第一原発視察

今日は、久しぶりに第一原発を視察しました。国会議員の勉強会に同行してです。私の役割は、バスの中で、復興の現状と課題を説明することです。初めて入る方もおられ、説明のしがいがありました。

第一原発敷地内は、どんどん変化しています。簡単に言うと、「平常の作業場」になっています。かつては防護服を着て、顔を覆う面体をつけて、苦しかったですが、今はほとんど普通の工場と同じです。ヘルメットとマスク、違うのは入退場時に放射線量検査を受けることです。もっとも、これも念のためで、飛行機に乗るより、受ける放射線量は少ないのです。

いまも、毎日6千人の作業員が働いています。廃炉作業は、まだまだ続きます。30年とか40年と想定されています。具体的な工程表を作ることができません。技術的に難しいのです。となれば、無理して急ぐことなく、着実に進める方が良いでしょう。40年と言うことは、人生で言うと2世代です。私が公務員になったのが39年前です。いかに時間がかかるかわかります。速度より、着実な作業を期待しましょう。無理して、二次災害を起こすことは困ります。

新著の反応5

友人から連絡がありました。「朝日新聞の朝刊1面下に、本の宣伝が出てたで」と。今朝は福島県内のホテルに泊まっていて、見ていませんでした。ありがとう。

新著の反応の続きです。
・仕事は8割で良いのですか。常に完璧を目指すべきだと考えていました。
→8割で良いのです。あなたが目指している100点と、上司が考えている目標とがずれていることもあります。まずは8割を目指して、上司に報告しましょう。そこから、あと何を付け加えるかは、上司と相談しましょう。
・私の役所では、「なるべく議会質問が出ないようにする」ことが、上司の力量だとされています。
→困ったものですね。まずは、拙著を職場で回覧しましょう。一気には、あなたの役所の気風は変わらないでしょうから。時間をかけて、変えていきましょう。そして、あなたがその職に就いたら、変えてください。
私は、各課の仕事ぶりを評価する一つの方法として、「議会答弁の数」と「広報の数」で測ってみることがあると考えています。
すなわち、その課が1年間にどれだけ議会答弁をしたか、市長や部長の議会答弁案を書いたかです。内容も重要なのですが、とりあえず数で各課を比較するのです。広報は、どれだけ記者クラブに投げ込んだか、広報誌やマスコミに取り上げられたかの数です。
・全勝さんは、生まれながらの「仕事の段取りのプロ」と思っていましたが、いろんな経験を積んだのですね。
→そうですね。明るさは持って生まれたものですが。仕事の術、特に段取りの術は、経験を積むことで、身につけました。もっとも、学生時代から将来は何らかの指導者、特に官僚になろうと考え、勉強しました。そのための本はたくさん読みました。そして、仕事を仕切る機会に恵まれ、経験を積むことができました。
・読みやすかったです。文章が短くて、話を聞いているようでした。いつもの関西弁なら、もっと親しみが持てたのに。
→ははは、そうですね。別の人からは、「イラストではなく、全勝さんの写真を載せれば、もっと説得力があるのに」という指摘も受けました。

新著増し刷り

新著『明るい公務員講座』の「売れ行きが好調なので、増し刷りをした」と、出版社から報告がありました。うれしいですね。
本文は初版と変わっていないのですが、帯が替わっています。「amazonランキング 公務員・官僚部門第1位 2017/2/21調べ」と入っています。引き続き、この分野では第1位のようです。

「たくさん買って、役場内に配りました」というお便りもあります。ありがとうございます。
新年度が始まります。また新しい職員が入ってきます。彼らが、この本を読んで、少しでも悩まないようになると、うれしいのですが。

3.11、各紙の報道

3月11日、各紙が特集を組んでくれました。
読売新聞社説は「大震災6年 きめ細かな復興支援が大切だ」でした。
・・・暮らしの基盤再生は、ようやくヤマ場を越したと言えよう。
復興・創生への道筋を具体的に示し、被災地のこれからの歩みを後押しする。復興庁を始めとする政府の責務である。JR仙台駅から南に約4キロの街中に、2万4000平方メートルの更地が広がる。仙台市内最大の仮設団地だったが、昨年10月に解体作業が始まり、今年2月には地権者に土地が返還された・・・
・・・移転先の復興住宅などでは、コミュニティーの構築が、必ずしも順調には進んでいない。
仮設住宅では、行政とNPOなどの民間団体が手を組み、住民同士の交流を促す活動を展開してきた。高齢者らの買い物をサポートする団体もあった。仮設から移り、こうした取り組みが減った、と岩手県内の被災者の一人は語る。
NPOなどとの連携は、復興庁が重点的に手がけてきた手法だ。引き続き積極的に活用して、住民の孤立を防いでもらいたい・・・

紹介されている仙台市の長町駅前仮設住宅団地は、新幹線の窓からもよく見えました。すっかり更地になっています。
読売新聞は、特別面「復興事業一歩ずつ」で、かさ上げ工事がいかに膨大な作業であるかを、絵入りで解説していました。なぜ、6年経っても新しい町ができないか、仮設住宅が解消されないかが、よくわかる記事でした。ありがとうございます。

被災企業再建補助金の成果

3月10日の日経新聞が、「被災企業 一括支援が効果」を書いていました。東日本大震災で新設した、「中小企業グループ化補助金制度」です。
・・・東日本大震災で、国が被災企業に資金を支援する補助金が復興を後押ししている。日本経済新聞社の調査では受給した9000以上の事業者で破綻したのは一部にとどまったことがわかった。被災企業がグループを組んで再建する場合に補助する震災後に新設された制度で、地域経済の再建を下支えしている・・・

延べ9,419事業者に、4,650億円の補助をしました。そのうち破産・廃業は61事業者、0.6%です。他方、3県には10万社弱の事業者があり、この間の倒産は1,099県で、1.1%が倒産しています。「グループ化補助金は被災企業の破綻を大幅に抑えた」と記事は評価してます。原文をお読みください。

しっかりした分析の良い記事を書いてくださって、ありがとうございます。
とかく役所は「これをします」とは発表するのですが、「その結果、これだけの効果がありました」と分析するのを怠るのです。