カテゴリーアーカイブ:歴史遺産

一橋大学での講義

2006年4月13日   岡本全勝
今日から、一橋大学での講義2006年度が始まりました。講義の進め方を説明したあと、第1章として三位一体改革の解説から始めました。30人近くの参加者がいて、びっくりしました。まあ、来週には減っていると思いますが。配付資料が足らなくって、増し刷りしてもらいました。この資料が、私の売りの一つなんです。あれだけの資料を作るのには、大変な労力がかかっているんですよ。
今日は、午後にある研修会で1時間15分しゃべった後だったので、講義が終わった19:30には、さすがにへとへとでした。ダブルヘッダーはきついです。

講義の準備

2006年4月9日   岡本全勝
13日から、一橋大学での講義2006年度が始まります。昨年は集中講義でしたが、4日間連続して毎日4コマしゃべるのは大変でした。今年は、週1回4か月にしてもらいました。
準備は大変なんですよ。レジュメ、資料、時間配分計画等々。現在の職場は国会開会中で忙しく、土曜日曜しか時間がとれなくて。「知っていること」と「それをしゃべること」の間には、大きな違いがあります。そして、「しゃべること」と「相手に興味を持ってもらい理解してもらうこと」との間には、さらに違いがあります。授業の場合は、生徒さんの知識や関心の程度を把握する必要があります。2~3回ぐらいはかかるんですよね、コミュニケーションがとれるまでには。

