17日の日経新聞夕刊「サラリーマン生態学」江波戸哲夫さんの「官僚主義」から。
・・名経営者たちの「自著」を集中的に読んでいたが、彼らの大半は社内にはびこる官僚主義にぶち当たっている。リー・アイアコッカは、クライスラーの社長になってすぐ経理部スタッフに訊ねたが、どうしても個々の業務の責任者を知ることができず「誰も責任を取るものがいない」と唖然としたという。
武田薬品の武田国男が課長になったとき、過去の事業の失敗の原因を調べようとしたら、スタッフは皆「当時の担当者は誰もいません」と知らぬ顔を決め込んだ。信越化学工業の社長となった金川千尋は、人事部門の官僚主義を叩き直すため、ルーズな前例に従い600人もの新規採用を提言してきたのを、ほとんどゼロにした・・・。
官僚主義についてユニクロの柳井正が簡潔な分析をしている。「会社組織は、その会社の事業目的を遂行するためにある。一旦、組織ができあがってしまうと、今度はその組織を維持するために仕事をしているようにみえる」・・