今日、自民党と公明党の復興加速化本部で、「後期5か年の事業計画」を説明しました。ポイントは、次の3つです。
1 事業費見込みは、6.5兆円。前期5か年とあわせて、32兆円です。p1。
2 その必要財源。これは財務省が手当してくれました。p2。
3 復興特別会計で行う事業、そのうち地方負担を求めるものの振り分け。これは6月3日に公表したものを、要望を受け少し修正しました。p3。
4 見守り経費なども、継続することとしています。p4。
この案で、自民党、公明党とも、了承いただきました。特に、自民党の加速化本部では、出席議員から感謝の言葉をいただきました。もちろん、被災地で地方負担を求めるのですから、皆さん諸手を挙げての賛成ではありません。知事や議員さんからも、「もっと地方負担を減らして欲しい」との要望を受けています。
竹下復興大臣と考えた結論は、他の県の事業と公平を保つためにも、負担は求める。しかし、被災自治体が負担できる範囲内であること、また計画された事業は遅れを出さずに完成させることでした。
これまでの災害復旧や、同じ事業の他県での負担と比べると、今回の案は、かなり被災地に配慮したものだと考えています。主な事業は全額国費で行い、地方負担を求める場合も通常自治体が負担する額の20分の1にとどめました。6.5兆円の事業費に対して、自治体負担は220億円と推計しています。
それだけ、被害が大きかったのです。他方で、この財源は、国民の負担、所得税にあっては25年間にわたっての増税をお願いしています。納税者にも、説明できるものでなければなりません。
私たちの苦労は、筋を通すことと、被災地の実情に応えること。この2つを両立させることでした。すると、結論だけでなく決着に至までの過程、関係者の理解も重要でした。この後、政府の決定とする手続きと、関係自治体への説明が必要です。
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五百旗頭先生の復興評価
6月18日の毎日新聞、五百旗頭真・前復興推進委員長の連載は、「違い見えた復興過程」でした。
・・・福島県の避難指示区域は別として、津波被災地の情景は、3県で通じるものがある。大震災後の5年間を国は「集中復興期間」と称したが、復興がいっこうに本格化しない、遅すぎるのではないか、それが昨年のある時期までの実感であった。ところが、多くの地では昨年中に新しいまちづくりが動きはじめ、「集中復興期間」の最終年度となる今年、東北被災地のまちというまちが大土木工事で雄たけびをあげている・・・
・・・宮城県被災地を訪ねて、あい似た境遇なのに、リーダーシップや復興方針により異なる復興プロセスをたどるケースが少なくないことを知った・・・・・・強い個性的なリーダーが危機の瞬間にいかに貴重か。たとえば福島県相馬市の立谷秀清市長の発災時の応急対応から今日の復興に至るまでの水際立った手腕を見れば、そのことは明らかである。ただ、洞察力豊かなリーダーシップが強引なリーダーシップに転ずる時、逆効果を招く。岩沼市の隣の名取市は・・・
ぜひ、原文をお読みください。
山田町の低価格住宅
岩手県山田町が、価格を低く抑えたモデル住宅(の設計図)を造ります。6月12日の毎日新聞が伝えています。「山田型復興モデル住宅」です。小さい型では、2LDKで52平米です。770万円ですみます。戸建てを望む被災者に、モデル住宅のプランを作り、業者に安く作ってもらおうという趣旨です。
視察に行った際に、佐藤町長からこのアイデアを聞きました。私は「そんな小さな家でよいのですか」と聞くと、「戸建てを作ろうか公営住宅に入ろうかと悩んでいる、高齢の単身または夫婦の世帯なら、そんな大きな家は要らない。公営住宅並みでよいのです」との答え。なるほど。そもそも、大きな住宅を建てようとしている人は、公営住宅に入るかどうかは悩んでいませんわね。
現場では、悩みに応じて、様々な工夫が試みられています。
産業振興の新しい形、企業お見合いの成果
被災地では、インフラ復旧が進みつつあります。しかし、それだけでは町の賑わいは、復旧しません。地場産業、中小企業に、事業を再開してもらう必要があります。でも、これは、国が補助金を交付したらできるものではありません。漁船も、漁港も、魚市場も、水産加工施設も、補助金によって復旧したのに、水産加工物(干物、すり身など)の売り上げが回復していないのです。そこで、復興庁は、被災地企業が抱える課題(どうしたら売れるか)を解決するため、大手企業が持っている技術、情報、販路などを被災企業に提供する場を作っています。支援企業と支援を受けたい企業の「お見合いの場」、地域復興マッチング「結の場」です。このような試みは、初めてだと思います。もちろん、参加してくださる企業があるから、できることです。
また、「開催しました」だけに終わらないように、成果も評価しています。平成26年度に実施した「結いの場」の成果を公表しました。概要は資料1(p2)、主なものは資料2(p5)をご覧ください。何をもって、成果の指標とするか。これが難しいのです。「数字による評価」と識者はおっしゃいますが、そんな簡単なものではありません。少なくとも、当日の参加企業や参加者の数は当日の成果であっても、産業振興の物差しではないでしょう。この資料を見ると、職員が工夫をしてくれたことがわかります。
日本学術振興会、東日本大震災学術調査
日本学術振興会で村松岐夫先生が中心となって、社会科学者を動員して東日本大震災の分析をしてくださいました。「東日本大震災学術調査」。3年にわたる大事業です。このページでも紹介しているとおりです。その成果が、順次、本となって刊行されています。
このたび、それとは別に「事業報告書」が公表されました。内容は、本文を見ていただくとして、目次は次のようになっています。
第1 章 調査の経緯
第2 章 発災と初動
第3 章 震災への政府の対応
第4 章 復旧と復興
第5 章 未来への教訓
第6 章 各班の調査研究活動
「はじめに」p2にあるように、今回の大震災では、技術・工学からの分析だけでなく、社会科学からの分析も必要であり、重要だったのです。このような多角的な分析をしていただき、ありがとうございます。
この報告書では、研究調査のいきさつや概要だけでなく、第2章から第5章までで、簡潔に政府の対応が検証されています。この部分だけでも、お読みください(合計20ページ余り)。分厚い報告書も必要ですが、短い文章にまとめることは一般の読者にとって有用です。しかし、それは非常に難しいことです。全体を知り、重要なことを選び、しかもバランスよく記述する。村松先生でなければ、できないことでしょう。また、第5章未来への教訓も、重要です。
なお、p12には、次のような文章も載っています。
・・・被災者生活支援チーム、次いで復興対策本部の担当大臣は、内閣府特命防災担当大臣(当初は松本龍氏、2011 年7 月からは平野達男氏)であったが、事務局次長として実務を動かしたのは岡本全勝内閣審議官(当時)であった。この支援組織は、東日本大震災復興基本法(平成23 年6 月24 日法律第76 号)の規定により、2012 年2 月に復興庁として組織替えになったが、平野―岡本のコンビはそのまま続いた。この復興庁は、複数の省庁にまたがる問題の調整権をもつワンストップ機関になることを理念としていた・・・
過分な評価をいただき、ありがとうございます。