カテゴリー別アーカイブ: 仕事の仕方

生き様-仕事の仕方

社長と課長の違い

15日の朝日新聞別刷りbe、河原春郎ケンウッド会長のお話から。
東芝時代の28歳、アメリカのGE工場に派遣された時の強烈な体験。
・・当時日本で「開発」といえば、海外製品のまねを意味した。だが、米国で体験したのは「世の中にないものをつくり出す」という、まったく次元の違う作業。人種も性格も様々な技術者たちが、議論しながら頭の中にあるアイデアを形にしていく。発言しないと「会議に貢献しない人間はいらない」。自分のイメージを正確に他人に伝えるために、絵や文章に具体的に落とす作業がどれだけ大事かも、この時に学んだ・・
・・社長と課長の視座は違う。リスクの小さい計画をいくら足しても会社の戦略にはなりません。社長の仕事は、全社のリスクを負って方向性を決めること。多くの社長はそこも部下に下請けさせるから、外から大波をかぶったときに判断できない。
面白いたとえがあります。入社して「煙突」の中をはい上がり、社長や役員になって煙突を抜けパッと視界が広がる。自分は金箔をつけて出てきたと思っても、外から見ると煤だった。そんなギャップがある・・
「41年間東芝に勤めた生え抜きなのに、なぜそのギャップが生まれなかったのですか」との問いには、
・・僕は会社では「エイリアン」でしたから(笑い)。28歳でGEに行き、「世界とはこういうもんだ」と思って帰ってきて20年、「あいつは変だ」といわれ続けた・・

講演のコツ

このホームページを見てくださっている方から、「引用しました」との連絡をいただきました。それぞれに、人前で話すことに苦労しておられますね。私も、毎回満足できない結果に終わっています。あそこは、こうすれば良かった。ここは切り捨てるべきだった、とか。
事前準備の際には、これもしゃべりたい、あれもしゃべりたいと、欲が膨らみます。資料をたくさんつける付けるのも、時間不足の原因です。「時間が余ったらどうしよう」と心配になるのです。でも、時間が余ったことなど、ないのです。
若いときは、事前に予行演習をしましたが、最近は、ずぼらになって・・。私は、講演の際には、必ずレジュメを配ります。全体像をつかんでもらうためです。また、今どこをしゃべっているか、観客にわかってもらうためです。そして、手持ちのレジュメには、しゃべる詳細のメモのほか、おおむねの時間配分を、15分単位で書き込んであります。ところが、この目安を守らないので、時間が足らなくなります。
その点、大学の授業は次回があるので、気が楽です。また授業では、一番大事なことはレジュメに載せません。それは黒板に書いて、学生に書き取ってもらいます。これが、学生の居眠り防止・大切な点を覚えてもらうコツです。
講演会は、なかなか起承転結、序破急には、なりません。最近の講演会では、最初の5分間で笑いから入る場合と、最初の5分間で結論を話す場合とを、使い分けています。失敗するのは、しばしば前者の場合です。笑ってもらえなかったり、そのまま脱線するのです。
「力が入って血圧が上がっているな」と自分で気がつく場合も、失敗が多いですね。しゃべるには、ある程度電圧が高くなければ元気が出ませんが、自分で興奮していては冷静に話すことができません。しゃべり手の電圧と聞き手の受容度は、ある程度までは比例しますが、それ以上になると乖離するようです。観客の表情を見て、うまくかみ合っているのがわかると、調子が出ます。この時は、うれしいですね。
うまくいかないときは、落ち込んでしまいます。帰りの新幹線の中で、しばらくして落ち着いてから、「ここは受けたな」とか「ここは、思ったほどは受けなかったな」「これは関心を持ってもらえないか」と振り返り、次への反省材料にします。でも、次回また失敗し・・。
「匿名の人は相手にしない」ことにしていますが、実名を名乗ってのご連絡だったので、取り上げました。

