「住まいの復興工程表」(平成28年3月末現在)を公表しました。災害公営住宅と高台移転宅地造成などの供給見通しです。半年に1度更新しています。半年前に比べ、宅地の計画数が約900戸分減りました。また、平成27年度末(28年3月)時点の完成戸数が少し遅れて、28年夏になったものがありますが、おおむね計画通り進んでいます。
公営住宅は、28年3月には約1万7千戸、率にして57%完成し、29年3月には約2万6千戸、86%完成する予定です。宅地供給は、28年3月には約8千戸分、率にして43%が完成し、29年3月には1万4千戸、69%が完成する予定です。記者発表資料。各市町村ごとの見込み。
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西日本大震災に備える
石橋克彦著『南海トラフ巨大地震―歴史・科学・社会』(2014年、岩波書店)は、いずれ来ると予想されている「西日本大震災」=南海トラフ巨大地震(かつては、東海、東南海地震と呼ばれていました)を解説した本です。副題にもついているように、古文書などによる歴史からの分析、プレートテクトニクス理論による科学からの分析、それが社会にもたらす災害の3つの視点から解説してあります。
著者の考えに従うと、古来日本各地で起きた大きな地震のメカニズムが理解できます。なぜ大きな地震が、短期間のうちに各地で起きるか。納得します。ただし、山陰地方でなぜ連動して起きるかは、いまいち理解できません。そこは読んでもらうとして、次の点を引用しておきます(p199)。
・・・第二に、地震対策の目標は、生命・財産の損失を減らすこと(減災)はもちろんだが、最終的には、被災した人々が1日も早く平穏な暮らしを取り戻せるように準備しておくことだろう・・・
・・・第三に、日本列島に暮らす人々はくり返し南海トラフ巨大地震で大被害を受け、そのたびに立ち直ってきたが、現代の私たちとは根本的に違う暮らし方をしていたことを忘れてはならない・・・基本的に衣食住をはじめとする生活全般が、自然的・自給的・自立的であった。ところが今の暮らしは、「顔の見えない他者」に無際限に依存することを余儀なくされている…生活を支える複雑・高度な仕組みが震災によって大規模に崩壊すると、昔の貧しい人々が苦しんだのとは別の困難に直面する・・・
NPOによる被災地支援
日本財団が、益城町内の避難者の実態調査を実施し、その結果と提言をまとめました。避難生活での被害拡大防止と、次のステージへの移行を進めるためです。「益城町内の避難所および避難世帯の状況調査」
行政は避難者の生活支援と仮設住宅建設などで手が一杯です。東日本大震災の時も、NPOやボランティアが避難所運営の手伝いをしてくれるとともに、このようにNPOが避難所の実態把握と問題点の摘出と、次への移行支援をしてくれました。ありがたいことです。このような調査と提言は、個人ボランティアでは無理で、経験ある組織でないとできません。多くの市町村役場も、経験がありません。もちろん、受け入れ側の理解も必要です。
このようなNPOとの協働が、着実に定着しつつあります。本来は、行政が行わなければならないことかもしれません。しかし、拙著「復興が日本を変える」に書いたように、ようやく行政が、インフラ復旧だけでなく被災者の生活再建支援までに手を広げました。それを大きな変化として評価いただき、このように次の課題を解決していきましょう。
民間との協働
復興庁では、「新しい東北」情報発信事業の公募を開始しました。
担当職員によると、この事業の主眼は、「風化対策や風評払拭も念頭に、民間ならではの創意工夫とコラボすることで、行政や役所的でない、情報の発信を行いたい、そのために、民間の自由な提案を募集する」というものです。
このホームページでも書いていますが、復興庁では、行政だけではできない復興を、民間の力と協働して成し遂げようとしています。それは、企業、NPO、地域コミュニティです。資料を見ていただくとわかるように、テーマは、緑、食、技、旅、町に絞っています。昨年の実績もご覧ください。
「行政がここまでするの?」という質問も、聞きます。しかし、行政と民間とを截然と区別するのは、場面によって不合理です。もちろん、変に癒着してはいけません。また、行政の補助金を目当てに企業が寄ってくるのも、良くないです。
民間だけではできない、行政だけではできない分野で、それぞれの長所を生かして、対等に協力する。私は、これが、これからの日本の課題を解決する一つの手法だと考えています。そして、復興においても実践してきました。最近は、私が言わなくても、このように職員が知恵を出してくれます。詳しくは、拙著「復興が日本を変える」を、お読みください。
仮設住宅の延長
岩手県と宮城県では、高台移転工事や公営住宅建設が進み、仮設住宅の終了が始まっています。
岩手県では、今年度末(平成29年3月)まで、延長していた市町村が9ありました。今回、さらにもう1年(7年目へ)延長する市町村が決まりました。3つの市と村が今年度内に終了し、合計6市町がさらに1年延長します。宮城県では、12市町が今年度末まで延長していましたが、3市町が終了し、もう1年延長するのは9市町です。