カテゴリーアーカイブ:歴史遺産

被災地での企業の社会貢献、社会的役割

2017年1月5日   岡本全勝

河北新報が新年3日から、「被災地と企業」という連載を始めました。
・・・企業の社会的責任(CSR)。21世紀、世界の企業に浸透し始めた概念だ。東日本大震災後、東北の被災地には無数の企業が足を踏み入れ、試行錯誤を重ねた。艱難の地へ、生活の糧を、癒やしを、希望を。企業を突き動かした衝動は何だったのだろう。あれから間もなく6年。CSRを足掛かりに、あの日に返って経済社会を展望する。見えてくる明日を、私たちは「トモノミクス」と呼ぶ・・・
第1回は、ポケモンGOの河合敬一さん。第2回は、若手漁師らのフィッシャーマン・ジャパン。第3回には、藤沢烈さんが登場しています。詳しくは本文を読んでいただくとして、特徴を次の様に述べています。
・・・以前はボランティアや寄付が中心だったが、本業を通じた支援が活発化し、産業やコミュニティーの再生により深く多様に関わった・・・
・・・地域と長く関わる専任者がいたかどうかが大きい。被災地では顔の分かる人間関係が基本。最初から分厚い提案書を出して、相手に敬遠されたケースもある。地域との関わり合いを勉強するいい機会になった・・・

藤沢さんたちとの共著『東日本大震災 復興が日本を変える』は、副題が「行政・企業・NPOの未来のかたち」です。被災地を復興する際に、行政だけでは限界があること、企業やNPO、コミュニティの役割が大きいことを、実例を挙げて紹介しました。私たちが挑戦したことが、社会に受け入れられつつあります。ありがとうございます。

平成28年の回顧1、復興

2016年12月29日   岡本全勝

年末になり、年賀状も出したので、今年の回顧を始めましょう。
まず、復興についてです。復興庁事務次官を退任したのですが、内閣官房参与、福島復興再生総局事務局長として、引き続き大震災からの復興に関与しています。発災直後からこの仕事に直接関わっている国の職員は、私一人になりました。首長さんたちとも、長い付き合いになりました。過去からの苦労を踏まえた議論、そして本音の議論をすることができます。継続と信頼関係がいかに重要かが、わかります。ありがたいことです。
ところで、公務員は通常2年で職場を変わります。これはこれで合理性があるのですが、このような仕事の場合は、より長期に携わっている職員それも管理職がいると、仕事がうまく進むと思います。各省なら職員が異動しても、どこか関連部署にいれば、彼を頼って継続性を保つことできるのですが。もっとも、局を越えると、それも難しくなります。内閣府のように、分野が違う組織の集合体の場合も、難しくなります。

復興は6年目になり、現地では工事が着実に進んでいます。このホームページでも、随時紹介しているとおりです。津波被災地では、次々と町並みが出来ています。仮設住宅も、撤去されつつあります。平成29年度末には9割の宅地と住宅が完成する予定で、平成30年度中には完成する見込みです。復旧工事費は、予算額でも減少が始まりました。
原発事故被災地では、順に避難指示が解除され、また解除される見通しが立ちました。帰還困難区域を除いて、鉄道も復旧します。除染も、多くの地域で終わりに近づいています。帰還困難区域では、当分の間は帰還は困難なので、一部で復興拠点を作ることにしました。そこから町の復興を始めようという趣旨です。
このように、着実に進んでいます。関係者のご努力のおかげです。

しかし、今なお13万人の方が、避難生活を送っておられます。また、産業再生とコミュニティ再建が、課題です。そして、原発事故の風評被害が収まりません。農産物や観光のほかに、避難した子どもたちへのいじめという「とんでもない被害」が出てきました。悲しい話です。これらの新しい課題に、対応していく必要があります。これらの課題は、お金を出せば、また工事をすれば解決する問題でなく、工夫と継続が必要です。

アサヒビールの復興支援

2016年12月29日   岡本全勝

アサヒビールが、復興支援を続けてくださっています。さらに2020年まで続けることも、表明してくださっています。「復興支援のページ」「CSRのページ」。
今日紹介するのは、その中でも、「商業コミュニティ助成」です。被災地や避難先では、商店が再開しない、再開しても客が少なく経営が続かない、客も高齢者が多く買い物に行けないなどの問題があります。
商店の営業は、事業主の責任です。それぞれの才覚で、儲けてもらいます。経済学では、そうなっています。しかし、住民にとっては、暮らしていくために不可欠の機能です。「市場原理に任せておく」では、地域は成り立ちません。そこをどのようにして支えるか。日本社会や行政に問題を投げかけています。
このアサヒビールの支援は、これに取り組んでくださっています。詳しくは、資料を見てください。それぞれの活動状況も載っています。

ありがとうございます。たくさんの企業が、さまざまな分野で、またさまざまな手法で、支援をしてくださっています。お金やモノの寄付と違って、「集計する」ことができません。すべては無理としても、何か整理して、また一覧表にして世間の人にお知らせできれば良いのですが。

復興の状況、平成28年12月現在

2016年12月28日   岡本全勝

復興の状況が数字で分かる最も簡単な資料「道のりと見通し」の12月版ができました。担当職員から、報告がありました。ご利用ください。
見ていただくと分かりますが、高台移転は57%、公営住宅は74%が完成しています。着実に進んでいます。ただし、まだ13万人の方が避難しておられます。「現状と取り組みのページ」。

復興庁平成29年度予算案

2016年12月27日   岡本全勝

12月22日に、新年度予算案が決まりました。「復興庁ホームページ」、「4分野のポイント」。
復興庁予算は1兆8千億円と、今年度当初予算(2兆4千億円)と比べ、6千億円減っています。これは、これまで大きな割合を占めていた災害復旧工事と除染事業が減ったからです。概要の3ページをご覧ください。6年経って、これら工事がピークを越えました。そして、予算総額の半分0.9兆円が、福島の原発からの復興になっています(概要の12ページ)。
予算からも、復興の進捗状況が見えます。津波からの復旧が順次完成しつつある一方で、福島の復興はまだまだです。
進捗に従って、新たな課題が見えてきます。そこに力を入れます。「新たな課題への対応」に、整理してあります。またその2ページ目に、原発被災地域の復興支援を見やすく整理してあります。わかりやすい資料です。ご覧ください。
復興庁は、仕事も予算も、「前年通り」が通用しません。予算も、増えることが善ではなく、一日も早く完成して、地元の人に喜んでもらうことが良いのです。