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慶應義塾大学2010年秋

2010年9月27日   岡本全勝

再び、慶應義塾大学法学部に、教えに行くことになりました。2010年秋学期、水曜日第4限、地方自治論Ⅱです。地方自治論Ⅰにおいて自治の仕組みを講義されていて、Ⅱは地方税財政論です。

(構成)
地方税財政を、3つの角度から解説します。
第1部は、地方自治体の仕事とそれを支える財政がどうなっているか、具体的な例を説明します。現場の地方行財政です。日本では国民への行政サービスの多くが、地方自治体によって担われています。そして、世界最高水準のサービスを、全国で一律に提供しています。
第2部は、地方行財政の仕組みを説明します。日本の地方自治体の税財政制度は、法律によって枠組みが決まっていること、そして国による誘導と地方団体間の調整が行われていることに、特徴があります。これが、全国で均一な行政サービスを達成できた理由です。
第3部は、地方行政と地方自治体が抱えている課題と、それに対しどのような改革が取り組まれているかを解説します。

(授業計画)
第1部 市役所の仕事と財政
第1章 自治体の財政
1 市の仕事と財政
2 多様な自治体
第2章 国家財政と地方財政
1 会計と予算
2 国と地方の仕事の分担
3 日本経済の中の財政

第2部 地方財政制度
第3章 地方税、その他の収入
1 地方自治体の収入
2 地方税
3 地方自治体の自主性
第4章 地方債
1 地方債の機能
2 発行制限の手続
3 どこから借りるか
第5章 国と地方の財政関係
1 国の予算と地方財政計画
2 地方財政対策
3 税の配分と仕事の配分
第6章 財政調整制度
1 地方自治体間の税源偏在と調整
2 地方交付税の算定
3 地方交付税の機能
第7章 公営企業など
1 公営企業
2 第3セクターなど
3 地方自治体のサービス提供手法
第8章 開示と分析
1 財務の開示と分析
2 地方財政健全化法

第3部 課題
第9章 財政の分権、自立、自律
1 国からの分権
2 住民による自治
第10章 財政再建
1 国家財政と地方財政の赤字
2 国際比較
3 経済と社会への影響
第11章 市民の期待に応える
1 市役所の2つの課題・地域経営と組織経営
2 地方行革
3 市民の期待に応える

(授業予定)
9月29日 講義のあらまし、第1章自治体の財政
10月6日 第1章続き、第2章国家財政と地方財政
10月13日 (休講)
10月20日 第2章続き、第3章地方税、その他の収入
10月27日 第3章続き、第4章地方債
11月10日 (休講)
11月17日 第5章国と地方の財政関係
11月24日 (大学休み)
12月1日 第6章財政調整制度
12月8日 第6章続き、第7章公営企業など
12月15日 第7章続き、第8章開示と分析
12月22日 第9章財政の分権、自立、自律、第10章財政再建
1月12日 第10章続き
1月19日 第11章市民の期待に応える
1月26日 試験

(配付資料)
レジュメや資料は、講義の進行に合わせて配付します。教室の後ろに置くので、各自取ってください。欠席者のために、次回も並べます。2回続けて欠席する学生は、知人に頼んで、もらってください。
レジュメ:p1~4(9月29日)、p5~6(10月6日)、p7~11(10月20日)、p12~14(10月27日)、p15~18(11月17日)、p19~23(12月1日)、p24~27(12月8日)、p28~30(12月15日)、p31(12月22日)、p32~34(1月12日)
資料:「講師略歴」、資料1-1(9月29日)、資料1-2~資料1-7(10月6日)、資料3-1~3-4(10月20日)、資料3-5、3-6(10月27日)、資料5-1、5-2(11月17日)、資料6-1~6-7(12月1日)、資料7-1~7-4(12月8日)、資料8-1~8-3、資料9-1、9-2(12月15日)、資料10-1~10-9(12月22日)、資料10-10(1月12日)、資料11-1(1月19日)
パンフレット:「相模原市予算事始」(9月29日)

2010.09.25

2010年9月25日   岡本全勝

今日は、日本大学大学院での講義、2回目。なぜ今、公共経営が議論されるのかを、お話ししました。簡単に言うと、日本の経済と社会がうまくいっていないと国民が考えているからであり、地域の経済と社会がうまくいっていないと住民が考えているからです。
日本の経済と社会が好調だった時は、ジャパン・アズ・ナンバーワンとして、経済では優れた日本式経営が、そして行政では優秀な行政機構が、褒めてもらいました。しかし、経済と社会が不調になると、今度はその責任者として政治と行政が、被告席に立たされているのです。そして、経済の分野では、日本の経営が、批判の的になっています。例えば、ガラパゴス論です(2010年2月28日の記事)
公共経営論を論じる時に、アウトプット・アウトカムである社会の満足と不満を抜きにして、行政組織論をするだけでは不十分であると、私は考えています。
地域そして日本の社会と経済の成功と停滞は、長年の私のテーマであり、しゃべるのは困りません。ついつい詳しくしゃべって、時間が足らなくなりました。これは想定の範囲内です(笑い)。

