この表が、好評です。何人かの先生や政治関係者から、「出典を明示するので、使わせてもらいます」と連絡をいただきました。どうぞ、どんどん使って下さい(12月15日)
(17年度交付税総額)
18日に、麻生大臣と財務大臣の折衝が行われ、17年度の地方財政対策が決まりました。地方交付税総額は、前年度並みとのことです。地方団体には、これで安心してもらえます。
16年度の交付税総額(+臨時財政対策債)が大幅に減ったことから、17年度総額について地方団体は重要な関心を持っていました。「骨太の方針2004」や、11月26日に決まった「全体像」政府与党案でも、「17・18年度は、地方団体の財政運営に必要な総額を確保する」と明記してありました。
もっとも、重要なのは地方財政計画の姿と、地方税(+臨財債)などを含めた一般財源総額です。交付税総額は、〈歳出総額-特定財源-地方税など〉によって決まるのですから。
(社会のキーワード)
①地方財政計画規模=1.3兆円、1.5%減
②計画と決算との乖離是正=投資からソフト経費へ0.35兆円
③交付税総額横ばい、臨時財政対策債1兆円削減、「税+交付税+臨財債」は横ばい。
④財源不足=総額11兆円(3兆円減)、通常分7.5兆円(2.7兆円減)
⑤国庫補助金改革・税源移譲=1.1兆円。うち、所得譲与税化(老人ホーム運営費など)0.7兆円、税源移譲予定特例交付金化(義務教育)0.4兆円。
国の一般会計歳出では、交付税総額は0.8兆円減(特例交付金を入れると0.4兆円減)なのに、地方財政計画ではなぜ横ばいか。
それは、国の交付税特別会計で加算したからです。その財源は、16年度の剰余金です。国税の増による交付税財源の増加を、16年度に使わず、17年度に繰り越したのです。その処理のための、16年度補正予算と交付税法改正を、1月の国会に提出します。(12月20日)
19日の毎日新聞「発言席」に、梶原拓知事会長が「地財計画に分権潮流反映を」を書いておられました。20日の朝日新聞夕刊「窓」には、坪井ゆづる論説委員が「真摯とどぶ」と題して、参議院決算委員会での与党議員の追求を書いておられました。
なお、地方交付税の正式名称(法律などでの名称)は、「地方交付税」です。国の予算書に歳出として載る場合に「地方交付税交付金」という名前が使われます。それが交付税特別会計に繰り出され、地方に配分されるときには「地方交付税」です。(12月20日)
21日の日本経済新聞は、国の予算案の解説の中で、三位一体改革を詳しく解説していました。「国・地方の効率化停滞」という表題は、記事の内容とずれていましたが。20日の毎日新聞夕刊でも、宮田哲記者が「税源移譲9割が必要経費。分権・行革、効果乏しく」を解説していました。(12月21日)
22日の朝日新聞は「来年度予算案」「分権社会遠い道のり。首相、かすむ指導力」を解説していました。23日には、「義務教育費削減問題、官邸・文科省譲れぬ解釈」を解説していました。また23日の日本経済新聞は、「義務教育国庫負担、自民文教族温存へ始動」を書いていました。
でも、変ですよね。文部科学大臣って、総理に任命されているんです。三位一体改革が、日本の政治過程・政治構造・総理の指導力を問うもの、変革しようとしているものであることが見えます。(12月23日)
24日の朝日新聞「私の視点」に、小西砂千夫関学教授が「地方税を上げ赤字解消を」を、書いておられました。また同紙夕刊では、1面トップで大きく、板垣記者が、来年度予算政府案のうち、三位一体に焦点を当てて解説していました。図表も工夫してあり、わかりやすかったです。(12月24日)