カテゴリー別アーカイブ: 自治大学校

地方行財政-自治大学校

自転車を頂きました

今日、自治大学校にも、タイガーマスクさんが来てくれました。といっても、匿名ではなく、立川市長さんと立川商工会議所会頭さんです。市内の放置自転車をリサイクルし、30台も寄付してくださいました。実は7年前に、自治大学校が立川に移転した時も、頂きました。
大学校はモノレールの駅には近いのですが、市の中心・繁華街には1.5キロ離れています。研修生には、自転車が便利なのです。ありがとうございます。大事に使わせていただきます。

市町村長さんのご要望

昨日はある県の職員研修所の方が、今日はある村の村長さんが、自治大学校を訪ねてきてくださいました。前者は研修の進め方についての勉強に。村長さんは、「これまで研修生を送ったことがないのだけど、一度送りたいので、現場を見に来た」と言うことでした。このほかにも、最近では県議の方や市長さんらが、視察に来てくださいました。
もちろん、大学校の研修内容と水準は、施設を見ていただいてもわかりません。施設は7年前にできた、新しくてとても立派なものです。今の冬の時期は、西側の窓から大きく富士山が見えるという「特典」付きです(ははは)。
副校長らとともに、どのような研修をしているか、内容や手法、さらに目指すところを、ご説明しています。送り出す側のご要望はいくつかありますが、多いのは、「新しいことにチャレンジする職員を育てて欲しい」「企画能力を育てて欲しい」「新しいことに対して、『できません』と言わない職員を育てて欲しい」「役場の中では優秀なのだけど、もっと外の人と競わせたい」という要望です。これについては、私どもの目指すところなので、バッチリです。

研修専門課程

今日は、自治大学校で、研修専門課程の入校式と校長講話でした。この課程は、県や市町村の職員研修担当者を研修するものです。各自治体とも、職員研修には力を入れています。しかし、どのような研修が効果的かは、難しいです。
研修専門課程では、「何を教えるか」と「どのようにして教えるか」、すなわち内容と方法を、伝授するようにしています。自治大学校がこれまで蓄積したノウハウと、現在試みていることと、そして何を悩んでいるかです。これは、私どもと共通する課題です。
そして最後は、馬を泉に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない、です。自ら学ぶという意欲を、どのように引き出すか。
自治大では、演習を多くすることで、自ら考えることを求めます。また、全国から集まった精鋭が切磋琢磨することで、意欲を高めてもらいます。

第2部課程講話

今日は、自治大学校第2部課程で、校長講話をしました。各課程が入校すると、研修の概要と目的、大学校が研修生に望むことをお話しするのが、校長の務めです。
第2部課程は市町村の幹部候補生で、約3か月間の研修を受けます。今回は129人、平均年齢42歳です。皆さん、日本全国から選ばれてきただけあって、頼もしい限りです。
この人たちに、これから現場で出会うであろう「新しい課題」「前例のない問題」にどう立ち向かうか、「一人で解決できない時」にどうするか、「正解のない問題」をどう解決するか、「みんなが満足することのない解決」をどう納得してもらうかを、勉強してもらいます。
先週入校したばかりですが、翌日から見ず知らずの人とチームを組んで、課題演習に取り組んでもらっています。ウマの合う人あわない人、その人たちとどう折り合いをつけるかも、重要な研修です。だって、市町村役場でも、いつも好きな人とばかり仕事をするわけではないですわね。

書き取る授業と考える授業

朝日新聞は1月1日から、連載「教育、あしたへ」を始めました。1日は、1面と2面を大きく使っての記事でした。取り上げられていたのは、唯一の正解を教える授業ではなく、対話をして生徒が考える授業です。対話型と言えば、ハーバード大学のマイケル・サンデル教授の白熱教室が話題になりました。
決まったことを覚えるのなら、先生が言うことを書き取る、あるいは教科書を覚える学習が、効果的でしょう。その極致が、受験勉強の詰め込みです。この方法は、追いつき型の発展途上国には、最適です。みんなが一斉に、先生のまねをするのです。そして、最も合理的な方法を、最短で覚えることが、秀才なのです。
それに対し、先生や同級生と対話し、議論して考える授業は、時間がかかります。正解にたどり着くとも、限りません。しかし、世界の最先端に追いついた時に、正解と解き方を先生に教えてもらう授業は、機能しなくなります。自分で、新しいことを考えなければならないからです。大学生も、国家も同じです。
自治大学校でも、一方的な講義でなく、演習や対話型の授業を増やしています。覚えることだけなら、本屋にたくさん関係書が並んでいます。ビデオ学習も可能です。地方自治体の幹部は、これまでは国が示した制度を学び運用することが務めでした。しかし、世界一の先進国になった今は、地域で起きる新しい課題を拾い、自分たちで解決方法を考えなければなりません。朝日新聞の記事が、ここでも当てはまります。
自治大では、同僚と議論することで考え、また刺激を受けるのです。知識を学ぶのではなく、自ら考え解決する方策を学ぶのです。
ところが、時々「議論するのは、時間の無駄です。結論を教えてください」という研修生がいて、教授を困らせるそうです。