カテゴリーアーカイブ:災害復興

全国避難者数

2013年11月27日   岡本全勝

11月時点の全国の避難者数を、公表しました。総数で27万8千人です。最近は、毎月約4千人程度、減少しています。残る避難所は1か所で、15人です。
この調査には、全国の自治体の協力を得ています。ありがとうございます。

NPOと企業の復興協力

2013年11月23日   岡本全勝

復興支援に協力してくださっている、企業とNPOの方の鼎談を紹介します。「なぜ今、企業がNPOのリーダーシップに注目するのか?グローバル・ビジネスリーダーとNPOリーダーの対話から」。
人材派遣を斡旋してくれているNPOのETIC.の宮城治男さん、それに協力してくれているジョンソン・エンド・ジョンソン社長の日色保さん、日本財団の青柳光昌さんです。
日色さん:・・社会貢献活動においても、「寄付をしたから、企業としての責任は果たしました」ということはあり得ません。私たちが直接手を動かすことによる効果は限定的です。一方で、パートナーである支援先のNPOがどんな団体で、どんなビジョンをもって活動しているのか、そして私たちがお手伝いしたことが、成果を生み出す上でどう活かされているのかということには、支援する以上は 責任を持とうと思っています・・
・・私たちも、大震災の直後には短期的な物資や資金の支援をしました。ですが、震災から2年半が経過した今では、より息の長い支援をしていきたいと思うようになりました。水が足りない所に水を配ることも重要ですが、やはり井戸を掘る方法を伝えたほうがより効果的かつ持続性があると思います。右腕派遣プログラムは、復興の担い手を送ることで地域のニーズを持続的に満たし、地域経済の循環を創出します。この点が、私たちが大事にしたいこととマッチしていました・・
青柳さん:・・日本財団はもともと本業としてNPO支援に力をいれてきました。そういった流れもあり、今回の震災でも様々な支援を進めてきました。その中でひとつ重要なことは、支援そのものに加えて、こういった活動の担い手をいかに育てていくかということです・・
藤沢烈さんに、教えてもらいました。
災害時の金銭と物品の提供といった支援に続き、被災直後の肉体労働的なお手伝い(ボランティア)が、大きく進みました。社会に理解され、たくさんの人が参加してくれます。課題は、その次です。
被災地の暮らしが元に戻るために、継続的な支援、ものや労働の提供でない知恵と人の参加です。これは、まだ試行錯誤中です。地元で何が求められているか、誰が何を提供できるかを探しながらです。他方で、継続的・組織的に支援できる仕組み、それに参加したいという企業や人の発掘とつなぎが必要です。
復興庁でも、人材斡旋に新しい仕組みを導入しようと、「Work For 東北」という試みを始めました(「民間人の被災地派遣応援の仕組み」10月4日の記事)。
繰り返しになりますが、企業の力、NPOの力を、どのように引き出すか。復興庁では、被災地で社会を変える実験をしています。そう思うと、仕事が楽しくなります。

簡単な復興指標

2013年11月17日   岡本全勝

最も簡単な復興指標である復興に向けた道のりと見通し」を、更新しました。数値の更新だけでなく、取り上げる指標も見直して、追加しました。
例えば、住宅の再建には、自主再建の数値も載せました。正確な数値を把握するのは難しいのですが、被災者生活再建支援金という制度があり、住宅が壊れると支援金が出ます。そして、再建すると、さらに加算金が出るのです。この加算金をもらった人の数を、ひとまず自主再建した数値とみなしています。

ご活用ください。そのほかの詳しい数値は、「復興の現状と取組」に、載せてあります。

避難者の心の健康

2013年11月17日   岡本全勝

仮設住宅暮らしが長引き、さらに長期化する見込みです。高齢者も多く、心身の健康を保つことが重要です。今回の大震災対策では、いち早く手を打っています。例えば、仮設住宅団地にサポートセンターを併設したり、相談員を派遣したり、見回りを行ったりとです。
いろんな機関や方々が、携わってくださっています。今回、心の病予防のために、被災者やボランティアなど支援者を対象に、心の健康に関する講演会などを行うことにしました。

