過去の勝ちを忘れられない

今日4月21日の読売新聞1面コラム「編集手帳」から。
・・・将棋の永世棋聖、米長邦雄さんが経団連で講演したことがある。当時若手の羽生善治名人が将棋界のタイトル7つを独り占めした頃である。演題は「なぜ、羽生君に勝てないか」
米長さんは語った。「われわれベテラン棋士は得意の戦型が忘れられない。その戦型で勝った記憶が忘れられない。その戦型はもう通用しなくなっているのに」。名だたる企業の経営者が、むずかしい顔をしてじっと聴き入っていたのを覚えている・・・