人に頼まれたら

今日の教訓。人にものを頼まれたときの反応、3種類。
1人は、喜んで引き受ける人。2人目は、いやがる人。3人目は、いやなふりをして、もう一度頼まれたら嫌々引き受ける人(本当は引き受けたいのに)。
あなたは、どれですか。また、あなたが頼む側だったら、どのような反応がうれしいですか。(2007年6月26日)

26日の「頼まれたとき」の記事について、何人かのひとから意見がありました。
1 何か、不愉快なことがあったのですか。
→ちょっとね。でも、そんなことでは、HPには書きませんよ。
2 えー、引き受けない人がいるのですか。かつては部下に、「ハイ」か「わかりました」しか、返事は許されなかったじゃないですか。
→そうでしたね。最近は「はい」という返事をもらえる指示しか、部下にしてません。気が弱くなりました(笑い)。厳しくしかれる部下がいるのは、幸せなことです。
若いときに、「先輩と上司にはいくら抵抗してもいい、部下には厳しくするな」といわれたことを、思い出しています。
3 私の職場は人間関係が難しく、ハイと言いたいのですが、一応いやなふりをして相手の出方を見ています。
→その時は、相手もあなたの出方を見ていますよ。「あいつは、あほか」と言われるくらい、何でも引き受けなさい。
4 岡本審議官は、難しいことを頼まれたら、どう答えているのですか。
→はい、相手次第です。気心が知れた方からの依頼なら、難しいことを承知で頼んでおられるのですから、「これとこれが難しいですが、ご承知ですよね。では、できる限りやってみます。だめなら、早めに報告します」。
一見さんなら、「はーい、できる限りやってみますわ。でも、難しいでっせ」と答えます。たぶんそのとき、私の顔には、「無理です」と書いてあるのでしょう。

私たちの仕事は、予測可能性、それも人間関係次第

今週も、怒濤のような5日が過ぎました。「職場で残業はしない」と宣言しているのですが、諸般の事情により、2日もやってしまいました。中間管理職は、自分の時間管理ができないこともあるのは、仕方がないですね(言い訳です)。めどが立たないうちに遅くなってしまい、おかげで1キログラムも減少できました(とほほ)。でも、藤田参事官チームの支えのおかげで、今週分はまあまあ乗り越えることができました。ありがとう。
「いつまでに、何をしなければならない」ということが分かっていれば、あとは簡単です。それに向かって、段取りをそろえ、部下に指示をすればいいのです。
次に重要なのは、参加者との関係です。関係者に対しどこまでコントロールできるか・影響することができるかです。自分ですべてを「仕切る」ことができれば、何も悩むことはありません(その代わり、責任はすべて本人に帰することになりますが)。
関係者とは、通常、上司、部下、交渉相手です。それぞれに人間関係ができていれば、あるいは予測可能な相手なら、話は早いです。早い目に相談に行くとか、多分こう出てくるだろうから、こう答えようと演習ができます。相談しても無駄とわかっていれば、出たとこ勝負でいく・正面から激突するとか、その前に外堀を埋めておく・応援団をつくっておくとか、対策が立てられます。
最後の場合のように、「どうせだめだから」という場合でも、そのような予測さえ立てば、悩むことはありません。開き直ればいいのです。困るのは、予測の範囲を超えるとき、とんでもない方向から弾が飛んでくる場合です。通常の難しい案件は、交渉相手が敵です。これは最初から分かっていることです。だから、手強い敵でも困りません。困るのは、後ろから、横から弾が飛んでくる場合です。

アネゴとお局様

10日の日経新聞夕刊は、「アネゴ輝く」として、仕事ができ、後輩から慕われるベテラン女性を、従来のお局様と比較していました。なるほどと思うことも多いです。私も、日ごろの行いを反省してます、はい。
でも、ベテラン男性職員にも、仕事ができかつ慕われる先輩と、きらわれる先輩がいますが、それに対応する言葉はないようです。なぜ女性の世界では、お局様とアネゴという概念=言葉があるのに、男性にはないのでしょうか。