地域復興マッチング「結いの場」の、平成25年度成果を発表しました。「結いの場」は、被災地の企業と大手企業とを結びつけ、新商品開発や販路開拓などのお手伝いをしてもらう試みです。今回は、49の連携事業が成立しました。たとえば、中小企業が持っている金属加工技術を生かして、精巧な建築物の模型を作った例(福島市、永沢工機と積水ハウス)、ブランドイメージ向上のために、学生のアイデアを活用して、イクラの贈答用パッケージを作った例(宮古市、大井漁業部と瀧澤学館とNTTドコモ)。
また、「新しい東北」官民連携協議会のホームページを、刷新しました。被災地では、行政だけでなく企業、大学、NPO等いろいろな主体が、復興支援に取り組んでいます。また、行政だけで復興ができるものでもありません。この官民連携協議会は、これらの担い手が情報を共有し、連携できるためにつくった交流の場です。支援情報のデーターベースもあります。例えば人的支援だと、人材派遣や職員研修など。経営支援だと、技術開発や商品開発、事業化支援、販路開拓などです。
先日説明した、新しい産業支援の手法の実践例です(9月21日の記事)。お金ではなく、人やノウハウの支援です。
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民間からの支援員、活躍できるように
今日26日は午後から、仙台で開かれた「ワーク・フォー・東北」の集合研修会に、参加しました。民間から被災地に支援に入ってくれている30人が、参加してくれました。彼らを被災地に送り込んだら終わりではなく、悩みを聞いたり相談に乗るなどの、お世話や「職員管理」も必要です。
民間の人たちが、長期間腰を据えて、自治体や関係団体に所属して仕事をする。これまでにない取り組みです。ボランティアの応援もありがたいのですが、発災当初のように、単純作業でたくさんの人に来てもらいたい時期は過ぎました。特定の分野でそれにあった能力を持った人に、長期間仕事をしてもらいたいのです。しかし、企業の仕事の仕方と、市町村役場の仕事の仕方(流儀、風土)は、大きく違います。また、役場は、そんな民間人を使ったことがありません。それは、中央官庁でも同じです。民間人から見たら、「役所の壁」です。
たくさんの職員を送り込んだ側としては、彼らが能力を発揮できているか、悩みはないか(もちろんあります)、それを拾い上げて仕事ができるようにする責任があります。久しぶりに会った人たちは、それぞれ元気に、しかしいろいろと悩んでいました。志の高い彼らを活用しないのは、もったいないです。
対策の一つは、受け入れ側の役場の意識改革、そのための助言でしょう。どのような課題を、彼らに担当してもらうか。目標と任務と進め方を明示しなければなりません。しかし、通常の役場仕事は、それを明示することなく、暗黙知の世界で進めます。特に小規模の役場では、これまで法律に決められたことをすればすみました。また、顔見知りの職員ばかりで、声に出さなくても仕事は進みました。
しかし、千年に一度の災害をうけ、それを復興するには、これまでにない仕事をする必要があります。前例通り、言わなくても分かる、というわけにはいきません。民間人が役所に入って、民間流の仕事の進め方を持ち込む。「役所の壁」を壊す、壮大な挑戦でもあります。うまくいっている成功例を示すことで、世間に認知してもらえる、また他の市町村も活用できると思います。
被災地企業支援、百貨店協会の協力
被災地では、生産の施設設備を復旧しても、売り上げが回復しないことがあります。東北の良い産物をどのようにして、消費者に買ってもらうかが、課題です。
日本百貨店協会が、百貨店バイヤーが選んだ、東北の産品を紹介するカタログを作成してくれました。百貨店の信用力は大きいです。その買い付け人・目利きが選んでくれた産品です。9月27日土曜日には、仙台でイベントを開催し、竹下大臣も出席します。パンフレットも、その時点で公開します。お待ちください。