2010.09.25 慶應大学講師

2010年9月25日   岡本全勝

9月29日から、慶応大学法学部に、教えに行くことになりました。片山善博教授が総務大臣になられ、予定されていた地方自治論(後期)が担当できなくなりました。私に、ピンチヒッターが、回ってきました。
実は、2年前の9月に、担当していた私が総理秘書官に就任し、急に行けなくなりました。その際は、大学や学生に大変な迷惑をかけました。今回は、立場が逆になったと言うことです。めぐる因果は糸車・・。罪滅ぼしも込めて、行くことにしました。内容は地方税財政論なので、私のホームグラウンドです。とは言っても、それなりの準備が必要です。大至急で取りかかっています。

講義のビデオ収録

2010年9月22日   岡本全勝

今日、消防大学校で、地方行政を2時間で講義しました。消防大学校長の時に、私が担当していた科目です。この科目は、e-ラーニング(インターネットを使った自宅学習)に移行することが決まっていたので、今日はその録画撮りでした。
いや~、勝手が違い、疲れました。
e-ラーニングでは、ビデオを見る前後に、小テストをします。学習効果を見るためです。ということで、まずは、小テストを15問ほどつくりつつ、講義内容をつくりました。いつもは、「地方行政の現状と課題」をお話ししているのですが、効果測定のためには、「日本の地方自治制度」や「地方行政の仕組み」なども講義しなければなりません。この内容は、さほど面白い内容にはなりません。
さらに、ビデオになるということで、講義全体を通して、エピソードや脱線を入れることができません。また、脱線すると時間が足らなくなります。笑いを取ることが難しいのです。学生に質問して答えさせるとか、手を挙げさせるという、参加型の授業も時間がかかるのでだめ。いつもなら、レジュメでは空欄にしておいて、学生に書き取らすという手法も、取りにくいです。それら重要なことは、パワーポイントにして画面に載せるのです。今日の授業では、資料として配ったのですが。
ふだんよりゆっくりとしゃべり、主語と述語を明確にして話すように心がけたら、とても疲れました。学生たちも緊張して聞いているので、みんなで疲れました(反省)。
言い訳をするなら、サンデル教授の政治哲学の授業「白熱ハーバード教室」は、学生に考えさせる授業です。今日私が行った授業は、ビデオを見て学生が知識を得る、おさらいをする授業です。自ずと違いがあります。もちろん、知識を授ける授業でも、面白くする工夫はあるのでしょうが。
それでも、今日は学生を相手に授業をして、それを録画したので、まだやりやすかったです。学生の反応がわかりますから。これが、学生なしで、ビデオカメラに向かってしゃべるのだと、もっと難しいでしょうね。
放課後、天川晃放送大学教授とお会いする機会があったので、カメラに向かってしゃべるのは難しくありませんかと、尋ねました。先生は慣れておられます。

後輩教授たちの活躍

2010年9月21日   岡本全勝

先日、「自治大での私の授業を見て、教授たちが評価する」という話(9月12日の記事)を、書きました。それでは、彼らがどのような授業をしているか見てみようと、モニターカメラで見てみました。
大したものです。まずは、授業の入り方です。私は、講義や講演は、最初の30秒あるいは3分で、その日の授業の善し悪しが決まると考えています。いわゆる「つかみ」です。講師の最初の発言に、観客がどう反応するかです。落語家も同じだそうですが。彼らは、大したものです。いろんな工夫をしています。内容は企業秘密なので、ここでは紹介できません(笑い)。また、誰もが、まねをすることはできない内容です。
教授室で会った時には、若い課長補佐の顔でしたが、モニターを通してみた彼らの顔は、大げさに言えば、輝いていました。「どこに、こんな自信があったのだろう」と、思うくらいです(失礼)。
授業の内容も、しっかりしています。そして、授業中に小テストを出します。その際には、事前に机を班別に並べさせて、班ごとに議論して答を出させます。人数が多い授業では、個別に回答させるのは時間がかかり、全員参加になりにくいのです。この点もよく考えています。モニターで見ていると、班別討議のたびに教室がうるさくなり、回答の際には歓声が上がります。
私は彼らに、「話すだけの授業はやめよ。学生が参加する方式にせよ」と言っています。サンデル教授の「白熱ハーバード教室」です。と言いつつ、私の授業では、それができていないのですが。
私は22年前に、自治大学校で教授を勤めました。その時の私と比べて、若き教授陣の勉強ぶりと工夫には、正直言って負けました。うれしい負けですね(ここは強がり)。頑張れ、猪鼻教授、草壁教授。