カテゴリーアーカイブ:歴史遺産

復興事業の進捗状況

2015年2月27日   岡本全勝

今日27日に、11回目の復興交付金の配分可能額(予定額)を公表しました。復興交付金は、被災地で宅地の造成や住宅の再建を中心に、まちづくりを進めるものです。どのような事業が行われているかは、資料のp3を見てください。今回の特徴的なことを、他に2つ紹介します。
1 事業の進捗状況p4
復興交付金事業計画がある97市町村のうち、27年度まで(来年の3月まで)に、事業が完了する予定の市町村は、58に上ります。このほかに、住まいに関する事業が完了予定の市町村が15あります。足すと、27年度までに住宅関係の事業が完了する市町村が73です。
もっとも、これら事業が完了する市町村は、被害が小さかった市町村が多いです。大きな被害を受けた市町村は、まだまだ工事に時間がかかります。
しかし、部下からこの報告を受けた時は、驚きました。復興交付金事業のある市町村は、震災で被害を受け復興事業を行う市町村です。約100あります。そのうち4分3が、来年度に事業が終わるのです。災害から5年が経つのですから、当たり前と言えば当たり前ですが。被災者には、早く恒久住宅に移ってもらいたいです。
2 事業規模の縮小p5
被災自治体では、住民意向を把握して、人口減少などの動向を踏まえて、計画を変更しています。特に高台移転等により新たな住宅団地を整備する場合です。この結果、高台移転の計画戸数は、2万8千戸(24年末時点)から2万1千戸(26年末時点)に縮小しています。
国民の税金を使っているのですから、当然ですが。現地の市町村長たちの努力も見てください。
ところで、朝日新聞27日の夕刊では、中村信義記者が、詳しく取り上げてくれました。次のような書き出しです。
・・東日本大震災の被災地向けに復興庁が復興交付金を配った10道県97市町村のうち、75%の73市町村で来年度までに住宅再建のための事業が完了することが、復興庁のまとめでわかった・・
ところが、見出しは「震災被害甚大な21市町村の住宅、再建完了見通せず」です。この内容で、「住宅完了見込み73市町村」と付けずに、この見出しを付けるとは。見出しを付ける担当者は、この記事をそのように読んだのでしょうか。

声楽家による復興支援

2015年2月26日   岡本全勝

日本声楽家協会が、3月28日にチャリティーコンサートをしてくださいます。「東日本大震災復興に寄せるチャリティコンサート『明日へ』」です。日本を代表する声楽家さんたちが、友情出演してくださいます。福島県飯舘村の子どもたちも出演します。
復興庁も後援をしていますが、本来は、私たちからお礼を言う立場です。ご関心ある方は、ご観覧ください。

公営住宅への転居、引きこもりのおじさんを引っ張り出す

2015年2月25日   岡本全勝

NPOの「全国コミュニティライフサポートセンター」が、「マンガでわかる災害公営住宅への転居期の課題と地域コミュニティづくり」を出版しました。被災地では災害公営住宅が建ちつつあります。すると、そこでのコミュニティ作りが、課題になります。このホームページでも解説しているように、これはお金をかければできるというものではありません。また、これまで3年余り、仮設住宅で暮らして、それなりに安定した生活を送っています。お年をめした方は、「今さら転居するのか」「めんどうな」とも思われます。そして、近所付き合いや人付き合いの下手な方もおられます。
この冊子は、漫画で、どのようにしてコミュニティを作るのか、気むずかしいおじさんをどのように引っ張り出すかを、解説しています。現場で経験のある方が、作ってくださいました。漫画で、わかりやすいです。今後、住宅ができる市町村や地区で、活用してもらいます。

原発避難区域、帰還希望。朝日新聞記事

2015年2月25日   岡本全勝

今朝25日の朝日新聞1面トップに、「帰還希望世帯1~2割。福島第一周辺4町、復興庁調査」という大きな見出しの記事が載っていました。何事が起こったのかと、驚きました。公務員の悲しい性です。よく読むと、復興庁が県や市町村と一緒に調査している、住民意向調査結果を基にした記事でした。これまでに、何度か調査して、その都度公表しています。
記事では、住民の帰還意向が小さいこととともに、放射線量の違い(帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域)に関わらず、住民の帰還意向に大きな違いがないことを指摘してます。解説では、戻らない理由について、次のように書いています。
・・・「原発の安全性」や、帰っても「医療環境」「商業施設」がないとする回答が目立つ。避難者が向き合う故郷の現実は重い・・・
ご指摘の通りです。除染が終わっただけでは、住民は帰ることはできないのです。
他方で、次のようにも指摘しています。
・・・ただ、わずかであっても帰還に望みを持つ避難者がいる。それに応えるには、政府や自治体も、住民が1~2割に減る現実から目をそらさない覚悟が必要だ・・
当初、政府は、避難者全員の早期帰還を方針としていました。その後、このような住民の意向と放射線量の予測にしたがって、方針を転換しました。現在では、「早期に帰還できる人」「時間がかかっても待つ人」「新しい生活を選ぶ人」の3つに分けて、住民の意向に沿った対策を打っています。
大きな見出しや記事に書かれたことは、私たち関係者には既知のことですが、多くの国民は詳しくは知らなかったでしょう。このように原発事故避難区域の厳しい現実を伝えてくださった、大月記者に感謝します。