三位一体改革68

2006年3月25日   岡本全勝
2月1日の経済財政諮問会議で、歳出・歳入一体改革の考え方の議論「財政健全化目標の明確化:③ 国および地方の権限と責任を明確にした国、地方それぞれの目標(国と地方の財政健全化のバランスに留意)」に関して、竹中総務大臣が次のような発言をしておられます(議事要旨p8)。
「2ページ目の③で、国・地方それぞれの目標を掲げろという指摘は正しいと思う。地方にとっては大変だと思うが、地方財政はどのような目標を立てるか私も真剣に議論したい。もちろんその際に重要なのはフローの目標、つまりGDP比の赤字だけではなく、ストックの目標もその中に入れるということだと思う。なぜならば、国の債務残高は、今はOECD平均の2.2 倍あるから大変だが、実は、地方の債務残高はOECD平均の5.9 倍もある。このように、フローで見ると地方財政の方が少しいいように見えるが、ストックで見ると地方の方が悪いという姿がある。だから、フローとストックの観点から、国と地方を見る必要があるということだと思う。
地方交付税については、ご承知のように、本間議員にも入っていただいて大変抜本的な議論をしているので、その議論をぜひ反映できるようにしたい。ただ、社会保障や公共投資と同じ序列で地方交付税が出てくるというのは、正確ではないと思う。社会保障は最終支出だが、地方交付税は中間支出だ。例えば、あえて極端な議論をするが、地方交付税をゼロにして、それと同額の地方債を発行するということもできる。また地方交付税をゼロにして、それと同額の税源移譲を国から地方にするということもできる。この両方とも地方交付税は減るが、国・地方全体のプライマリー・バランスは何の影響も受けない。そういう改革であってはいけないわけだから、最終支出を減らすということと中間支出の扱いはきちんと分けて議論をしなければいけないと思っている。
それと、地方交付税制度の改革をやるが、その改革だけで国と地方の権限と責任の明確化をすることはできない。やはり国と地方の税源配分をどうするかという、まさに根本的な議論をしなければならないと思う。先ほどの与謝野議員ペーパーには税源配分の問題も明記されていたので、この観点についても当然議論がなされると思っている。」(2月12日)
2日の読売新聞解説面では、高倉正樹記者が都道府県の新年度予算案を解説していました。各県とも税収が増えても、三位一体改革によって実質的に歳入減になること、団塊の世代の大量退職による退職手当の増加によって、歳出削減が進んでいることを指摘しています。(3月2日)
6日の朝日新聞社説は、「分権改革、地方交付税に注目だ 」でした。
「霞が関の官庁街に『分権疲れ』が広がっている。いわゆる三位一体改革が一段落したためだ。1993年に衆参両院が地方分権を進める国会決議をして以来、税源や権限を自治体に渡せと言われ続けた。『そろそろ分権はお休みにしたい』ということらしい。しかし、昨年末に政府与党は『地方分権に向けた改革に終わりはない』と宣言している。立ち止まっている場合ではない・・・」(3月6日)
7日に、地方6団体の第4回「新地方分権構想検討委員会」が開かれました。(3月7日)
7日の経済財政諮問会議で、歳出削減の中心として社会保障と地方財政が議論されました(8日付け朝日新聞・日経新聞による)。経済財政諮問会議が「骨太の方針」を出し始めた2001年も、歳出削減の柱として公共事業・社会保障・地方財政がやり玉に挙げられました。その時の議論は、「地方財政改革論議」に整理してあります。
地方財政は国の歳出削減の対象されますが、補助金や地方交付税は地方にとっての収入です。何度も説明したように、国が地方に対して義務教育や介護保険を義務づけておいて補助金や交付税を削減しても、別途地方は借金をしなければなりません。交付税は独立変数でなく、多くが国の義務づけによる従属変数なのです。
また、竹中大臣は、近年のプライマリーバランス改善は地方の努力によるところが大きいと説明しています(諮問会議資料)。かつて、バブル期の税収増を、地方財政は過去の特例的借金の返済に充てました。一方、国家財政はそのようなことはせず、使ってしまいました(「新地方自治入門」p122)。地方の借金残高が国よりも少ないのは、このような努力にもよるのです。こんなことも、思い出しました。(3月8日)
昨日書いた7日の経済財政諮問会議について、何人かの人からメールが来ました。「与謝野大臣が記者会見で『仕送り先でうな重だ・・・・』と言っておられますが、当町では吉野家の牛丼すら食べることができません」とか「諮問会議の委員に、地方の実情をもっと説明してください」とか。
