カテゴリーアーカイブ:災害復興

新しい東北・フェイスブック開設

2015年4月29日   岡本全勝

復興庁では、「新しい東北」官民連携推進協議会のフェイスブック・ページを開設しました。職員から「次官のホームページで紹介してください」と、指示がありました。私は忙しいので、彼が書いてくれた紹介文を転載します(一部、私が加筆してあります)。
「新しい東北」官民連携推進協議会は、復興に取組んでいる団体や取組を支援している団体、合計800団体に参加してもらっています。会員団体のプロジェクト、ヒト・モノ・カネの支援制度、シンポジウム・勉強会等のイベントなど、様々な情報をインターネットで共有しています(この他、集まって顔を合わせて交流してもらうイベントも開催しています)。
被災地では、賑わいのあるまちづくりに向けた取組が進んでいます。コミュニティの形成や産業・生業の再生に向け、様々な主体(自治体、民間企業、NPO、大学など)が、それぞれのノウハウ・強みを活かしつつ、「新たな挑戦」を進めています。復興庁ができることは、様々な団体の間で、お互いの強みを活かし合った連携がより生まれやすくなるよう、情報を共有できる場所を提供することです。これまではホームページを作って運営してきたのですが、フェイスブックを使っている人も非常に多いため、これも始めることにしました。ぜひ、「いいね!」を押してフォローしてください。フォローしていただくことで、最新の情報を常に得られるようになります。
これでよいかな、小川補佐。

新しい町をつくる陸前高田市

2015年4月20日   岡本全勝

今日4月20日の朝日新聞に、陸前高田市の復興が特集されていました「陸前高田、復活への1200億円」。
陸前高田市は、町の中心がすべて津波で流された、最も大きな市です。2,500棟が並んでいた市街地が、すべて流されました。私は、発災直後4月2日に、当時の菅総理のお供をして、ヘリコプターで視察しました。そのときの衝撃的な風景は、今も目に焼き付いています。とにかく、空が広いのです。なぜだろうと考えました。建物がないだけでなく、電線と電柱がないので、空が広いと感じたのです。あれから4年が経ちました。先日視察したことを書きましたが、計画ができて、事業が急ピッチで進んでいます。
さて、記事を読んでいただくとして。かさ上げの面積は127ヘクタール、東京ディズニーランド2.5個分です。盛り土は1,242万立方メートル、東京ドーム9杯分です。総事業費1,200億円。新しい町には、6千人が暮らす予定です。一人当たりに換算してみてください。記事には、人口減少と高齢化が予想される町に、巨額の予算をつぎ込むことについての議論が載っています。
陸前高田市以上に、より僻地の集落について、「高台移転や土地のかさ上げなどの復興をするより、各世帯にお金を渡して都会に出てきてもらった方が、効果的ではないか」という意見もあります。これは、経済合理性と、ふるさとへの思いとの比較です。しかしこれは、同じ物差しに乗っていないので、比較にならないのです。
そして、裏の畑を耕し、ご近所の婆ちゃんとお茶を飲み、世間話をして暮らしている高齢者にとって、都会のアパートに出てくることは、生きがいとつながりを失うことになります。することがなく、知った人もいない場所での生活が、高齢者にとってどのような意味をもつか。人は、環境と他人とのつながりの中で生きています。そして、自らの生きがいと一緒に生きています。移植可能な植物ではありません。極端な言い方ですが、これまでの暮らしから「引き抜かれる」と、私ならボケが始まるでしょう。私の両親を奈良から東京に呼び寄せても、同じことが起こります。「お金を渡して出てきてもらったらどうか」と聞かれる度に、私はこのように答えていました。あなたは、どう考えますか。
もちろん、1,200億円もの巨額の予算をつぎ込むことができるのは、国民の負担で支援できているからです。陸前高田市の発災以前の財政規模は100億円、市税収入は10億円程度でした。市だけの負担では、とてもこれだけの事業はできません。

仮設住宅の終了

2015年4月19日   岡本全勝

4月19日の朝日新聞が、「仮設入居、原則5年に 岩手・宮城、13市町村で方針」を伝えています。仮設住宅の入居期限は、原則2年となっています。しかし、今回の大震災では住宅再建に時間がかかるので、1年ずつ延長をしてきました。4年が経って、順次住宅が再建しています。そこで、移転先が完成した自治体から、仮設住宅を終了することにしています。自宅の建設が遅れている方には、特例として延長を認めます。住宅の完成がまだ先になる自治体は、仮設住宅全体を1年延長します。仮設住宅は、学校の校庭などに建っていることもあり、早く撤去して、子どもたちに解放してあげたいのです。記事にも紹介されていますが、これは単純な話ではありません。
仮設住宅は無料ですが、公営住宅に移ってもらう場合、有料になります。もちろん、所得に応じた家賃の軽減があります。また、生活保護制度もあります。
さらに難しいのが、借り上げ仮設です。今回の大震災では、プレハブ仮設の他に、アパートを借り上げて提供しています。プレハブを造っているより、早く提供できるので、活用しました。しかし、無料で、かつプレハブ仮設と違い住環境は快適で便利ですから、出て行こうという誘因が働かない場合があります。記事で紹介されているように、震災前には2DKの賃貸アパートに月2万円払って住んでいた家族が、アパートが壊れ、市の中心部の3LDK、月8万8千円の賃貸マンションに、無料で避難している例もあります。この8万8千円分は国費(税金)で負担しています。(「賃貸住宅に住んでいた人は、津波でアパートが壊れて借り上げ仮設住宅に入った場合、住宅を移ったと考えて、以前に払っていた家賃相当分を払ってもらってはどうか」という意見も聞いたことがあります。)
昨日紹介したように、行き先を決めかねている老夫婦もおられます。丁寧に相談に乗って、次の住宅に移ってもらう必要があります。
原発災害の場合は、少し複雑です。避難が解除され自宅に戻れるようになった場合は、そこで仮設住宅を出てもらいます。自宅に帰れなく、公営住宅で帰還を待つ方には、公営住宅ができたら、仮設住宅を出てもらえます。帰還ができず、新しい生活を選ばれた方は、賠償金が払われた時点で仮設住宅を出てもらうのが原則になります。
直近の調査では、プレハブ仮設が3万9千戸、8万3千人。民間住宅が4万2千戸、9万8千人。公営住宅などが、7千戸、1万9千人です。資料p4

仮設住宅を出る人への相談

2015年4月18日   岡本全勝

大船渡市が、応急仮設住宅支援協議会をつくりました(3月10日の市長記者会見)。記者発表資料にあるように、仮設住宅を終了するに当たり、新たな課題が見えてきました。住民の中には、住宅再建の目処がたっていない方もおられます。判断を迷っている人、どうしてよいかわからない人もです。これまでは、仮設住宅での被災者見守りを行ってきたのですが、それだけでなく、災害公営住宅への転居を含め、住宅の自力再建を促すために、個別に悩んでおられる方の相談に乗る必要があるのです。福祉や住宅関係など、多くの関係者が連携して対応に当たります。