地方自治体の予算の基礎になるのは、国の予算ではなく、地方財政計画です。また、国民生活に影響することも、国の予算より、地方財政計画や市町村の予算の方が大きいのです(参照地方財政の仕組み・マクロ)。
ほとんどの行政サービスは、地方自治体が行っています。国の予算の多くは一般会計で実施されるのではなく、地方財政計画を通して実施されます。また、国の予算をもらわずに地方自治体が実施するサービスもたくさんあります。(拙著第4章)。
国の一般会計予算は「国の都合」であって、それがそのまま地方自治体や国民生活に影響するわけではありません。交付税の金額も国の一般会計の数字ではなく、実際に配られる金額(地財計画計上額)が意味があります。でも新聞は、毎年国の予算を大きく取り上げます。
慣習(去年の紙面)に縛られ、財務省の発表に依存し、国民(読者)への影響を忘れているのは、マスコミです。また、国の予算を非常に大きく報道して、中央集権を再生産しているのも、マスコミの罪です。