そうなんですが、東京の人は、地方の町村がどんな苦労をしているか知らないのです。新聞や週刊誌は、一部の自治体の無駄遣いや変な手当を報道します。それがすべての自治体だと思っています。でも一部の自治体とはいえ、事実なので反論のしようがないのです。まず、そんな無駄は早くやめてください。他のまじめな自治体にとって、えらい迷惑です。
また、まじめにやっている市町村は、記者さんたちに「我が町はこんな苦労や工夫をしています」ということを発信してください。ぼやいているだけでは、良くならないのです。(3月9日)
10日に参議院本会議で地方財政計画・交付税法・地方税法が質疑されるなど、国会審議が続いています。主要な論点は、次のようなものです。
今回の三位一体改革は、不十分ではないか。
義務教育の負担率を引き下げたのはなぜか。生活保護の負担率引き下げがなかったのは良いとして、児童扶養手当などが引き下げられたのはなぜか。
補助率引き下げは、地方の自由度を高めない。三位一体改革の目的に反する。そもそも、方針に含まれていなかったのではないか。
施設費補助金の税源移譲率5割は少ない。
公共事業の補助金廃止税源移譲はどうするのか。
4兆円の補助金廃止に対し、税源移譲は3兆円であり、地方はそれだけ苦しくなっている。
所得税から3兆円税源移譲したことで、交付税率をそのままにしては3兆円×32%=1兆円が地方の減収になっている。交付税率を引き上げるべきではなかったか。
今後三位一体改革その2は、どう進めるのか。
交付税総額が大きく減っている。今後の見通しはどうなるのか。
(3月11日)
13日の毎日新聞社説は、「地方交付税改革、分権と同時並行で進めよ」でした。「国と自治体という財源調整では、補助金のみならず交付税にも見られるような、国が権限を確保するという関係が残りかねない。地方の自主性を尊重した改革にするというのであれば、三位一体改革の一環であった税源移譲を大幅に進めることだ・・」(3月13日)
読売新聞「時代の証言者」では、石原信雄さんの「国と地方」が続いています。17日は、1960年代の交付税の変化(総額の増加と配分方法の変更=事業費補正の導入)が述べられていました。(3月18日)
20日の読売新聞「時代の証言者」石原信雄さん「国と地方」は、高度成長期の中央集権化がテーマでした。特殊法人の設立や管理権を国に引き上げることで、地方が持っていた仕事が国に吸い上げられたのです。私たちは「明治以来の中央集権」と言いますが、実は戦後に強化された部分も多いのです。義務教育の国庫負担制度もその一つでしょう。(3月20日)
読売新聞「時代の証言者」石原信雄さん「国と地方」は、23日はオイルショック後の借金財政でした。交付税特別会計で借金をするという知恵を、大蔵省と一緒に編み出されました。もっとも、この方法については、後に「隠れ借金」という批判が出ました。その点について、次のように言っておられます。
「まるで子供の生活費を親が内緒で借金するようなもので、本来は絶対やってはいけないんです。私は『あくまで緊急措置なんだ』と自分に言い聞かせました」。
拙著「地方交付税-仕組と機能」p78~では、この借り入れと返済の歴史を含め、戦後の地方財政の歴史と交付税総額の変化を、10年ごとに区切って整理しておきました。
24日は、1985年の国庫補助率削減です。「奥野(誠亮)さんによれば、日本のような単一主権国家では、国民向けの重要な行政の中には、国が立案して責任を負う仕事があって、その経費の負担割合は国の責任に応じて決まり、これが国と地方の財政の『大黒柱』になるので、安易に変えてはならない、と言う訳です。もっとも、こうした大黒柱は未来永劫に続くのではなく、国と地方の役割を見直せば変わることもありうるでしょうが、少なくとも地方へ安易に財政赤字のつけ回しをする発想はいけないということです」
「今度の三位一体改革は、奥野さんの言う『大黒柱』を歴史的に変えるかどうかの重い意味がありました。しかし、生活保護費をめぐる一連の国庫負担率引き下げ議論のように、『地方が怠けているから負担を重くすればまじめにやるだろう』と言ったり、義務教育費の国庫負担金問題のように、国の負担率を3分の1に減らすだけで国と地方の責任のあり方を変えなかったりしたのは、私には理解できません。もっと徹底的な議論をすべきことだったのです」(3月25日)

