今日、経済危機対応予備費活用(第2弾)が、閣議決定されました。その中に、復興予備費の使用も含まれています。合計約2,000億円です。
内容は、仮設住宅への風呂の追い炊き機能追加(まだできていなかった分)や物置の設置工事費などです。
復興予備費は4,000億円用意してありましたが、残額は600億円になりました。
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住民意向調査
原発事故で避難をお願いした市町村の住民を対象に、意向調査をしています。今回、田村市と楢葉町(11月29日発送)、飯舘村(11月30日発送)、富岡町(12月3日発送)で実施します。
田村市と楢葉町は早期に帰還できる見込みなので、その際の条件や要望を聞きます。飯舘村は帰還までの拠点構想があるので、その公営住宅などの要望を聞きます。富岡町は帰還までに時間がかかるので、避難期間中の生活拠点に焦点を当てた調査をします。
市町村ごとに状況が違うので、それぞれにあった対策が必要です。
復興状況パンフレット
復興の進捗状況について、これまで「復興の現状と取組」を公表してきました。今回、より簡単でビジュアルなパンフレット「東日本大震災からの復興状況」を作りました。増し刷りしますので、必要な方は注文してください。
復興庁は少人数の組織ですが、職員が次々とアイデアを出して、新しいことをやってくれます。ホームページの「新着情報」と「トピックス」も、日々新しいニュースで満載です。
新しい組織なので、いろんなことに挑戦できます。これまでにない仕事と組織は、「行政のフロンティア」です。人数が少ないことは、一人あたりの仕事量が多いということですが、それだけやりがいがあります。また、大部屋でフラットな組織なので、若い職員の意向がすぐ幹部に伝わります。新しいことに挑戦してくれる職員が多いことは、ありがたいことです。
復興推進会議、特会予算の絞り込み
今日、復興推進会議(閣僚等会議)で、「今後の復興関連予算に関する基本的な考え方」を決定しました。これは、「復興財源が被災地に関係の薄い事業に使われている」との批判を受けて、決めたものです。
「東日本大震災からの復興の基本方針」では、(イ)被災地域の復旧復興事業、(ロ)被災地域と密接に関連する地域の事業、(ハ)全国での事業の3つが掲げられていましたが、今後は原則イだけを「復興特会」に計上することにしました(少し例外あり)。今年度予算であっても、停止できるものは、執行を停止します。
今回批判を受けた「被災地域外での事業」(ロやハの事業)であっても、国としては必要と判断したものです。ただし、それに、国民に増税をお願いした復興財源を使うのがよいかどうかという判断です。
ある記者曰く「事業の善し悪しの仕分けではなく、復興特会か一般会計かの会計の仕分けですね」と。また、「よく現年度予算を止めることができましたね。前例はあるのですか」という質問もありました。
決定の中で、「復興基本方針」については、「上記の考え方を反映させるなど、これまでの被災地の状況の変化などを踏まえた必要な見直しを、平成25年度の予算編成と併せて行うものとする」と決められました。
現在の「復興の基本方針」は、平成23年7月に決めたもので、まだ発災後4か月の時点でした。がれきの片付け、インフラ復旧、産業の復旧、仮設住宅建設が大きな課題だった時期です(時間が経つのは早いですね)。そこで、今回の改定は、次のような考えに立って行うことになると考えています。
1)1年半が経って、多くの分野でそれなりの復旧が進んだことを踏まえる。
2)代わりに、課題が明らかになり、絞られてきました。津波地域の復旧と住宅建設、原発汚染地域の復旧、長期避難者対策です。これは、復興推進委員会の中間報告でも指摘されています。
3)そして、今回の「予算の絞り込み」です。
また、「復興関係予算の事故繰り越し手続きの簡素化」が、公表されました。23年度補正予算は、年度の終わり近くになって成立しました。事業を実行する日数が短かったです。そこで多くの事業で、「明許繰り越し」という制度を使って、24年度に事業をしても良いとしました。しかし、なお完成せず、25年度に延びる事業があります。「事故繰り越し」という制度があるのですが、手続きが面倒です。
それを、財務省が、きわめて簡単にできるようにしてくれました。もちろん、公金なので、それなりの理由と説明は必要です。これで、関係自治体は安心して事業ができると思います。詳しい手続きは、追ってお知らせします。
砂原先生の新著、大阪・大都市論
砂原庸介大阪市大准教授が、『大阪―大都市は国家を超えるか』(2012年、中公新書)を出版されました。ご本人による紹介は、こちら。
「大阪」という表題がついていますが、大阪の文化や歴史を紹介したものではありません。大阪(市と府)を対象とした、都市政治論、日本の地方政治行政論です。いくつかの対立軸を立てて、歴史的にそして構造的に大都市論を展開します。
市の中では、都市全体の利益を追求する立場(市長と都市官僚の論理)対個別の利益を追求する立場(議員と納税者の論理)。地方(広域圏)においては、都市の利益を追求する立場対周辺部を含めた全体への均てんを求める立場。それは、国家の立場からは、都市の独自利益追求をどこまで認めるか(分権対集権)という対立になります。これが、副題の「大都市は国家を超えるか」になります。
大阪という、東京に対抗しなければならない宿命を背負った大都市が、どのように発展し、挫折してきたか。丁寧に開発論の歴史を解説し、他方で日本の地方制度論の中に、位置づけています。この流れの中で、橋下市長の「大阪都構想」が分析されています。
新書とは思えない、大きなテーマと重い内容を持った本です。引用文献や注を見ていただくと、学術論文であることが分かります。他方、切れ味よく、歴史と現在を分析することにも成功しています。さらに、市長と議会との対立をどのように乗り越えていくかなど、現実的な提言(学者や扇動家にありがちな抽象論でなく)も書かれています。
事実を丹念に追い、それを大きな流れの中に位置づける。大阪市だけでなく大阪府との関係を見る。そして、日本の地方制度論・分権論の中に位置づける。大変な労作であり、鋭い視角と大きな視野を持った論文です。今後の都市論、地方制度議論に、必須の文献になるでしょう。
この分野において、若きすばらしい研究家が生まれたことを、喜びましょう。
もちろん、大阪と関西の復権のためには、都市制度論だけでなく、その基盤となる経済の復活が必要です。そのためも、制度を運用する行政機構にとどまらない、経済界とともに10年後を見据えた政策を打てる首長と都市官僚が必要です。東京にあっては、この要素を考える必要がありません。大阪の宿命と大阪市・大阪府の課題はそれでしょう。
砂原先生は、大阪だけでなく名古屋などの大都市も含めて、「従来の「国土の均衡ある発展」という理想の実現が難しくなる中で、経済成長のエンジンとなる大都市をどのように扱うべきかを考える」とも述べています。
そこに、国家対大都市、集権対分権を超えて、日本政府(国家)もまた、大都市を生かした日本国家の生き残り戦略を、考えなければなりません。卑俗な言い方をすれば、「金の卵を産む大都市をどのように育てて、世界と勝負させるか。そしてその利益を、国内に均てんさせるか」でしょう。