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NPOによる被災地支援

2016年5月18日   岡本全勝

日本財団が、益城町内の避難者の実態調査を実施し、その結果と提言をまとめました。避難生活での被害拡大防止と、次のステージへの移行を進めるためです。「益城町内の避難所および避難世帯の状況調査
行政は避難者の生活支援と仮設住宅建設などで手が一杯です。東日本大震災の時も、NPOやボランティアが避難所運営の手伝いをしてくれるとともに、このようにNPOが避難所の実態把握と問題点の摘出と、次への移行支援をしてくれました。ありがたいことです。このような調査と提言は、個人ボランティアでは無理で、経験ある組織でないとできません。多くの市町村役場も、経験がありません。もちろん、受け入れ側の理解も必要です。
このようなNPOとの協働が、着実に定着しつつあります。本来は、行政が行わなければならないことかもしれません。しかし、拙著「復興が日本を変える」に書いたように、ようやく行政が、インフラ復旧だけでなく被災者の生活再建支援までに手を広げました。それを大きな変化として評価いただき、このように次の課題を解決していきましょう。

民間との協働

2016年5月16日   岡本全勝

復興庁では、「新しい東北」情報発信事業の公募を開始しました。
担当職員によると、この事業の主眼は、「風化対策や風評払拭も念頭に、民間ならではの創意工夫とコラボすることで、行政や役所的でない、情報の発信を行いたい、そのために、民間の自由な提案を募集する」というものです。
このホームページでも書いていますが、復興庁では、行政だけではできない復興を、民間の力と協働して成し遂げようとしています。それは、企業、NPO、地域コミュニティです。資料を見ていただくとわかるように、テーマは、緑、食、技、旅、町に絞っています。昨年の実績もご覧ください。
「行政がここまでするの?」という質問も、聞きます。しかし、行政と民間とを截然と区別するのは、場面によって不合理です。もちろん、変に癒着してはいけません。また、行政の補助金を目当てに企業が寄ってくるのも、良くないです。
民間だけではできない、行政だけではできない分野で、それぞれの長所を生かして、対等に協力する。私は、これが、これからの日本の課題を解決する一つの手法だと考えています。そして、復興においても実践してきました。最近は、私が言わなくても、このように職員が知恵を出してくれます。詳しくは、拙著「復興が日本を変える」を、お読みください。

仮設住宅の延長

2016年5月15日   岡本全勝

岩手県と宮城県では、高台移転工事や公営住宅建設が進み、仮設住宅の終了が始まっています。
岩手県では、今年度末(平成29年3月)まで、延長していた市町村が9ありました。今回、さらにもう1年(7年目へ)延長する市町村が決まりました。3つの市と村が今年度内に終了し、合計6市町がさらに1年延長します。宮城県では、12市町が今年度末まで延長していましたが、3市町が終了し、もう1年延長するのは9市町です。

社会科学による大震災の分析8、完結

2016年5月12日   岡本全勝

日本学術振興会(村松岐夫先生ほか)による東日本大震災学術調査プロジェクト「大震災に学ぶ社会科学」の第8回配本、第1巻『政治過程と政策』が発刊されました。編者の辻中豊教授は、「危機をめぐる公的決定と非決定の政治」として「何が公的決定され、何が公的決定されなかったか」を掲げておられます。
第1部では、「震災下の国家基本三権能」について、次のような論考が並んでいます。
第1章 執政:福島第一原発事故と官邸の対応
第2章 行政:東日本大震災に対する中央府省の対応
第3章 立法:ねじれ国会下の立法過程
第4章 司法と行政の相克:弁護団調査からみる福島第一原発事故損害の賠償過程
第2部以下では、第2部 原子力の政治、第3部 社会アクターの政治、第4部 震災と選挙、が取り上げられています。かなり広い視点からの研究です。
この第1巻配本で、このプロジェクトは完結しました。社会科学の学界を挙げての研究は、後世に残る企画となるでしょう。それぞれの論考については、見る人によっていろいろな評価があると思いますが、これだけの幅広い研究は、なかなかできるものではありません。村松先生ほか関係者の皆さんに、感謝します。
個人で全冊そろえるのは高価でしょうが、自治体や議会の図書室、公立図書館に備えることをお薦めします。

第1原発視察

2016年5月11日   岡本全勝

5月10日11日と、第1原発と原発被災地を視察してきました。第1原発は1年ぶりの視察ですが、現場は事故後の混乱した状態から、かなり平常化しました。炉は安定的に冷却されていて、汚染水も管理されています。最近、ニュースでも取り上げられなくなりました。現状については、東電のホームページ。事故からこれまでを要約したビデオがわかりやすいです(約8分)。
まず、ほとんどの区域が、普段着のままで立ち入ることが可能になりました。爆発を起こした1~4号機の周辺も、がれきも片付き、工事現場のようになっています。ただし、2、3号機の近くは放射線量が高いです。このあたりは、タイベックススーツとマスクをします。しかし、かつてのように面体(顔を覆うマスク)は、しなくて良いので、楽です。そもそもタイベックススーツは、不織布で全身を覆いますが、放射線を防ぐ機能はありません。放射線で汚染されたゴミがついた際に、それに触れないためのものです。敷地内は、雨水を地下に浸透させない(原子炉に近づけない)ために、全面的に舗装されています。建屋の中に入って作業をしない限り、高濃度のゴミに触れることはないのです。
大きな事務棟もでき、作業員も食堂で温かい食事を取ることができます。休憩もでき、コンビニでアイスクリームや甘いものを買うこともできます。去年これができるまでは、狭い空間でコンビニ弁当を食べていたのです。現在でも6千人の作業員が働いています。
今後、1~3号機の融け落ちた燃料を、取り出す作業に入ります。現在でも安定的なのですが、より安全にするためです。その作業を実感するために、事故を起こさなかった5号機の中を見せてもらいました。格納容器の中、サプレッションチェンバー、燃料制御棒の下なども。その巨大さに驚くとともに、パイプ(計測の電線などを通すもの)のジャングルのようでした。5号機6号機は平常なので、通常の作業ができますが、1~3号機は燃料が溶け落ちて、放射線量が高く、人が入ると死ぬそうです。そのために、遠隔操作のロボットで作業を進めます。
同じ型の原子炉の実物大模型(ただし、8分の1だけ。ケーキを8分の1にカットしたものと考えてください)を、楢葉町に作りました。それも、見てきました。日本と世界の知恵と技術を集めて、挑戦します。日本原子力研究開発機構、楢葉遠隔技術開発センター。このページの左下にある動画が、わかりやすいです。それぞれ5分ほどです。