法律ができるまで12

2006年3月16日   岡本全勝
(2006年)
国会が、20日から開かれることが決まりました。総務省は17年度の補正交付税法案、18年度の地方税改正法案・地方交付税法案など、今回も多くの法案を予定しています。総務課長は、早速、国会議員への「提出法案」説明に走っています。国会開会まであと9日、通常国会閉会まであと159日です。
今日は、その途中で、ある国会議員から「ホームページ見てるよ。わかりやすくていいね」と、お褒めの言葉をいただきました。うれしいですね。(1月11日)
(国会開会)
今日、第164国会が開会しました。6月18日までの150日間です。総務省は直ちに、「17年度交付税総額特例法」を提出しました。私は、午後、記者クラブで恒例の「提出法案説明」をしました。(1月20日)
今日、衆議院総務委員会で、「17年度地方交付税総額特例法」が審議されました。採決は、30日になります。第164国会が始まって1週間です。すでにいくつかのトラブルやこれまでにない事態が発生し、「総務課長の仕事」をしています。
(3つの「お」)
3年目に入っても、あまり進歩がありません。でも、少々のことには驚かなくなります。世の中には、こんな仕事もあるのですね。基本はたった3つです。「お願い」「お詫び」「お礼」。でも、これって大学では習ってこなかったことなんです。
(3回転)
何人もの人が、「岡本さん、何回目の国会ですか」と聞いてくださいます。「3回目です」と答えると、「まだ3回転か。安藤美姫ちゃんは3回転半だから、まだまだだね」とのこと。うーん、ジャンプだと3回転(実際は2回転とちょっと)では、採点対象外ですか。(1月27日)
と書いたら、早速職員から投書が来ました。「特別国会と臨時国会を入れると6回転目ですよ」。そういう数え方もあるね。(1月28日)
今日、予定では、衆議院予算委員会の採決後、総務委員会で補正交付税法を採決し、本会議で採決する予定でした。しかし、予算委員会での農水大臣の答弁を巡って、予算委員会が何度か休憩になりました。
新聞にも載っているように、アメリカ牛肉輸入再開に際しては、係官をアメリカに派遣すると、閣議決定に書かれていたにもかかわらず、それをしていなかったと、農水大臣が答えたからです。この閣議決定は、国会議員からの質問主意書に対する答弁書です。予算委員会は12時前までかかって採決しましたが、総務委員会は31日に採決が持ち越されました。(1月30日)
今日、衆議院総務委員会と本会議で補正交付税法が可決され、参議院に送られました。(1月31日)
補正交付税法案は、今日、参議院総務委員会で質疑の後、採決され、本会議で可決されました。国会での審議は、来週から衆議院予算委員会に舞台を移します。総務省は、18年度の地方財政計画・交付税法・地方税法などの与党審査を終え、7日に閣議決定して国会に提出する予定です。次は、総務委員会で大臣の所信と質疑、本会議で交付税法の質疑を急ぎます。(2月3日)
9日のお昼に、予算委員会の合間を縫って、衆議院総務委員会で大臣所信を読みました。総務省のHPに載せてあるので、関心のある方はお読みください。総務省の現在の課題が、簡潔に整理されてます(自画自賛ですかね)。質疑は来週になります。(2月10日)
明日14日に予定されていた総務委員会での所信に対する質疑は、延期になりました。議院運営委員会がもめた余波のようです。予算委員会では、引き続き審議が行われています。(2月13日)
今日16日は、衆議院総務委員会で、大臣所信に対する質疑が行われました。予算委員会が開かれているので、大臣が予算委員会に呼ばれない時間にです。続きは、21日に行われる予定です。明日17日には、衆議院本会議で、地方財政計画・地方税法改正案・地方交付税法改正案について、趣旨説明質疑が行われます。(2月16日)
今日、衆議院総務委員会で、大臣所信に対する質疑(その2)を行いました。予算委員会の合間を縫ってです。23日には、地方財政計画・地方税法・地方交付税法の提案理由を読み、24日から質疑することが決まりました。(2月21日)
今日は、衆議院総務委員会で、地方財政計画・地方税法・地方交付税法の質疑が行われました。金曜日は定例日ではなく予備日なのですが、期限が迫っていること、予算委員会は公聴会で大臣が出席しなくて良いので、質疑が行われました。質疑時間は、4.5時間です。大臣答弁は、通告だけで77問でした。三位一体改革、分権、地方交付税改革など多岐にわたる質問が出ました。
今日は金曜日なので閣議もあり、大臣答弁レクは早朝からでした。で、荒川選手の金メダルは、みんなで国会控え室で見ました。残りの質疑は、来週に行われます。(2月24日)
今日は、衆議院総務委員会で、地方財政計画・地方税法・地方交付税法の質疑その2が行われました。明日は、その3と予算委員会分科会、さらには本会議での質疑が予定されています。(2月27日)
28日に地方交付税法などの質疑が終局し、2日に委員会・本会議で採決される予定です。1日は、予算委員会分科会2日目が行われました。(3月1日)
今日、衆議院本会議で、予算とともに交付税法・地方税法が可決されました。また、総務委員会では、総務省所管の独立行政法人2つの改正法案の提案理由説明をしました。年度末までに可決する必要がある「日切れ法案」です。このほかにあと2件あります。明日は、参議院で決算委員会が開かれ、月曜日からは予算委員会です。(3月2日)
今日9日のお昼に、参議院予算委員会の合間を縫って、総務委員会で大臣所信を読みました。質疑は来週になります。明日10日は、参議院本会議で交付税法などが質疑されます。その後、これらも総務委員会にかかります。
一方、衆議院総務委員会では、放送通信に関して参考人質疑が行われます(大臣出席はないので同時に開催できます)。そして、来週は時間がとれれば、独立行政法人一部改正法、NHK予算などの審議を行います。新年度までに成立させるために、日程調整が大変です。与野党の理事さんが汗をかいてくださいます。(3月9日)
3月10日が、政府からの法案提出の締め切り日でした。通常国会では、与党と政府で法案提出の期限を決める慣例になっています。今年の場合は、予算関連法案は2月10日、その他の法案は3月10日でした。それに間に合うように、各省は法制局審査や与党審査を急ぎます。もちろん、補正予算関連法案のように、それより早く開会日に提出したものもあります。また、事情によりこの締め切りを越えて提出される法案もあります。
総務省では、予定していた法案をすべて提出し、また検討中だった法案も1本追加して提出しました。(3月11日)
今日は、参議院総務委員会で大臣所信に対する質疑と地方財政計画・地方税法・交付税法の趣旨説明がありました。質疑はあさってになります。あすは、参議院で予算委員会、その合間を縫って衆議院総務委員会で独立行政法人2法の質疑があります。(3月14日)
今日は、参議院総務委員会で、地方財政計画・地方税法・交付税法の質疑がありました。今回の三位一体改革、税制改革についてなので、盛りだくさんの質疑でした。採決は、予算と同時(27日予定)になります。今日も、途中で衆議院本会議質疑(街作り法)に大臣が呼ばれ、綱渡りの日程でした。明日は、衆議院総務委員会でNHK予算の審議、参議院では引き続き予算委員会が開かれます。閣議のある日なので、朝の日程が大変です。
昨日は、参議院予算委員会理事懇談会に呼ばれ、説明をする機会がありました。先週の委員会で、大臣答弁が十分でないとのことで、「後刻理事会で協議します」となった案件がありました。その説明に呼ばれたのです。「分かる職員が説明せよ」ということで、私が行きました。
後で聞くと、普通、理事が着かれる丸テーブルに、課長が座ることはないとのことです。私の説明で、ご納得いただき、一件落着となりました。いろんな経験をさせてもらいます。はい。(3月16日)

道州制についての知事アンケート

2006年3月5日   岡本全勝

5日の朝日新聞は、道州制についての知事アンケート結果を載せていました。27人が賛成、2人が反対です。「実現の最大の障害は、権限や財源移譲に抵抗する中央省庁だと思うか」については、25人がそう思うと答えておられます。