カテゴリー別アーカイブ: 仕事の仕方

生き様-仕事の仕方

元職員との意見交換会

今日の放課後は、某元復興庁職員たちとの意見交換会。隊長曰く「今回はホームページに、I企画官・・・(2014年12月8日)と書かないでくださいよ。あの時は、翌日関係者から、「おまえのことだろう」と問い詰められました」とのこと。
私はすっかり忘れていました。本名を書くと差し障りがあるので、イニシャルにしているのですが。ということで、今日は某元企画官と書きます。皆さん、それぞれの場所で活躍し、家庭や趣味でも頑張っているようです。うれしい限りです。

現代の企業家、成功の秘訣

書評欄で紹介されていたので、D・ヨッフィーとM・クスマノ著『ストラテジールールズ―ジョブズから学ぶ戦略的思考のガイドライン』(2016年、パブラボ)を読みました。インテルを育てたアンディ・グローブ、マイクロソフトのビル・ゲイツ、アップルのスティーブ・ジョブズ。起業家として大成功しただけでなく、新しい事業のモデルを作った3人です。この本は、その3人に共通する成功の秘訣、3人の個性の違い、3人の失敗を分析した本です。どうして新しいビジネスを切り拓いたか、同業他社をどのようにつぶしたか。なぜ、先行していた他社は、戦いに負けたか。
どのような点が、皆さんの参考になるか。それは読んでみてください。私はなるほどと思いつつ、「結果論だなあ」とも思ってしまいます。歴史上の英雄や政治家、起業家。成功するには、それなりの努力とともに、運もありますねえ。いくつか記憶に残った記述を、紹介しましょう。
・・・ジョブズは、伝記作家にこう語っている。「『顧客には望む物を与えるべきだ』と言う人がいる。だがそれは私のアプローチではない。私たちの仕事は、顧客自身が気づく前に、彼らが望むものを明らかにすることだ。ヘンリー・フォードはこう語った。『もし、私が顧客に何が欲しいかと尋ねていたら、顧客は、もっと早い馬が欲しいと言っただろう』」・・・(p76)。
著者は、事業戦略で、相撲戦術と柔道戦術を比較します。相撲戦術は、力と規模にものを言わせる戦術です。柔道戦術は、てこの原理を活用して効果的に技をかけます。秘密の作戦やスピードを駆使します。器用さや敏捷性、相手の裏をかく能力が求められます(p238)。アメリカの企業競争に、日本古来の武道のたとえが出てくるのが、興味深かったです。

連休明けの1週間

今日は金曜日、今週も終わりました。連休明けの仕事、皆さん、お疲れではないでしょうか。さらに、東京も暑くなって、これもこたえますよね。
私も、今週は泊まりがけの出張のほかに、次々と部下が報告や相談に来てくれて、商売繁盛=自分の時間は確保できない1週間でした。でも、喜ばなければいけません。報告に来てくれるのは、仕事が進んでいる証拠です。相談に来てくれるのは、「次官に相談したら、何か役に立つことを言ってくれる」と、思ってくれているからでしょう。「今日も、職員は誰も来なくて静かだった」は、困ったことなのです。
その中で、どのようにして、自分の時間を確保するか。それは、朝早く出勤することです。そして今日も、17時半過ぎには退庁し、18時頃には都内某所で、「他社の人」と冷えた生ビールを飲んでいました。「みんながまだ仕事をしている」と思うと、一層おいしいです(笑い)。なぜ、みなさん、8時半出勤、17時15分退庁にしないのでしょうか。自治体や民間では、当たり前のことですよね。そして、20時過ぎには、「もう帰るのですか。いつもなら、これから飲む時間ですよ」という批判を聞きつつ、逃げて帰りました。今、ホームページを更新し、これから本を読む時間が取れます。

復興庁の引っ越し

今日は連休の谷間。連休中に事務所が引っ越したので、新しい仕事場に出勤して、荷物の荷ほどきをしました。といっても、そんなにたくさんの荷物ではないので、すぐに片付きました。机やパソコンなどは、業者と職員が運んで据え付けてくれてあったので、直ちに使うことができました。ありがとう。机や棚の配置が変わったので、少し使い勝手が悪いです。もっとも、すぐに慣れるでしょう。
三会堂では、次官室や統括官室の前に職員たちの執務机が並んでいたのですが、新しい事務所では次官室・統括官室と職員たちとは、少し離れています。官庁らしくなったということでしょうか。職員にとっては、しょっちゅう次官がやってくるより、落ち着きますかね(苦笑)。
新しい執務室は、4号館(財務省の裏、法制局が入っているビル)です。窓からは、国会議事堂が見えます。10年前に、内閣府官房審議官(経済財政担当)の時に、このビルで2年勤めたのですが、記憶が薄いです。冬、窓際が寒くて、机を動かした記憶があります。

福澤武さん、社風を変える3

2002年9月、新しい丸ビルが開業します。
・・・それは社員の創意と改革の結晶でもある。
「これはビル部門だけの仕事ではない。支店を含めて全社から意見を出して欲しい」。建て替え計画をを決めたとき、社員たちに訴えた。丸ビルの建て替えは、新しい三菱地所をつくることでもあった・・・(4月29日掲載分)
福澤さんは、さまざまな「慣行打破」を進めます。建築工事を、コスト削減と透明な取引のために、建設会社の入札に変えます。テナント集めも、説明会に来た会社から選ぶだけでなく、入って欲しい店に出店をお願いにいきます。路面店が外壁や窓の装飾を変えることも認めます。
・・・当時は「休日の丸の内はゴーストタウン。商売にならない」と言われた。営業部隊では「上から下までオフィスの賃貸にしてくれ」という声も根強かった。そんな常識を打ち破ったのは、創造性に富む若い社員たちだった。
社内の空気は社長に就任したときとは別物である。ある営業の役員は取締役会でテナントの選定の理由を自信満々に説明していたが、何のことはない。「廊下でウチの若い社員に聞いてみました。私は知らない店だけれど、大丈夫です」と力説していた。
「ビジネス・オンリー」ではない街をつくる。米国駐在時代に学んだ教訓である。そんな意思の下で社内が一体となって動いていた・・・(4月29日掲載分)
さらっと書いておられますが、100年続く会社の前例を打破すること、職員の意識を改革するには、大変なご苦労があったことと思います。本になる際には、そのあたりのことを書き込んで欲しいですね。でもそれは、福澤さんの哲学には、ないのでしょう。ご本人は、丸ビル改築完成を待たずに社長を退き、後任者に花を持たせるのです。