カテゴリー別アーカイブ: 仕事の仕方

生き様-仕事の仕方

気が小さい上司の悩み

仕事での悩みを一つ、吐露します。職員に仕事を頼むときです。
簡単な事案や、担当がはっきりしている場合は、問題ありません。悩むのは、ややこしい案件で、担当者がはっきりしない場合です。自分で片付けることができる案件なら、自分でやってしまいます。その方が早いですから。また、全く担当者がいない事案の場合は、数人の「何でも屋」を決めてあるので、彼らに頼みます。
困るのは、複数の担当者にかかわるけど、決め手がない場合です。何人かの顔を浮かべて、誰に頼もうかと、しばらく思案します。たいがいは、内容との関係度より、引き受けてくれそうかどうかで、選んでしまいます。
その職員を呼んで、「この案件は、難しいのよ。あんたの担当と違うと思うけど、やってくれる?」と言ったとき、「わかりました、やってみます」と言ってくれる職員には、本当に感謝します。今日のS君、先日のO君ありがとう。
若い時から、この方法でやってきました。しかし、若い課長の時に、いつも引き受けてくれている係長から、「いつも私ばかりですか」と、まじめに抗議されたことがあります。このときは、まいりました。確かに、この方法は正しい仕事術ではありませんね。
でも、「それは私の担当ではありません」という返事が、間違いなく返ってくる職員に頼んでも、ムダです。こちらも気分が悪くなります。私は気が小さいので、「いやです」と面と向かって言われると、心臓が凍ってしまいます。「いつも、好きなように仕事を命じているではありませんか」という、陰の声が聞こえてきそうですが、本当です。
また、頼まれたときに、私から「それは私の担当ではありません」とも、言うことができません。それで、何でも引き受けてしまいます。かつて、ある大臣から、「何でも吸い込むブラックホール全勝」というあだ名をもらいました。それを聞いたある職員は、「あれは、ゴミ箱だと言われているんでっせ」と、笑いましたが(本業の様子3)。
もちろん、部下からの依頼も、断ることができません。たいがい、彼らは困って、私に相談に(頼みに)来ているのですから。私でできることなら、頭を下げに行くくらいは、安いものです。
職場では上司に従い、仕事では部下に従い、家ではキョーコさんに従う。男は三界に家なし。
原典(本歌)はもちろん、「女三界に家なし」ですが、これって、現代では通じない(許されない)表現ですよね。でも、妻が夫に従っていたら、こんな説教は必要なかったのでしょう。実際は夫が妻に従っていて、願望を述べたのがこのような表現だと、私は理解しています。「我が家は違います」という方がおられたら、一度話を聞かせてください。

キャリアデザイン、欧米型雇用と日本型雇用の違い

10月1日朝日新聞オピニオン欄、海老原嗣生(雇用ジャーナリスト)さんの「キャリア「設計」必要あるの?」から。
・・「キャリアデザイン」という言葉がもてはやされていますが、そもそも日本でキャリアをデザインできる可能性は少ないし、必要もないと思います。
キャリアデザインは欧米型の雇用では必要です。日本なら○○という会社に就職しますが、欧米では○○社××支店△△課□□職で契約する。隣の課に横滑りもできない。昇格も、上のポストが空いたときに応募してオーケーが出た時しかできません。何もしなければそのまま。だから、キャリアデザインが必要になるんですね。
日本の会社では、入社して経理に配属されると、まず一番簡単な債権管理から始める人が多い。簿記や仕訳ができるようになると、財務会計に行かされる。次は支店決算、その次は本社決算。少しずつ難しい仕事を与えられていくので、文学部卒でも5年もすれば経理の仕事ができるようになる。自分でキャリアデザインする必要性が乏しいんです。
キャリアデザインにこだわると、「この仕事は将来に役立つけれど、あの仕事は役に立たない」と区分けしてしまう。でも、どんな仕事がプラスになるかは、後から振り返ってみないとわからない。日本の会社だと職務間異動もあります。経理のスペシャリストを目指していても、総務や営業に一時行った時に身につけた視点や知識、コネが役立つこともある。それは事前にデザインしてもわからない・・
詳しくは本文をご覧ください。

異業種交流、勉強会

今日午後は、ある経済団体の幹部さんたちと、復興についての勉強会。ありがたいことです。社会のオピニオンリーダーたちに、復興の現状と課題を説明できる機会をもらえるのですから。この方々の時間当たり費用を考えると、短時間で内容のある説明をしなければなりません。質疑応答も、「真剣勝負」になります。週末の休日に、資料を整えた甲斐がありました。
放課後は、NPOの人たちと意見交換会。といっても、出席者が若く、私が経験を一方的にしゃべっていたようです(反省)。
異業種交流・意見交換会は、勉強になり、効果があります。

毎日、時間が過ぎるのが早い。困ったことです

毎日毎日が早く過ぎて、仕方ありません。困ったことです。今週も、あっという間に土曜日です。今週は月曜日が休日だったので、4日しかありませんでした。官邸での会議、自公両党それぞれの復興加速化本部での説明と、いろいろと仕事は進んだのですが。
その他の時間が、いけません。職員の連続攻撃や記者さんたちの面会などで、自分の時間が取れませんでした。15時頃に弁当を食べたりとか。そこを攻撃に来る職員もいて・・。4日しか営業日がなかったのに、机の上には、たくさんの書類がたまりました。先週の週末にかなり整理したのに。
休日にしか仕事が片付かないようでは、仕事の仕方に問題があるとしか思えません。

お詫びだけでない、失敗したときの対処

部下や組織が失敗した場合の、お詫びの仕方は「仕事の仕方」に書いたとおりです。しかし、責任者は、お詫びの前後に、次のようなことを行う必要があります。
1 事実の確定
これは、ひとまず、詳細まで確定する必要はありません。おおむねの事実が判明したら、公表やお詫びなどの行為を行う必要があるためです。遅れると、批判を招きます。
2 関係者へのお詫びと、公表
傷つけた相手方や損害を与えた相手方へのお詫び、必要な場合は損害賠償を行います。 また、社会的問題なら、記者会見などで事実を公表し、お詫びする必要があります。
3 関係者の処分
事実関係を明らかにして、失敗をした行為者やその責任者を、処分する必要があります。
4 再発防止策
事実関係が明らかになったら、今後同じことが起こらないように、再発防止策をとる必要があります。これも、関係者や社会は、関心を持って見守っています。
お詫びだけでは、処理は終わりません。それより重要なのは、けじめをつけ、再発を防止することです。
ところで、私の属する官庁では、部内各組織の権限と責任が文書によって明確に定められています。よって、上記3の「関係者の処分」の範囲(責任の所在)は、比較的簡単です。「量刑」は難しいです。
これに対して、記事についての責任は、どのようになっているのでしょうか。門外漢ですみません。今回の朝日新聞の例では、編集担当取締役の職を解き、社長は改革の道筋を付けた上で進退を決めるとのことです。記事を書いた記者や、それを載せると判断した上司の責任はどうなるのでしょうか。記事の責任がどのようになっているのか、今回の事件の処分で見えてくると思います。それはまた、今後の再発防止策にもつながります。
もちろん、他者の評論をするだけでなく、私たち官庁や官僚も、自らの行為の評価と反省を、常に注意しておく必要があります。その際に難しいのは、やったことの失敗とともに、やらなかったことの失敗(不作為の責任)です。行政には、その責任があります。