カテゴリーアーカイブ:歴史遺産

応援職員の事前の研修と途中の相談、2

2014年3月21日   岡本全勝

昨日の「事前の研修と途中の相談」を、派遣される人の立場で、考えてみましょう(以下の記述は、「ワークフォー東北」の関係者との議論を参考にしています)。
まず、応募する際、あるいは派遣される前の段階です。「私は、現地で何をするのか」「何を求められているのか」「その職場は、どのようなところなのか」「何年働くのか」など。職務内容や職場の状況を、明確に知りたいでしょう。「現地に行ってみてから考えよう」では、不安です。
また、「被災地がどのような状況にあるのか」も重要です。現地の状況は、新聞報道だけではわかりません。
派遣が決まったら、「事前研修」が必要です。公務員としての心得です。守らなければならない倫理や守秘義務など、民間企業と共通する面とともに、公務員特有の縛りがあります。情報公開やサイバー攻撃も。このような法令の知識だけでなく、次のような「派遣者の心得」とも言うべきものがあります。
企業と役所では、目標と手続きが違います。企業の場合は儲けるためにに、少しでも早く企画を立て実行します。それが、ほめられます。しかし、役所の場合は、公平性が必要です。「同じ条件なのに、A地区だけ優遇して、B地区はそれを認めない」といったことは、認められません。理屈が立てば、認められますが。「内緒ですが、あなただけ優遇します」は、ダメなのです。
そして、決定手続きや支出手続きも、かなり厳格に決められています。ものによっては、議会によるチェックもあります。年に4回の議会もあります。これは、企業で言えば株主総会でしょう。このような違いは、企業経験のある方が、異口同音に指摘されます。
社風の違いとともに、地域の風土も違います。僻地の小さな村では、東京の大手町とは違った「時間や慣習」で物事が進みます。もちろん役所も、企業を見習って改善すべき点はたくさんあります。しかし、いくら良い考えでも、役場の中や地域の中で一人で奮闘しては、改革は難しいです。耕運機や軽トラックが走っている農道を、スポーツカーでぶっ飛ばすと、交通事故が起こります。あるいは、一人だけゴールにたどり着いて満足したけど、後ろを見たらみんなを置き去りにしていたとか(ちょっときつい比喩ですが)。
改革するためには、周りを巻き込む必要があります。そのために、ひとまず、現地の風習に慣れてもらう必要があります(私は、外部の方の刺激によって、役場の改革が進むことを期待しています。しかしそのためには、十分な手順が必要なのです)。
こんな時に効果的なのが、先輩の経験談です。私も、公務員になったときや、管理職になったときに、いくつか研修を受けましたが、一番役に立ったのは、先輩の経験談や懇親会や仕事場での質問でした。紙に書いてあることも重要ですが、書いてないこと・書けないことで、それ以上に役に立つことがあります。
次に派遣中は、受入れ団体や送り出し団体(上司や人事当局)による、定期的な面談や相談が必要です。普通の職場で行われている、上司との面談、人事当局による面談、先輩による指導や相談、メンタルな相談です。また、似たような境遇の人たちや経験者による相談も、効果的です。「私も、その点に悩んだのよ」と。
そして、派遣期間が終わった後、この経験をどのように活かすか。また、企業から派遣されたのではなく、個人で応募された方は、次の職探しがあります。
職員の方に、安心して働いてもらい、能力を発揮してもらうためには、それなりの配慮が必要です。

復興増税

2014年3月20日   岡本全勝

先日、所得税の確定申告をしました。最近は原稿も書いていないのですが、寄付金控除などがあるので、申告しました。申告するといっても、多くの事項は源泉徴収票を転記します。ところが、途中で税額を計算したら、何度やっても合いません。課税金額に税率をかけるのですが、その金額よりも源泉徴収されている金額の方が多いのです。「おかしいなあ」と思いつつ、最後まで書き上げたら、わかりました。
平成25年の所得から、所得税の他に、復興特別所得税(所得税額×2.1%)が上乗せされるのです。源泉徴収されているのは、所得税だけでなく、復興特別所得税もあったのです。まさにその増税分を、仕事で使わせてもらっているのです。