この試みは、復興庁の「新しい東北」先導モデル事業の一つです。実績と信用力のある企業や団体と、被災地で悩んでいる企業を結びつけること。これが、新しい産業支援の手法です(9月21日の記事)。
百貨店協会は、このほかにも、さまざまな復興支援をしてくださっています。ありがとうございます。
産業復興支援の新しいかたち、企業や専門家による被災企業へのノウハウ支援
復興庁では産業復興支援のために、被災企業と都会の企業を結びつける「結いの場」(お見合いの場)や「新しい東北」をつくるための「先導モデル事業支援」などに取り組んでいます。また、大企業や企業が作った財団が、被災企業に対して技術やノウハウの支援をしてくれています。マルシェという、被災地の産品を売ってくれたり、食材に使ってくれたりもしています。
これらの企業支援をどう位置づけたら良いか、ずっと悩んでいました。ようやく、次のような整理をしたら良いことにたどり着きました。
これまでの産業復興支援は、典型的には、次の2つでした。
1つは、被災企業の復旧を支援するものです。特別貸し付けや緊急保証といった資金繰り対策、中小企業グループ補助金などによる施設や設備の復旧補助、仮設店舗や仮設工場貸し出し支援、民間の財団による復旧助成です。
2つめは、企業や投資の呼び込みです。減税や利子補給、補助金による企業立地施策や規制緩和による復興特区制度などです。
これらは、施設設備を対象とした、カネやモノの支援が中心でした。
これらに対し、復興庁や企業が新たに取り組んでいるのは、第3番目の類型になります。被災地企業と都会の企業とのマッチング、ブランド・マーケッティング・販路開拓などのためのノウハウ・人材育成の支援、専門家(アドバイザー)の派遣などです。これらは、施設設備といったモノへの支援でなく、販路開拓・新商品開発などのノウハウへの支援です。そして手法はカネでなく、人によるノウハウ支援、場の提供やつなぐことです。民間企業やNPOが取り組んでくださっている事例も多いです。例えば、NHKテレビ「サキどり」9月14日で紹介されていた、「東北わくわくマルシェ」(東北の生産者と関西の事業者をつなぐ商談サロンと、東北の特産品のアンテナショップ)。
被災地の中小企業は、施設や設備を復旧しただけでは、売り上げは回復しません。復旧までの間に、販路は別の企業に奪われています。水産加工業に典型的に現れています。また従来のような商品を売っているだけでは、売り上げは増えません。
企業や専門家による支援、ノウハウの支援が必要なのです。先日(9月14日)紹介した、藤沢烈さんのインタビュー「お金でも制度でもない、被災地には人材が足りない」は、この点を指摘していました。
これは、行政が主体ではできません。支援してくださる企業や専門家と、支援を求めている企業とをつなぐことが、行政の役割でしょう。これまでも企業連携施策を進めてきましたが、行政と企業との連携だけでなく、支援企業と被災企業との連携について、位置づけも新たにして力を入れることにしました。
官邸で、復興推進会議を開催
今日9月16日、官邸で、復興推進会議を開きました。この会議は、全大臣出席の会合です。発災以来3年半が経ち、内閣改造後初めての会議です。
復興大臣から進捗状況と課題を報告し、7大臣から協力の発言がありました。総理からは、「東北の復興なくして、日本の再生はなし。新閣僚においても、全員が復興大臣であるとの意識を共有し、東北を新しい日本創生のフロントランナーにしていく気持ちで全力を尽くすよう」にとの指示がありました。
ところで、総理の時間を確保し、官邸で全閣僚出席の会合を開催するのは、結構大変な「プロジェクト」です。会議の内容(業界用語でサブといいます)とともに、段取り(同じくロジといいます)も大変です。それを復興庁の職員は、いとも簡単にやってくれます。職員たちに感謝します。
資料は、復興庁のホームページに載せてあります。わかりやすく簡単な資料を作りました。「復興に向けた道のりと見通し」も、9月版に更新しました。