5月1日の日経新聞に、中西晴史編集委員が、今回のガソリン税の暫定税率復活に関して、「地方、受け身に終始。国頼り、民意向き合わず」を書いておられました。
・・最大の理由は、住民と首長、議員との意識のギャップが大きいことだ。各種世論調査でも、ガソリン税復活に賛成する人は半分以下だ。7割以上が反対という結果もあった。国会に復活を求めるだけの自治体関係者は、ガソリン値下げを求める住民に向かって、道路の方が必要だと説得する気迫は感じられなかった
・・本当に危機感があるのなら、地方自ら何ができるのかを真剣に考えるべきだった。国が暫定税率を廃止する場合、例えば47都道府県で一斉に法定外税を設ける手段もあったろう。法定外税に腰が引けるのは、住民の支持を得られぬまま、増税する自信がないということだろう。
ならば、やはり国に悪者になってもらって、一律にという安易な道を選択することになる。住民と向き合わないままでは、いつまでたっても自治・分権の道は開けない。
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3回目
2008.04.26
矢吹初青山学院大学教授らが、『地域間格差と地方交付税の歪み』(勁草書房、2008年4月)を出版されました。
地方交付税による財政調整の結果を各団体ごとに調べ、通常の値から外れている「外れ値」となっている団体を調べるのです。もちろん、政令市や特別区のように、行財政制度が違う団体は当初から除外しますが、その他の団体は対象とします。小規模団体も豪雪地帯も、貧乏団体も富裕団体もです。すると、「交付税の歪み」が出てくるというのが、先生の主張です。
その際に「遺伝的アルゴリズム」という手法を使って、外れ値を探し出すのです。ここは難しくて、かつて先生に教えてもらった時も、十分理解できませんでした。人為でなく、機械的にシミュレーションするのです。ここが、客観的に「外れ値」を検出する核心です。
ちなみに、交付税の算定には、足し算・引き算・かけ算・割り算しか使っていないので、はるかに簡単な知識で理解できるようになっています。「一般の方でもわかるように」というのが、地方交付税の哲学です。
さて、元交付税課長としては、この外れ値を説明しなければなりません。離島や豪雪地帯では、割高になる行政コストを、算式を使って基準財政需要額に加算します。これが、外れ値になる可能性があります。港湾があるかないかなども、要因となります。
次に、ふるさと創生事業や公共事業促進のため、事業費補正を使って、各団体が発行した地方債の元利償還金の一定割合を算入しました。これは、各団体の発行額という「非客観的数値」を基礎としているので、外れ値になることが多いと思われます。ただし、これについては、2001年以降廃止縮小しました。その後、頑張る地方応援プログラムが始まっており、これは外れ値になる可能性があります。
本には、CDーROMも付いています。各団体でも、調査検証が可能です。ご関心ある方に、お勧めします。
2008.04.23
「それでも地方分権をめぐる世論はなかなか盛り上がらない」という指摘に対しては、「これまでの分権論議は国民に根ざしていなかった。(1990年代の)第1期地方分権、三位一体改革も単なる国と地方の財源争いとみられてしまった」 と発言しておられます。
「財務省が「国の財政は夕張市よりも厳しい」と主張し、財源移譲を求める地方側をけん制している」との指摘には、「本当に厳しいと考えているなら、国も夕張市のように解体的な出直しをしてはどうか。財務省は『地方の方が財政再建が進んでいる』と主張するが、それこそ地方に(仕事を)任せた方がいいという証左だ」と答えておられます。
かつて国道は県が管理していた
21日の読売新聞社説は、「地方分権改革、政治主導で権限を移譲せよ」でした。
・・地方分権で具体的な成果を上げるには、官僚任せにはできない。政治主導を徹底すべきだ。福田首相は、「各府省の対応は不十分」としたうえ、全閣僚に対し、「政治家としての判断をしてほしい」と分権委に前向きに協力するよう指示した。国土交通、農水、文部科学などの関係閣僚は、首相指示を真摯に受け止めねばならない。自らの役所の代弁者ではなく、地方分権を推進する内閣の一員としての立場で発言、行動すべきだ。第1次勧告の焦点は、国直轄の一般国道や、各都道府県内で完結する1級河川だ。それぞれの管理権を国から都道府県に移譲することを、明確にできるだろうか。一般国道の管理は高度成長期まで、すべて都道府県が機関委任事務として実施していた経緯がある。国でなければできない、という理屈は成り立たない・・