与党第3次提言、福島の復興加速

2013年11月15日   岡本全勝

与党(自民党と公明党)が、11月11日に、復興に関する第3次提言「原子力事故災害からの復興加速化に向けて」を、総理に提出しました。各紙が大きく伝えていたので、ご覧になった方も多いと思います(例えば朝日新聞11月12日朝刊トップ)。
総理は、直ちに翌12日の閣僚懇談会において、「政府として、与党提言をしっかり受け止め、着実に対策を進めること。担当する関係閣僚は、直ちに検討に着手すること。被災者及び被災地にとって、将来の展望が描けるよう、復興大臣を中心に復興の更なる加速化を進めること」の3点の指示を出されました。
今回の提言は、福島の原発事故災害からの復興に絞ったものです。津波被災地では、どこに住宅が建つか見通しを立てました。建設にはまだ時間がかかりますが、先が見えてきました。
しかし、原発被災地では放射線量の高いところもあり、除染では低減効果が少ないこともわかりました。そのような地域では、まだ帰還のめどが立たないのです。市町村と一緒に行っているアンケート結果では、新しい生活を選びたい(戻らない)という人も、増えています。
そこで提言では、「早期に帰ることができる地域では、除染やインフラ復旧を急ぐこと。他方で、帰還のめどが立たない地域の方で、新しい生活を選びたいという方のために、どのような支援ができるかその内容を示して、判断いただくべきだ」と述べています。
この提言について、各紙はおおむね好意的です。例えば、朝日新聞15日の社説では、次のように述べています。
・・「すべてを事故前に戻してほしい」。被災者の思いはいまも変わらない。
だが、事故から2年8カ月。それがかなわない現実もかみしめてきた。新しい土地で生活を始めたいと考える人が出てくるのは当然だ。支援の選択肢を広げることに異論はない。
公平性をどう保つか。気をつけるべきは、住民の間に新たな分断を生まないようにすることだ。「被災者一人ひとりの生活再建」を基本に、「帰る」「帰らない」を問わず、ていねいに対応していくしかない・・
読売新聞11月2日の社説では、次のように述べています。
・・注目されるのは、帰還をせず、別の地域に住み続けようという住民への支援を打ち出した点だ。住宅取得を容易にする賠償方法の検討などを政府に要請している。
福島第一原発の周辺地域は、年間被曝線量に応じて三つの区域に分けられている。最も線量の高い帰還困難区域の除染技術は確立されていない。
帰還困難区域の厳しい現状を考慮し、提言案が、帰還の見通しをできる限り具体的に示すよう政府に求めたのは理解できる。「新しい生活を選択するために必要な判断材料」として、多くの避難住民に役立つだろう・・提言案は、現実的な復興策の重要性を示したと言えよう・・
毎日新聞の社説(11月12日)も、次のように書いています。
・・政府はこれまで福島第1原発の過酷事故で避難している人々の「全員帰還」を基本としてきた。自民、公明両党が政府に提出した「復興加速化案」は、その方針を変え、長期間帰還がむずかしい地域の人の移住を選択肢と位置づけている。
必ずふるさとに帰ろうと思ってきた人々にとっては抵抗がある方針かもしれない。しかし、どっちつかずの生活をこれ以上住民に押しつけるわけにはいかない。むしろ、もっと早く示すべき選択肢だった。
政府は、帰還・移住のどちらの選択をする人に対しても、新たな生活設計に向けた支援に手立てを尽くしてもらいたい・・
福島県知事(例えば福島民報)や、多くの地元市町村長から(例えば福島民友)も、評価するとの発言があります。
ただし、住民の方々の理解を得ること、そして提言に沿った様々な対応を進める必要があります。これからの政府の仕事が重要です。