26日の読売新聞「論点」では、森田朗東大公共政策大学院長が「中教審の採決、審議会政治終焉の足音」を書いておられました。
「多くの審議会はこれまで、委員選任も答申案作成も所管省庁が行うため、各省や利益団体の『隠れ蓑』といわれてきたが、専門的審議の場、利害調整の場として、一定の政治的機能を果たしてきたことは間違いない・・・」「だが、少数意見が強硬に妥協を拒む場合や、今回の中教審の決定に見られたように、多数意見の『ごり押し』が起こる場合には、主張の強固さが示されるより答申そのものの権威が失墜し、審議会が果たしてきた重要な機能が失われることになる」
「こうした事態が生じるようになった原因には、財政危機や構造改革の進行によって関係者間の対立が激化し、これまで可能であった妥協や合意が困難になってきたという事情があろう。その結果、深刻な利害対立を含む課題については、従来の調整システムは機能しなくなり、・・・最終的には首相の決断という政治の場に、解決が持ち込まれるようになった。」
「今日の政治環境の変化をみる限り、審議会の変容は今後も続き、やがて『審議会政治』は終焉に向かうことになろう」
ここでも、審議会政治がこれまでの「官僚による政治」「右肩上がりの時代の政治」であることが指摘されています。全会一致は、自民党総務会でもそうであったように、右肩上がりの時代の政治、責任を先送りする政治だったのです。