カテゴリーアーカイブ:歴史遺産

2008.05.01

2008年5月1日   岡本全勝

5月1日の日経新聞に、中西晴史編集委員が、今回のガソリン税の暫定税率復活に関して、「地方、受け身に終始。国頼り、民意向き合わず」を書いておられました。
・・最大の理由は、住民と首長、議員との意識のギャップが大きいことだ。各種世論調査でも、ガソリン税復活に賛成する人は半分以下だ。7割以上が反対という結果もあった。国会に復活を求めるだけの自治体関係者は、ガソリン値下げを求める住民に向かって、道路の方が必要だと説得する気迫は感じられなかった
・・本当に危機感があるのなら、地方自ら何ができるのかを真剣に考えるべきだった。国が暫定税率を廃止する場合、例えば47都道府県で一斉に法定外税を設ける手段もあったろう。法定外税に腰が引けるのは、住民の支持を得られぬまま、増税する自信がないということだろう。
ならば、やはり国に悪者になってもらって、一律にという安易な道を選択することになる。住民と向き合わないままでは、いつまでたっても自治・分権の道は開けない。

3回目

2008年4月26日   岡本全勝
今日は、第3回目の授業。予定より少し遅れていますが、想定内で、順調に進んでいます。春学期は、乗ってくると、すぐに連休なんですよね。遅れているのは、レジュメ以外のことに、「脱線する」からです。今日は、日経新聞社から提供していただいた小冊子を配って、新聞の読み方などもお話ししました。三田までは宅急便で送ってもらったのですが、100冊になると、結構な分量でした。中西編集委員、ありがとうございました。
そこから広がって、記事の作られ方、官僚と新聞記者の関係なども。他の授業では、聞けない話だと思います。昨年秋学期に私の授業を受講した学生さんからも、「面白いので、どんどん喋ってください」と応援をもらいました。
なお、授業で紹介した、ウエッブで読める解説は、例えば「清水真人編集委員」、他の人も。手嶋龍一さんの本は、『交敗戦―130億ドルは砂に消えた』です。
受講生数は、90人程度になりました。もっとも、小レポートを宿題に出したので(締め切り5月10日)、次回は減るかな。

2008.04.26

2008年4月26日   岡本全勝

矢吹初青山学院大学教授らが、『地域間格差と地方交付税の歪み』(勁草書房、2008年4月)を出版されました。
地方交付税による財政調整の結果を各団体ごとに調べ、通常の値から外れている「外れ値」となっている団体を調べるのです。もちろん、政令市や特別区のように、行財政制度が違う団体は当初から除外しますが、その他の団体は対象とします。小規模団体も豪雪地帯も、貧乏団体も富裕団体もです。すると、「交付税の歪み」が出てくるというのが、先生の主張です。
その際に「遺伝的アルゴリズム」という手法を使って、外れ値を探し出すのです。ここは難しくて、かつて先生に教えてもらった時も、十分理解できませんでした。人為でなく、機械的にシミュレーションするのです。ここが、客観的に「外れ値」を検出する核心です。
ちなみに、交付税の算定には、足し算・引き算・かけ算・割り算しか使っていないので、はるかに簡単な知識で理解できるようになっています。「一般の方でもわかるように」というのが、地方交付税の哲学です。
さて、元交付税課長としては、この外れ値を説明しなければなりません。離島や豪雪地帯では、割高になる行政コストを、算式を使って基準財政需要額に加算します。これが、外れ値になる可能性があります。港湾があるかないかなども、要因となります。
次に、ふるさと創生事業や公共事業促進のため、事業費補正を使って、各団体が発行した地方債の元利償還金の一定割合を算入しました。これは、各団体の発行額という「非客観的数値」を基礎としているので、外れ値になることが多いと思われます。ただし、これについては、2001年以降廃止縮小しました。その後、頑張る地方応援プログラムが始まっており、これは外れ値になる可能性があります。
本には、CDーROMも付いています。各団体でも、調査検証が可能です。ご関心ある方に、お勧めします。

2008.04.23

2008年4月23日   岡本全勝
23日の日経新聞が、山田京都府知事のインタビュー「分権、地方の自己改革から。国民から負託、国は意識欠く」を載せていました。
「国土交通省や社会保険庁を巡る不始末など行政の信頼が揺らいでいる」との問いには、「いずれも国民の負託を受けていない場所で問題が発生している。地方分権とは負託を受けた人に(権限や財源を)任せることだ。以前、全国知事会で国の出先機関の改革案をまとめようとしたとき、各機関の職員数や予算執行などに関する資料が全くなかった。それまで誰もチェックしていなかったということだ」と答えておられます。
「それでも地方分権をめぐる世論はなかなか盛り上がらない」という指摘に対しては、「これまでの分権論議は国民に根ざしていなかった。(1990年代の)第1期地方分権、三位一体改革も単なる国と地方の財源争いとみられてしまった」 と発言しておられます。
「財務省が「国の財政は夕張市よりも厳しい」と主張し、財源移譲を求める地方側をけん制している」との指摘には、「本当に厳しいと考えているなら、国も夕張市のように解体的な出直しをしてはどうか。財務省は『地方の方が財政再建が進んでいる』と主張するが、それこそ地方に(仕事を)任せた方がいいという証左だ」と答えておられます。

かつて国道は県が管理していた

2008年4月21日   岡本全勝

21日の読売新聞社説は、「地方分権改革、政治主導で権限を移譲せよ」でした。
・・地方分権で具体的な成果を上げるには、官僚任せにはできない。政治主導を徹底すべきだ。福田首相は、「各府省の対応は不十分」としたうえ、全閣僚に対し、「政治家としての判断をしてほしい」と分権委に前向きに協力するよう指示した。国土交通、農水、文部科学などの関係閣僚は、首相指示を真摯に受け止めねばならない。自らの役所の代弁者ではなく、地方分権を推進する内閣の一員としての立場で発言、行動すべきだ。第1次勧告の焦点は、国直轄の一般国道や、各都道府県内で完結する1級河川だ。それぞれの管理権を国から都道府県に移譲することを、明確にできるだろうか。一般国道の管理は高度成長期まで、すべて都道府県が機関委任事務として実施していた経緯がある。国でなければできない、という理屈は成り立たない・・