応援職員の事前の研修と途中の相談

2014年3月20日   岡本全勝

先週のことになりますが、「ワークフォー東北」の、派遣事前研修に、挨拶兼激励に行ってきました。この春から、被災地に行ってくださる9人の方の研修です。被災地に入る前に、一通りのことを知ってもらう必要があります。また、民間人から公務員になっていただくので、公務員としての基礎知識も必要です。
被災地では人が足りないので、たくさんの方に応援に入ってもらっています。しかし、だんだんと「欠けていたこと」「今後配慮すべきこと」がわかってきました。当初は、なんと言っても人が足らないので、なるべくたくさんの人を送ることが重要でした。これは公務員の応援も、ボランティアも同じです。しかし、それだけではうまくいかないことがわかってきました。
まず、地元が必要としている人材を送ることです。誰でも良いというわけではなく、必要とされる技能を持った人を送る必要があります。「ワークフォー東北」は、そのために「お見合い機能」を充実させています。すると、お見合いが成立しない場合もあります。当然です。でも、それをせずに送り込んだら、本人にも地元にも、不幸な結果になります。
もう一つが、この事前研修です。そして、派遣された後の「ケア」です。これまで、十分には行えていませんでした。これは、ワークフォー東北を使った民間人派遣だけでなく、総務省枠組みによる派遣、復興庁の枠組みによる派遣も同じです。通常に企業や役所に採用された職員でも、研修を受け、上司による相談などを行っています。被災地に応援に入ってもらっている方には、それ以上に難しい境遇で働いてもらっています。もちろん志の高い方ばかりですが、それに甘えているわけにはいきません。

生活再建支援、ちょうど3年

2014年3月19日   岡本全勝

今日19日は、「生活復興フォーラム」に仙台まで行ってきました。これは、復興庁が、ひょうご震災記念21世紀研究機構に委託した「東日本大震災生活復興プロジェクト」の発表会です。自治体やNPOが被災者による生活設計やコミュニティへ復興を支援する際の注意点などを、阪神淡路大震災の経験を持つこの機構にまとめてもらいました。被災地で44回も、聞き取りなどをした成果です。
できあがった冊子「生活復興のための15章」は、追って公開します。 昨年まとめた、「被災者に対する健康・生活支援パッケージ」等とともに、現地で活用してもらえるようにします。
被災地では、インフラ・住宅復旧にめどが立ちつつあるので、次の大きな課題は、産業復興と健康や生活の再建です。読売新聞はこころの復興の連載を、朝日新聞は経済欄で被災地の中小企業再建の連載を始めました。

ところで、ちょうど3年前の3月19日から、私はこの大震災対応に関わりました。官邸に呼ばれて、被災者生活支援本部を立ち上げたのが、平成23年3月19日の朝でした(2011年4月13日の記事)。仕事の原点は、「被災者の生活支援(救援)」でした。今また、「被災者の生活支援(再建)」が重要なテーマになっています。
これは一つには、それを専管的に所管する役所がないからです。インフラや住宅は、国土交通省が中心になって、建設業界とともに、担ってくれます。そして、県庁にも市町村役場にも、土木部や土木課があります。ところが、「被災者(住民)の生活の課題担当」の省や課はないのです。だから、発災直後に「被災者生活支援本部」を立ち上げる必要があったたのです。それは、現在も変わりません。
そして、それを担ってくれる「業界」も、ありません。手法も、確立していません。かつては、自己責任、自助、近所や親類の助け合いで、すませていたのです。医療や福祉関係者、NPO、コミュニティなどと、これから手探りで進める必要があります。そして、それは予算をつけたら終わり、というものではありません。人によるサービス、継続したサービスが必要です。さらに言うと、支援者がサービスするだけでは、本人の自立はありません。難しいところです。これは、かつて携わった「再チャレンジ支援行政」と共通しています。

大山健太郎社長

2014年3月18日   岡本全勝

3月15日朝日新聞別刷りbe「逆風満帆」に、アイリスオーヤマの大山健太郎社長が「震災、地元企業の責務とは」で出ておられます。
・・気仙沼市でグループが運営する津波の被害を免れたホームセンターの店長は、クビ覚悟で、列をなす被災者に灯油を無料で配った。代金はあとでいいからと、ノートに金額を書いてもらい、電池やカセットコンロも売った。「よくやってくれた」。大山が長年考えていたことを、社員が率先垂範したのだ。
「ピンチはチャンス」の口癖通り、大山は大震災をも成長のステップにする・・
詳しくは原文をお読みください。社長には、いつも厳しい意見をいただいています。