カテゴリーアーカイブ:災害復興

新年度予算のポイント

2015年12月25日   岡本全勝

今日、復興大臣が「復興・創生期間に向けた新たな課題への対応」を発表しました。昨日公表した、平成28年度予算案のポイントでもあります。
ここに書かれているとおり、前期5年でインフラ整備は、かなり進みました。住宅再建はめどが立ちつつあります。しかしそれだけでは、街のにぎわいは戻りません。新しいステージに入ったので、次の課題に力を入れます。この資料では、5つの課題を挙げてあります。
被災者支援、防災集団移転元地の活用、観光復興、原発地域の産業復興、風化と風評対策
課題を明らかにして、それに注力する。また、関係者にもそれを認識してもらう。行政を進める際に重要なことだと、考えています。

復興予算

2015年12月24日   岡本全勝

今年度の補正予算案28年度の予算案が決まりました。今年度で前期5年(集中復興期間)が終わり、来年度から後期5か年(復興・創生期間)が始まります。5年分の事業見通しをたて財源を既に確保してあるので(関係資料)、それを各年の事業進捗に合わせて予算化します。予定では、28年度末には、高台移転の宅地造成は全体の7割、公営住宅は9割近くが完成する見通しです。とはいえ、事業の進捗に従って、新しい課題も出てきます。

原発事故の際の避難実態

2015年12月19日   岡本全勝

内閣府が、「東日本大震災における原子力発電所事故に伴う避難に関する実態調査」を公表しました。東京電力福島第一原子力発電所事故の際、住民の避難誘導が適切に行われませんでした。今後の教訓とするために、大規模な住民アンケートと関係機関へのヒアリングがされました。住民アンケートは、対象者が約6万人、回答者が2万人です。調査結果概要や結果を見ていただくと、当時の混乱した状況がわかります。
3月11日当日に複数回出された避難指示を入手した住民は、2割未満です。停電したりして、周知の方法が限られたのです。避難指示を聞いても、どこに避難したらよいかわからなかった、何が起きているかわからなかった住民が多いのです。どこに避難してよいか情報がなかった住民は、6割に達しています。4月末までに避難所を5か所以上転々とした住民が2割います。さらに、5月以降でも2か所以上を移動した人が5割以上います。
関係機関へのヒアリングでは、次のような回答があります。
・全町避難を想定した防災訓練は全く考えられてこなかった。
・大規模な住民の移動、患者の移動という想定はなかった。
・基本的に受け入れ先を探しながら避難・移動するという形だったので、それがきつかった。
・身体麻痺等で寝たきりの患者等をバスで搬送するのは無理であった。
・皆パニック状態で、高齢者や要介護者を優先するという措置までは採れなかった
このような調査は、原子力災害対策本部、その実務を担う経産省原子力安全・保安院がもっと早く行うべきものでしょうが、原子力安全・保安院が廃止されたので、内閣府防災担当が実施したようです。

不安を取り除く

2015年12月17日   岡本全勝

毎日新聞「坂村健の目」12月17日「ベビースキャン」から。
・・・11月下旬の英国のテレビ番組「BBC WORLD」で福島県の子どもたちの内部被ばくを測定できるホールボディー(全身)カウンター「ベビースキャン」の測定結果が紹介された。3台が福島の病院に設置され、約2700人の小児、乳幼児を測定した結果、全員から放射性セシウムが検出されなかったという。
この装置は東京大学大学院の早野龍五教授(原子物理学)が中心となって、海外製のホールボディーカウンターを改造したもの。うつぶせ姿勢で、不安をあたえずに4分間測定できる・・・
・・・実は、一緒に生活する母親のデータから高い精度で子供のデータも推定できる。不検出の結果も予想されており「科学的には不必要」とも言われていた。しかし直接「測れない」ということを「わからないから怖い」と言い換える人たちがいる。いわゆる「悪魔の証明」に対抗するには、全ての場合について地道にデータを積み上げるしかない。
早野先生が偉いのは、母親たちの不安を「科学的に必要ない」と切り捨てず、測れないデータを一つでもなくすために地道に努力していることだ・・・
・・・しかし、発表姿勢としては弱いのか、ベビースキャンの結果も日本では10月初めに発表されたのに、残念なことに取り上げた日本メディアは非常に少なかった。事態がわからないときに、非常ベルを鳴らすのはマスコミの立派な役割。しかし、状況が見えてきたら解除のアナウンスを同じボリュームで流すべきだ。大震災から5年近く。早野先生を含む多くの方々の地道な努力で、データは着実に積み上がっている・・・