カテゴリー別アーカイブ: 仕事の仕方

生き様-仕事の仕方

資料整理

今日日曜日は職場へ行って、書類の整理。引っ越しが、28日に迫っています。平日は集中できないので、意を決して取りかかりました。同僚の中にも、同じ考えの職員がいて、書類を捨てていました。休日は職員が入ってこないので、はかどりますわ。発災の年から数年は、休日でも職員の攻撃に遭っていました(苦笑。懐かしいです)。
5年間の間に、たくさんの半封筒に入った書類がたまっています。「明るい公務員講座」で、「不要な資料は、捨てましょう」とお教えしているのに、これではダメですね(反省)。棚の中にあるので、測ると合計で2メートルほどでした。段ボール箱に4箱ほどでしょうか、たいしたことないですね。
まずは、分類です。先日も書きましたが、仕事そのもの書類は、多くないのです。いくつか手元に置きたい書類(といってもコピーです)を除いて、基本的に部下に返すことにしています。私しか持っていない書類はありません。行政文書ではない、私の考えを整理するメモや資料です。すべて捨てても良いものです。大きく分類すると、次のようなものでした。
1 仕事の進め方。その時々に、課題を整理して、今後の進め方を考えたメモが残っています。「すること」「当面の課題」「中長期の課題」といった表題がついた半封筒です。済んだものばかりですし、その結果は仕事としてできているのですから、捨ててかまいません。
私の5年間の仕事は、一つにはこれだったのですね。課題を整理し、進め方を考えることです。これは、半封筒の中身を見ると、回想にふける恐れがあるので、今日はひとまずそのままに。
2 次は、仕事関係A。例えば、企業やNPOとどのように連携するか。これを、5年間試行錯誤してきました。また、具体の実践の場である、産業再生やコミュニティ再建関係もあります。「民間との連携」「新しい行政手法」と書かれた半封筒です。これまでにない行政をどう進めるか、その考え方や具体例の資料です。
行政としての資料は担当者が持っていて、公表資料は復興庁のホームページに載せてあります。私の考えは拙著『復興が日本を変える』に書きました。そして、成果は現場で出ています。また、関係者もこの連携手法を学んでくれました。
私の試行錯誤の過程です。「こんなことをしていたんだ」と思い返しつつ、廃棄。
3 次に、講演資料。まあ、あるわあるわ。良くこれだけもしゃべりに行ったんだなと、自分で感心するほどです。英語やアラビア語のものも。一つの半封筒に、1~4か所のレジュメと資料が入っています。最近半年分を残して、廃棄。
いくつかの基本的なものは、職場で(デジタルで)保管してもらってありますし。
4 さらに、仕事関係B。Aよりは仕事と離れますが、行政のあり方を考える資料です。新聞切り抜きや、その時々に書いたメモ。これも、様々なものがたまっています。これは、自宅へ。
5 仕事関係で買った本や頂き物の本。う~ん、これも結構たまるのですよね。
だいたい分類できました。残すものだけ、箱に入れて運んでもらいましょう。

過去の勝ちを忘れられない

今日4月21日の読売新聞1面コラム「編集手帳」から。
・・・将棋の永世棋聖、米長邦雄さんが経団連で講演したことがある。当時若手の羽生善治名人が将棋界のタイトル7つを独り占めした頃である。演題は「なぜ、羽生君に勝てないか」
米長さんは語った。「われわれベテラン棋士は得意の戦型が忘れられない。その戦型で勝った記憶が忘れられない。その戦型はもう通用しなくなっているのに」。名だたる企業の経営者が、むずかしい顔をしてじっと聴き入っていたのを覚えている・・・

凄腕速記者

朝日新聞4月4日夕刊の「凄腕つとめにん」は、「1分間に起こす文字数、300字超」という速記者、藤田貴子さんでした。
想像できますか、その速さを。1分間に300字ということは、1秒間に5文字ですよね。記事によると、会議の文字起こしは、3倍の時間でできたら一人前だそうです。2時間の会議だと、6時間かかるということです。藤田さんは、それを4時間で済ませます。でも初めは、5分の録音を起こすのに、30分かかったとのこと。
かつては速記者は独特の符号で紙に書いていましたが、今は録音をパソコンで文字に起こします。藤田さんは、かな入力だそうです。私はローマ字入力ですが、キーを打つ回数は、かな入力の方が少なくてすみます。
ところで、会議や会見で、職員が全文を文字に起こしてくれるときがあります。私は、概要を求めます。発言を一言ずつ追って読んでいると、時間がかかります。私は、結論が欲しいのです。ところが職員に言わせると、全文起こしの方が楽なのです。概要にしようとすると、理解しながら書く必要があるのです。う~ん、困ったことです。
私は、テープレコーダー(今ならボイスレコーダー)に録音して、後で文字おこしするのが嫌いでした。数倍の時間がかかるのです。それなら、その場での概要メモの方が楽でした。

官庁と民間企業の違い

3月28日の朝日新聞「証言そのとき」は、生田正治・日本郵政公社初代総裁の「郵政、官業脱却に全力」でした。商船三井の社長が、なぜ民営化の責任者を務めたか。それは本文を読んでいただくとして。官庁と民間企業の管理職の違いについて、次のようなことをおっしゃっています。
・・・官庁スタイルで、まるで国会答弁のようでしたね。ですから、2カ月ほど様子をみて言ったんです。「来月から部下の『お付き』はやめよう」と。「えっ」という顔でみんな驚くから、「自分で勉強して把握してくるんだ」と伝えました。
2003年の初夏の、郵政公社の会議室。経営委員会の出席者二十数人の後ろには、分厚い書類を携えて発言を助ける担当者たちの姿があった。
のちに総裁を辞めるとき、何人かに「あれがいちばん参った。委員会の前々日ぐらいから緊張して勉強しましたよ」と言われてね。それがいい。自分で自分の部門のことがわからないと、深い議論はできません・・・

資料は1画面

日経新聞私の履歴書3月25日、大山健太郎・アイリスオーヤマ社長の「数分のプレゼンで即決。会議重ねず、私が全責任負う」から。
・・・パワーポイントを延々見せる普通のプレゼンとはまったく違う。1件5分から10分。資料は1画面。「要点から話せ」とよく叱る。前日の日曜日までの販売データは必須だ。話の途中でも合格、不合格をどしどし判断する。社員は自然にプレゼンが上手になる・・
・・・却下や再考を命じる時は、理由を明確に言う。生活のストーリーを感じられない企画、今の消費の流れを追っただけのアイデア、自分のこだわりを優先する開発者には、こう反問する。「おまえの奥さん、ホントにそれ買うか?」・・・