富山県山岳警備隊

細井勝「遭難者を救助せよ-究極の任務に立ち向かう男たち」(PHP、2007年)が出版されました。富山県警山岳警備隊を紹介した本です。この警備隊は、NHKのプロジェクトXでも取り上げられ、何度か再放送もされたので、ご存じの方も多いと思います。
私は、椙田正隊長(当時は副隊長かな)につれてもらって、剣岳に登ることができました。夏の天気の良いときです。1度目は天気が良いのに、椙田さんの天気予報で断念。
「明日は雨が降るからやめましょう」「エー、こんなに天気が良いのに」「明日は降ります。雨の中登っても、景色も見えないし」「はい」。椙田さんは、豪雪の中でも登る人ですからね。翌日は、その通り雨になりました。
2度目で成功。他の人が1日で進むところを、2日かけてです。安全を見て、余裕を持って。おかげで、へばることもなく、山岳警備隊にも、購入したばかりの県の救急ヘリコプターにも、お世話にならずにすみました。県の総務部長が遭難しては、大ニュースになってしまいます。もう10年前のことです。ありがとうございました。椙田隊長のかっこいい写真は、この本の98ページに載っています。
富士山、剣山(徳島)、開聞岳、霧島、宮之浦岳(屋久島)と、多くはありませんが、良い案内人に恵まれて名山に登ることができました。もっとも、富士山は交付税課の面々だけ登って、とんでもないところを歩きました。
「剣岳をもう一度どうですか」と誘われても、今は自信がありません。登りは大丈夫なのですが、降りるときに膝が笑うのです。山登りの経験のある方は、おわかりでしょう。

秋学期の開始

今日から、秋学期が始まりました。ネクタイを締めて、気合いを入れて行きました。重い資料をたくさん抱えて。今月までクールビズなので、ネクタイを締めるのは数ヶ月ぶりです。昨日の最高気温が30度を越えたのに対し、今日は20度とひんやりとした日だったので、ちょうどくらいでしたが。
出席者は39人、事前欠席届が1人いますから、40人前後でしょう。これくらいだと、授業はやりやすいですね。内容は地方自治の意義など、正統派で進めています。しかし、参考書のほか自治六法や自治法の逐条解説を回覧したり、憲法と地方自治ついても、普通の教科書にない視点から解説したり。「日本国憲法は三権分立ではない」とか。いろんな資料も配って、全勝色の濃い授業にしています。

分権改革の現状

今日も朝から、何やかやと仕事が入って、それなりに忙しい一日を過ごしました。夕方は、某ジャーナリストが訪ねて来られて、地方分権改革(運動)の現状と未来について議論。というか、突き上げを食らいました。二人とも、この10年間の第一次分権改革、三位一体改革の成果については、高く評価。しかし、不十分だったことも承知。問題は、その後の動きについてです。私は、「そんなに、思うようにはいきませんよ。三位一体だって、いろんな僥倖が重なってできたんですから」。某氏は「なさけない。その後のチャンスを逃し、次の手を打てていない」との判断。
原因は何かの議論では、次のような項目を列挙しました。
1 次に何を獲得したいか。目標が不明確。抽象論では動かない。
2 そのために何をするべきか。戦術論が不明確。それを誰が考えるか。
3 その理論武装が、されていない。理論的裏付けが不十分。
4 担い手が認識不足。地方六団体は、何を考えているのだろう。霞ヶ関を始め国政は、分権には反対。地方が要求を突き付けない限り、前には進まない。その際に、地方団体が団結しないと、無理。そして、陳情だけでは進まないわなあ。
5 分権を迷わせる地域間格差。またぞろ、補助金や公共事業を求め、ばらまく手法に戻る恐れあり。これは霞ヶ関の思うつぼ。下手をすると、地域間格差是正のためといって、地方法人課税が国税に吸い上げられるかもね。
「ところで、昨日HPに、『補助金と公共事業で自立した町はない』と書いたんですけど」
「読んだよ。そうじゃないだろう。『補助金と公共事業に頼った地域ほど、自立が遅れた』だよ。××道と○○県などを見よ。官僚である全勝さんは、書けないだろうけど」

多重債務者対策

月刊「国民生活」10月号は、「行政における多重債務対策の充実を求めて」を特集しています。多重債務者は、近年大きな社会問題になっています。その対策が、政府の仕事となったのです。そして、相談窓口の役割が、地方自治体に求められています。新しい時代の、新しい行政です。
ところで、「国民生活」は、これまで政府では、主に消費者問題と考えられていたようです。近年はNPOや個人情報保護も、国民生活局の仕事となっているようですが。私は、政府・自治体の役割として、もっと広い範囲で生活をとらえるべきだと考えています。生活者支援については、その一端を、「再チャレンジ支援施策に見る行政の変化」月刊『地方財務』(ぎょうせい)2007年8月号に書きました。

新内閣での再チャレンジ

昨日も書きましたが、今回の組閣で「再チャレンジ担当大臣」がなくなりました。今日は、何人かの人から、「失業したんだってね」と声をかけられました。中には、「失業祝をしましょう」という某記者まで。各県からも、「なくなるのですか」との問い合わせもあったようです。大臣の記載からはなくなりましたが、総理から岸田大臣に渡された指示書の所管業務には、はっきりと「再チャレンジ」があり、仕事は従前通り続けます。再チャレンジ室の組織も、そのままです。それぞれの人に、この事情を説明しました。