大震災直後には、商業サービスを再開し、また働く場を確保するために、仮設の商店や工場を提供しました。これまでにない支援策で、喜んでいただきました。その後、高台移転や土地のかさ上げ工事が進み、町並みの再建が見えてきました。すると、仮設商店から本格的な商店街に移ることになります。自治体にとっても、商店街は町の核となる機能ですから、重要です。
しかし、そのような経験はないので、復興庁職員が関係者と一緒になって、支援策を作り、助言をしています。少々専門的で、資料「商店街復興必携資料集」も難しいのですが、紹介します。現場では、各商店は扱っている商品はもちろん、規模や資力も異なり、計画作りは難しいのです。
また、津波で流されたかつての商店街は、何十年もかかってできあがったものです。そこには、時代とともに、はやり廃れもあったはずです。皆さんの住んでおられる近くの商店街を思い浮かべてください。それを一気に復旧するのは、難しいことがたくさんあります。補助金を出したらできる、といったものではありません。
ところで、世間でステレオタイプ的に思われている公務員像と違い、復興庁の職員は、これまでにない課題に対し、新しい対策を考えるのが好きです。それも、机上の空論ではなく、現場に行って関係者と議論をして考えた案です。みんな能力とやる気のある職員なので、「前例どおり」や「できません」と言うより、新しいことに挑戦するのが好きなのです。私の仕事は、彼らのやる気に火を付けて、さらに油を注ぐこと(このようにホームページで紹介したり。笑い)と、案の実現可能性や成果の確認をすることです。
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復興の後期5か年事業計画
今日、自民党と公明党の復興加速化本部で、「後期5か年の事業計画」を説明しました。ポイントは、次の3つです。
1 事業費見込みは、6.5兆円。前期5か年とあわせて、32兆円です。p1。
2 その必要財源。これは財務省が手当してくれました。p2。
3 復興特別会計で行う事業、そのうち地方負担を求めるものの振り分け。これは6月3日に公表したものを、要望を受け少し修正しました。p3。
4 見守り経費なども、継続することとしています。p4。
この案で、自民党、公明党とも、了承いただきました。特に、自民党の加速化本部では、出席議員から感謝の言葉をいただきました。もちろん、被災地で地方負担を求めるのですから、皆さん諸手を挙げての賛成ではありません。知事や議員さんからも、「もっと地方負担を減らして欲しい」との要望を受けています。
竹下復興大臣と考えた結論は、他の県の事業と公平を保つためにも、負担は求める。しかし、被災自治体が負担できる範囲内であること、また計画された事業は遅れを出さずに完成させることでした。
これまでの災害復旧や、同じ事業の他県での負担と比べると、今回の案は、かなり被災地に配慮したものだと考えています。主な事業は全額国費で行い、地方負担を求める場合も通常自治体が負担する額の20分の1にとどめました。6.5兆円の事業費に対して、自治体負担は220億円と推計しています。
それだけ、被害が大きかったのです。他方で、この財源は、国民の負担、所得税にあっては25年間にわたっての増税をお願いしています。納税者にも、説明できるものでなければなりません。
私たちの苦労は、筋を通すことと、被災地の実情に応えること。この2つを両立させることでした。すると、結論だけでなく決着に至までの過程、関係者の理解も重要でした。この後、政府の決定とする手続きと、関係自治体への説明が必要です。
五百旗頭先生の復興評価
6月18日の毎日新聞、五百旗頭真・前復興推進委員長の連載は、「違い見えた復興過程」でした。
・・・福島県の避難指示区域は別として、津波被災地の情景は、3県で通じるものがある。大震災後の5年間を国は「集中復興期間」と称したが、復興がいっこうに本格化しない、遅すぎるのではないか、それが昨年のある時期までの実感であった。ところが、多くの地では昨年中に新しいまちづくりが動きはじめ、「集中復興期間」の最終年度となる今年、東北被災地のまちというまちが大土木工事で雄たけびをあげている・・・
・・・宮城県被災地を訪ねて、あい似た境遇なのに、リーダーシップや復興方針により異なる復興プロセスをたどるケースが少なくないことを知った・・・・・・強い個性的なリーダーが危機の瞬間にいかに貴重か。たとえば福島県相馬市の立谷秀清市長の発災時の応急対応から今日の復興に至るまでの水際立った手腕を見れば、そのことは明らかである。ただ、洞察力豊かなリーダーシップが強引なリーダーシップに転ずる時、逆効果を招く。岩沼市の隣の名取市は・・・
ぜひ、原文をお読みください。
山田町の低価格住宅
岩手県山田町が、価格を低く抑えたモデル住宅(の設計図)を造ります。6月12日の毎日新聞が伝えています。「山田型復興モデル住宅」です。小さい型では、2LDKで52平米です。770万円ですみます。戸建てを望む被災者に、モデル住宅のプランを作り、業者に安く作ってもらおうという趣旨です。
視察に行った際に、佐藤町長からこのアイデアを聞きました。私は「そんな小さな家でよいのですか」と聞くと、「戸建てを作ろうか公営住宅に入ろうかと悩んでいる、高齢の単身または夫婦の世帯なら、そんな大きな家は要らない。公営住宅並みでよいのです」との答え。なるほど。そもそも、大きな住宅を建てようとしている人は、公営住宅に入るかどうかは悩んでいませんわね。
現場では、悩みに応じて、様々な工夫が試みられています。
産業振興の新しい形、企業お見合いの成果
被災地では、インフラ復旧が進みつつあります。しかし、それだけでは町の賑わいは、復旧しません。地場産業、中小企業に、事業を再開してもらう必要があります。でも、これは、国が補助金を交付したらできるものではありません。漁船も、漁港も、魚市場も、水産加工施設も、補助金によって復旧したのに、水産加工物(干物、すり身など)の売り上げが回復していないのです。そこで、復興庁は、被災地企業が抱える課題(どうしたら売れるか)を解決するため、大手企業が持っている技術、情報、販路などを被災企業に提供する場を作っています。支援企業と支援を受けたい企業の「お見合いの場」、地域復興マッチング「結の場」です。このような試みは、初めてだと思います。もちろん、参加してくださる企業があるから、できることです。
また、「開催しました」だけに終わらないように、成果も評価しています。平成26年度に実施した「結いの場」の成果を公表しました。概要は資料1(p2)、主なものは資料2(p5)をご覧ください。何をもって、成果の指標とするか。これが難しいのです。「数字による評価」と識者はおっしゃいますが、そんな簡単なものではありません。少なくとも、当日の参加企業や参加者の数は当日の成果であっても、産業振興の物差しではないでしょう。この資料を見ると、職員が工夫をしてくれたことがわかります。