、記者会見で「二度とこのようなことが起きないようにします」と頭を下げることは、不可能なことの空手形を切っているのであり、自分自身と社会に対する欺瞞でしかありません。・・責任のある経営者は、システムトラブルが確率的に起きることを前提に、事業のリスクや責任の取り方を考えているものです・・(p120)。
月別アーカイブ: 2008年6月
骨太の方針一覧表
・・成長力の強化や国民本位の行財政改革など総論や看板には異論がないが、各論となると各省庁や政治家の要望を並べたところや、中身が薄いところが目立つ。骨太の名にふさわしい内容とは言い難い。
01年の小泉純一郎政権時代に始まった「骨太方針」の本来の狙いは首相の指導力発揮によって、改革の障害を乗り越えることだった。各省庁任せの政策決定では、省益や政治家の既得権益の壁に阻まれる。このため、民間の有識者を含めた経済財政諮問会議を「改革の司令塔」として活用、首相が後押しする仕組みをつくった。
小泉首相退陣後の07年の骨太方針からそうした性格は薄れてはいたが、今回はそれに拍車がかかったように見える。昨年夏の参院選敗北で自民党内から改革路線への反発が噴出したことが背景にある。福田首相も、党内からの様々な圧力をはねのけられなかった・・。
この社説の標題が指摘しているように、最近の骨太の方針には、2つのものが含まれています。行財政改革を目指す「メリ」の部分と、施策の拡充を目指す「ハリ」の部分です。「骨太の方針2008」だと、第4章がメリで、第5章がハリになります。
目標による管理
ある人曰く、「こんな簡単なので、良いのですか?」。良いのです。難しい複雑なことは、長続きしません。まず書いてみることで、本人にとって仕事の目標と重点が見えます。それが上司・部下と共有されることで、仕事が円滑に無駄なく進みます。さらに市民に見せることで、理解されまた評価されます。
行政の分類
授業で使っている「行政の分類」を、HPに載せました。これは、国家(政府)の役割から見た、行政分野の分類案です。去年載せたものを、加筆しました。
経済社会の変化を分析する記事
朝日新聞が「変転経済」に続いて、「激変、産業地図」を、毎週土曜日に連載しています。28日は、情報通信です。多くの分野で、技術革新・情報の高度化・国際化・後発国の追い上げなどで、企業の地図が塗り代わるだけでなく、ビジネスモデルが変化しています。2~3年のうちに、知識が役に立たなくなってしまいます。
専門書も、すぐに古くなります。業界紙を読むだけの時間もない私たちにとって、このような分析記事は、役に立ちますね。私は、このような記事が、新聞にとっての一つの「モデル」だと考えています。日々のニュースでなく、しばらく時間をおいて、じっくりと広く分析する手法です。
また、日経新聞がよく1面の左で、テーマを決めて連載をします。これも、有用です。官庁や会社が発表する資料を基に書く記事と違い、このような分析記事は、労力が必要です。