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地方行財政-地方財政改革

税源移譲

6月も半ばになり、勤め人の方には、月給が出るころだと思います。私も、給与明細書を渡されました。現金は銀行振り込みですから、私を素通りして、まっすぐ「キョーコさん」のところに行きます。今月は、給与明細の他に、「税源移譲について」のお知らせがついていました。
所得税(国税)から住民税(県税・市町村税)への税源移譲が、今年から実行されています。所得税は1月から減り、その分が6月の住民税から増えているのです。皆さんも、今月の給与明細書を先月のと、さらには去年12月のと比べてみてください。ただしこのほかに、定率減税の廃止による税金の増加もあります。
さて今回の改正で、次のようなことも起きます。これまでは、納税者の8割以上の人は、住民税より所得税の方が多かったのです。これからは、逆に8割以上の人は、住民税の方が多くなります。大概のサラリーマンは、ここに入ります。これまで「税金が高い」と思っていても、国税が主だと、「総理には、文句を言いに行きにくいなあ」でした。これからは「住民税が高いので、市長に文句を言いに行こう」となります。私は、それを期待しています。国は遠いですが、市役所は近いです。これが自治です。
あなたの税金が無駄に使われていないか、よーく市役所を監視してください。「毎月給料日は、住民税を考える日」です。この点については、「続・進む三位一体改革」月刊『地方財務』2005年6月号p152に、図表入りで解説しました。抽象的に分権を解説するより、給与明細書(実際の負担)の方が、はるかに自治を実感してもらえると期待しています。

自治体の財政力格差

4日の朝日新聞は、「地方の税収格差、難問」「都市に偏る税源、交付税減で財政難」「三位一体改革の宿題」を解説していました。
・・ただ、90年代半ばには、都道府県の税収格差は3.5倍前後あり、最近より大きかった。今、この問題が切実なのは、地方財政をとりまく状況が悪化しているからだ・・・

地方消費税拡充議論

22日の毎日新聞社説は、「地方消費税拡充 これを機に抜本改正論議を」でした。
菅義偉総務相が、地方消費税の拡充を問題提起した。現在、5%のうち1%分が配分されている消費税の地方取り分の拡充を、6月に策定する「骨太の方針」に盛り込むべきだというのだ。菅総務相はその見返りとして、法人事業税と法人住民税の国税への移管を提案している。
菅提案が経済財政諮問会議の場で取り上げられれば、安倍晋三政権下で封印されてきた消費税率引き上げ問題や税制の抜本改革を巡る論議が、再度動き出すことになる。参院選に向けて国、地方を通じた財政再建や地方分権を進めていく上で避けることのできない税制の抜本改革が隠されたままという、異常な状況に終止符が打たれるということだ・・
詳しくは、原文をお読みください。

2007.02.15

2007年度の国と地方の税源配分全体像を乗せました。課税対象別の大きさと、国と地方の取り分、交付税・譲与税による移譲後の取り分を、一つの箱に入れた図です。2006年度は、2007年度に行われる国から地方への3兆円の税源移譲を加味した試算でした。今回は、それが実現した後の数字です。
この図は、日本の税収総額を、「国が集めて国が使う分」「国が集めて地方が使う分」「地方が集めて地方が使う分」の3つに分けて、一目で見えるようにしてあります。なかなか優れものだと、自賛しているのですが。どうぞお使いください。